人も街も変わる
変わらないのは
私の心の中で微笑んでいる君だけだ
君との思い出を
死ぬまで抱きしめていくんだろうな
また次の生
そしてまた次の生で
逢いましょう
炎天厳しい8月
森の木々はまっすぐと
燃える円球のような日へと
ごつごつした両手を伸ばす
枝が大事そうに抱える緑葉は
ああ 体に新しい力を抱いた
小さいお前そのものだ
それは決し ....
水の
なか
に、
泳ぐ
鳥
記憶のなかを
明滅する光
濾過されて
蒸留する
西へ、
それから再び東へ
ゆく鳥は
籠を抜けて
飛び去った
八月の日 ....
暗いバーで
黒い服がよく似合った女が
しわがれた声で私の名をきいた
煙草とウイスキーの琥珀によどんだ目で
笑いもせず何故
私を 見つめるのか
フロアから這い上がっ ....
天道虫畑の朝露に
濡れながら
もうすこしできる話が
あったような気がした
痩せ細った夏草の礼儀正しさ
わたしはすっかり
風邪をひいてしまった
少しずつでも構わない
そう思ってい ....
草は
大地(ほし)からあふれるエネルギーの現れ
こんなにも草が育つ
私たちの国
水が豊富な
土が肥沃な
明るい
恵まれた土地なのだ
砂漠化が進む
この地球(ほし)の上で
特 ....
ちいきをまもる
ぐりりとぐらら
りんせんたいせい
すいかのもよう
ちゅうかんかんりの
ぐりりとぐらら
りそうのゆめは
すぐそこなのに
ゆめのような
うつつのような
....
戦地より死者が多いのどこの国
魂戦やめてといって誰やまず
暑すぎる少女の声が今響く
磔刑の惨さで狂った人もあり
健やかに一人居りこれ滑稽味
目も悪くはないのに、
しじみ汁をすすった。
みんなきれいに殻を開いていた。
身をすばぶっては、
殻を空の小皿に捨てる。
最後に残った貝は殻が閉じていた。
そうか、お前は先様だったの ....
あらたに開通された高速道路と道の駅にとって替わられたとても広いパーキングの、そのとても強い潮風にさらされた。元直売所の窓ガラスはいくつも破れはて、そこにはオニグモが何匹も巣を張りめぐらし、その赤茶けた ....
まつごのみずをのみませう
(アヨヨイノヨイ ソレ)
まつごのみずをのみませう
(アヨヨイノヨイ ソレ)
あけびにやあたしやもうおらぬ(アヨイショ)
あけびにやあたしやもうおらぬ(アヨ ....
部屋の中に集落ができた
小さな集落だった
本家、という男の人が話にきて
畑で採れた作物を
いくつかくれた
学校が無くて困っている
というので、近所の小中学校と
市役所の場所を教え ....
波リズミカルに打ち寄せる
浜辺 灰白にて広がり
貫く漆黒の直線、
後光帯びる弧空、
やがて訪れる
深い夜闇に
点る明澄な灯り
手を繋ぎ寝そべる二人に
対立し合う世界の響き、 ....
半月のゆらめき昇る時
哀れにも
恋の嘆きのリフレーン
がらんどうの
もはや、夢をつくり得ぬ
心
何もかもが
その中で共鳴するから
全てが 一様に化合さ ....
部屋の片隅で
一生懸命首をふりながら
頑張ってくれている
風のメロディー届けてくれる
気づかないぐらいの優しい風
雑多な音を引き連れて迷い込む
窓 ....
『
たとえ どうして 流れを {ルビ留=と}める 事 は できない
時計の 針の {ルビ音=おと} あかい 水 あのときの 紫に 覆われて
過ぎ去っていく その ことを 情景の 景色に ....
2023年ももう半年・無化しました。
パソコンがつぶれかけで買い替えたいんですけども。
もう童心のかけらも残っていないじぶんにとては、
民間信仰に願うよりも、トホホ・公営博打に賭けちゃう
....
願いが叶わなかった日
遠く、命の向こう側から聞こえてくるのは
ニイニイゼミの声
毛穴から染み入り、毛細をとおって
脳内に聞こえてくる
頭上を爆撃機がかすめて飛んでいた
なのに街は箱庭の ....
君達はすべてのものに、ほんとの社会の窓を
開け放つために生きている。それを抑えつけ
る、真実のない化け物たちに立ち向かい。
ふたつの気持ちが重なって消えてしまうこと
はよくある ....
雨は涙ににていてね
いつかこぼれるものなのよ
どんより空を見てごらん
うるむ瞳にみえるでしょ
雨は涙ににていてね
とまらなくなるものなのよ
空がわんわん泣くのなら
今はいっし ....
青ぞらの日の、
雑用のつみかさね、
フォークリフトに雑巾をかけ、
ゴミを拾ったり、あるいはホウキで掃いたり、
している、
どこか緩慢な、土ようびのしごと、
けれども思いのほかいそがしい、
....
一人でふたり分の荷物を整理する
なんて過酷で残酷な(笑)
やり始めるとやっぱり記憶に飲み込まれそうで
それでも時々、楽しくて
壁のシールを剥がせば そこだけ白くて
こ ....
総勢五十名の審問官が横一列に並んだところ
壮観であるとおっしゃった
かの君
ウツボ座の椅子は非常に座り心地が悪く
座り直すたびにずり落ちる王冠はまるで
重力波へくちばしをくりかえし
く ....
アパートの軒下で
猫が雨降りを眺めている
虚ろな無関心な
人間の目をよそに
瞳 黒々と濃く流れる血
いつか雨降りと一体化し
遠い海鳴り宇宙のそよぎ
軒下の猫 夢みてい ....
見えない陣が静かに張られ
消せない悔いを学ばされる
通学の青にも馴れた頃
無菌にされてゆく教室で
午後の解答欄をはみだした
もっとひろい紙の方へ
未来をつかうことば達を黙 ....
ピーマン ナス トマト
カラフルでピカピカ
夏の野菜
元気印
ピーマンとトマトは大丈夫
でも
ナスは大嫌い
それがなんと
なんと なんと
ナスをたべれるようになりました
....
地元走るローカル線を無人駅で降り
山裾へのぼる細い道で足を止めた
通りすがりの一軒家
茂る枝葉を被った鉄の門
奥に木造の二階建て
軒下には蜘蛛の巣が灰色の層になっている
....
○鉾市の部屋(有馬記念当日)
競馬中継が映されているテレビの前に陣
取っている五人。鉾市が茶菓を乗せた盆
を持ってやってきて座る。
遥「あ、すみませ~ん」
鉾市「いいねぇ、 ....
主な登場人物
葛城涼歌(16~18)高校生
川上千伽子(17~19)右同
環華織(17~19)右同
神楽キャロル(17~19)右同
井園遥(17~19)右同
浅田鉾市(69)書店ア ....
たぶん、”世界-1”と記したって”世界”が分岐し、
もう戻ってくることはないのだと言いえないとも言えない。
どうせ、明日もたぶん地球は自転してもいるが、公転も
しているのだから。
....
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