感化されようとは
思わないが
あの目は純粋なのです
どんな幸福を
謳う人のそれよりも
憑かれた目
茜色の雲から
茜色が抜けていくのを眺めていた
わずかの間に光を失い
灰色の雲に戻っていく
その色を目に焼き付けて
覚えておこうと思ったのに
ほんの少し
視線をそらせただけで
もう ....
その木製の寝台はきっと
幾度もさびしい月夜と寒波を迎えつづけて来たがゆえ
あの月の桂と同様のものに変質してしまったに違いありません
その柔かな布団はとうとう彼女の豊かな乳房となって
ぼくという ....
月見草のいちりんは、首をかしげて、
何を見るのだろう。
何を見ると思う?
それは、月の影。
心の音。
砥石にかけられた、街のかけら。
──知っている?
死は、前からはや ....
修学旅行で長野の永平寺に行った
若い坊さんが
俺たちのホストだった
晩御飯を食う前に
「いただきます。」
て何をいただくか知ってるか
奴は得意げにそう言った
そんなネタ俺は知って ....
とつぜんですが、
狂ってしまったんだ
人生の歯車
その人にあってしまい
その夜を境に
とも言えるけど、
本当に狂いだしたのかな?
人生の歯車
それ
わかんないよね ....
静かさ
静かさ、といふ音があると思ひます。
秋の夜長、しをれかけた百合を見ながら
静かさに耳を傾けます。
{引用=(二〇一八年十一月八日)}
....
落ち葉が集まる
回転ドアの中
振り返る季節に
折り目をつけようと
頬を叩いた紅葉が
赤くなって
蟹みたいな歩き方で
立ち去る
人に踏まれながら
指を捨てたら
大事な約束を
....
最近、寂しいところが少なくなった
宅地開発が進み畑はなくなり
無人化した団地は壊され
樹木は切り倒され、インフラ工事は進み
ホームセンター、リゾート・ラドンセンター、
24時間営業の店、 ....
海が見える最高の場所に
外国風の別荘地が広々とある
静かな環境に身を置き
心も体も休ませて
素の自分に戻っていく
どの季節にも美しさがある
その美しさを楽しめる場所
別荘地と ....
ゆび先が追う雲……
あの空には、レモン色のなにかがまじっているにちがいない。
かすかな酸味にみちて。
ゆれる線譜のうえを、
つらなる音がながれていく。
それぞれの音が、それぞれの頂点 ....
白い顔、しながら
君を探すんだけど
君の顔が見えない
強い雨が目を刺すから
くぐり抜けた街の汚れは
とりかえることもない
白いカッターシャツを
汚し続けているんだ
ため息を ....
殺戮と破壊、
そして破滅を繰り返しても
学ぶことのない人類
誰しも魂を病んでいる
ひとり残らず
しかし、それに気付かない
現実の狂気の中、
嘆きと涙と血に塗り固められ
暮れてゆく ....
静寂がほしい!
情報過多がカタカタと音をたて
脳内を犯し侵食していく
「もうたくさんだ!」と声を張り上げても
耳を塞いでも侵入し、俺を壊してゆく
ディスプレー越しに俺を覗いている
この ....
ごめん。
嘘ついていました。
恥にまみれた人生を、送って来ました。
なにもカッコつけたいわけじゃなく、
じゃなく、
とてもカッコをつけたいの。
だって、生きて、
なんのた ....
世の中、
人間からや自然から、
悪意や理不尽を、
感じてしまうような時、
わたしたちは普段を試されている
普段、世の中を、どう感じているか、試されている
日々、 ....
悪いことをやり過ぎた結果
良いことしか
言わなくなったドイツ人が
男性名詞とか女性名詞とか
中性名詞とか
未だにそんな言葉を使っていることに
アメリカのLGBT団体から
抗議の声が上がっ ....
枯葉のように
舞い落ちた
夏の日の恋
白いボートで
あそびながら
エメラルドグリーンより
コバルトブルーのほうが好き
紅葉のころに
また来ま ....
フルーツポンチの ような顔をして
宇宙の果ての 果ての隅っこで
フルーツポンチを やってはいますが
その正体が いったい何かは
当の本人も 分からないのです
鏡を見 ....
鈍色空は僕の心
鈍色空は僕の気分
鈍色空は行き止まり
そうしてぼんやり全てに呆けて
僕の心に花野が開ける
狭い暗渠を通り抜け
あの無上の花野に至る
休みを取って、
なんとしてでも、風俗には行くまいと、
午前中、戦い抜き、
やっと、エロ動画で、オナニーして射精した。
ああ、私は勝った。
妻と娘が出かけてら、3時間にも及ぶ激闘の末。
....
ドジでのろまなカメよ
なぜ慌てるのか なぜ急ぐのか
人の目を恐れ 急かされ 脅され
見えない何者かに怯え慄いている
マイペースを貫け 人に合わせるな
おまえはウサギなのか カメなのか ....
深夜
名もない公園の駐車場に車を停めていた
他にも数台停めていたが人が乗ってる気配は感じられなかった
そこへ巡回中のパトカーが入ってくる
俺の車の横につけて停まった
警官が二人降りてきて私の ....
わたしは悲しみを拾います
だれの悲しみだろう
なぜ悲しいのだろう
取り留めなくおもいます
掌で包んでみたり
耳をあててみたり
抱いて寝てみたり
机の上に置いてみたり
床に転がしてみ ....
小鳥のなかにある巣箱を見る。
小鳥のなかにある巣箱のなかには、
ちいさな穴があり、
それは小鳥にとっての全て。
穴の外には広い大空が広がっている。
小鳥の歌う歌声は、小鳥自身にしか聞こえない ....
旅先で拾った不思議な光る石独りきりの心に寄り添う
ビアガーデン夜景見ながらビール飲む気分良くなり飲み過ぎてしまう
突然に良いアイデアが降りてくるそのアイデアが世界を変える
朗読の声に ....
青い鳥 幸せの
とはいえそれは
細い翼のその先の
先の先まで青いとは限らない
けど青い鳥
刈り上げられた田んぼの畦を
歩いてくるのがカツオさん
古びて背の高い人で 猫背で
....
遠くの森はいつの日か
愛娘と歩いた森
今頃木々が色づいて
キラキラ綺麗に輝き出し
二人で辿ったあの道を
艶やかに照らしているだろう
娘よ、お前は元気かい?
今頃二十歳のその道を
....
うねる海岸線にカモメが群れる
風をうけて舞い上がり飛んでゆく
白いシャツに透ける輪郭は
子供から大人への通過点
白い砂は貝殻の破片を散りばめ
遠い島に流されてゆく
アゲハ蝶の羽 ....
鉄の嵐の翌日に
ガジュマルの若葉が
青黒い焦土から
そっと芽吹いた
たくさんの血が流れた
悲しい焦土から
おだやかに命を紡いだ
祈り
叫び
呼び
思い
気遣い
耐え
ある ....
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