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気温25度ぐらいの
する事のない晴天の日は
それ自体がひとつの音楽だ
階段を登って空を見上げると
悲しい思い出が粘度の低い唾液となって
唇の端から漏れる
引き延ばされるありきたりなフレーズ ....
おれは水溶性だから
泣いている人とか、
こういう灰色の
天気が嫌いだ、
カゲロウみたいに
目の前がふらふら歪んで、
傘の無い人もろとも
いきなり消えてしまうのは
怖いな、
....
まるい夜空の温度を
瞼の裏で受け取りながら
狭い歩道をなるべく真っ直ぐになら
ないように歩いた
水の流れた跡も
通り抜ける車の種類も
聞こえてくる音楽も
昨日と同じ
2日前とも
2年 ....
{引用=天使ちゃんです。
わたしの部屋の窓にすわっています。
毎朝十五分、ラッパの練習をしてから、かえっていきます。
絵をかくのがすきです。
神さまに見られるのがこ ....
桃を食べていた
指で口をぬぐった
戸が開いて何かがわたしにふれる
液状の 概念じみた何かがわたしにふれる
死んだ後もそこに在るとされるものだ
それは 戸を開け ....
胸の中に
何もないとき
思ったよりずっと
あなたを思い出していた
もう愛していると
言いたくなくて
泣いた顔の上に
砂をまいて隠したのに
人はみな
空っぽで
....
昼過ぎまで 魂をみていた
ローソンに車を停めて
海辺の商店街で
わたしに友達はもういなかった
腐った犬などがわたしの腕だった
わたしの歯が彼らの瞳だった
....
ある夜
死んでしまつた
畳の上に食べかけの芋がころがつてゐる
その横におれがころがつてゐる
目をとぢることも
ひらくこともできない
お迎へもこない
月の光 ....
{引用=どこにもいないひとのことをずっと
まっているからそのひとのすきなみ
つあみにしてむぎわら帽子かぶって
丘のうえでソラみあげながら年をと
っていこうとおもうのわたし}
並び替えた語らが
愛想笑いをしている
竹林
空腹の蛇だった
噛まれた耳だった
おりていく夕闇だった
感じられる前の淋しさだった
吐気がして
ねむっていると
あおい空がみえた
わたしたちは睦み合いつつ
観念の ふやけた泥団子に成り果てていたが
憎しみながら ねむっていると
吐気 ....
愛が美しい
言葉で語られ
手帳に書く時間も
ないくらい
肉体が支配する
頃にはもう
正しいレシピを
忘れたような
クリームシチューの
中にいるから
熱くて皮膚が
敏感 ....
空き地の段ボールハウスが
雨で溶けてる
Krispy Kremeの窓から
それを見てきみが言う
「17になったらあんな家に住むわ」
一周まわって今時の
君の着る服が、
私の前髪をきれいに揃えようとする
君のきるシャッター音が
あまりにデジタルなので
私は前髪を揃えようと思うのだ
私の肺の穴あなから
ミツバ ....
夜
リビングのソファーで母が咳をしてる
姉がトイレのフリをして
白湯を入れに行く
「電気消すよ。もう寝な」
私は父の手紙をしまう
「うん、おやすみなさい」
「おやすみ」
....
ひとつだけ伝えるなら
あなたに何を
朝のまぶしさか
夜のしずけさか
日曜のあきらめと
やすらぎか
風のつめたさか
空のはるかさか
言葉のたよりなさと
たのもしさか
大切 ....
終わりの始まりは
10歳になった猟師の息子が
父親の古いライフルで
森の木の枝のフクロウを
撃ち抜いた時だった
息子は父親を振り返り
やったと笑い
獲物から最後まで目を離すん ....
転
転
転
回った先に
円
線
ペン
あなたの愛する実験が
ステレオ越しに聞こえてる
転
転
転
回った先に
ペン
線
円
あなたの愛する実験が ....
技術
垂れ流しの技術
他国に奪われて
俺の足
ミドリ
緑になった
荒地を覆い
いつか思った
あの日の嘘が
現実になる
おたんじょうびのこどもたち
テーブルに花を咲かせる
壁に掛かった絵を変える
少しだけいい服を着る
あの日もこんな朝だった
ガラス細工のようだった
とてもちいさな新参者が
どこからかやって ....
埋めなきゃな
その凹
ハチミツ
寒天
コンクリ
恋をしたので窓を開けることにした。
揺らめいている、夏のシルエット。
君のせいで、世界が晴れてしまった。
さよならを告げて君はこの場所を去る。
光と風を残して。
湯を沸かす
三分経った
持ってきたティーバッグを
湯に落とす
飲む茶
その味が
何だったっけ
あれに似てるんだよ
あれ
思い出せない
ほらあの
四角くて
プラケースに入った
....
聖書をよく焚いてから飴玉を投げ上げてください。
反転します。
落下しない
林檎
蜜柑
それから
檸檬。
安物です、この宇宙は。
{引用=( ....
割れた幾何学が
積み上がっていく夕
雨のような寂しさを身にまとうひと
抽斗は
開けられることはないのだろう
なにか次の出来事を準備していた
裸体たちは 敢え無く 黒炭の
テクスチュアの内にほどけて
やわい鹿も
二頭ばかり居る
私 という語は ざらりとした
塗料を風に削がれて
あおい粉塵だ
詩を拒むので或いは詩を映すので
建物はこんなにもあかるい
縫い目に指を入れて
糸を噛み切る朝に見た夢の
回遊水槽の中に
何も泳いでいなかった
指先から春になった、わたしは大好きな歌を口ずさみながら、
誰もいなくなった地球を歩いている。
夜なんてものが本当にあるとしたら、きっとこんな表情をしているんだろう。
つま先まで春になった、だけど ....
俺の家は狭い1Kでペット禁止だが
木曜と特定のメニューの日には俺の膝の上には猫がいる
まずは都会の暮らしに傷 ....
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