すべてのおすすめ
歩いていると
とても疲れるんだけど
歩いていると
次の日はもっと歩けたりして
歩いていると
違うけしきが見えてくるかも
あしたも歩きたいから
きょうはもう寝よう
静かの中に身を投じる。
こんがらがっていた糸が、まっすぐになってゆく。
なにもむずかしいことを考えることはない。
自然と一本の線になるのだ。
頭を空にする。ひとつの空間にする。
ここ ....
とどこおるとよくないので
暑くてじめじめとしていたが
洗濯物を干してみた
風がないせいか
まったくはためく気配はないが
つぎの用事がやってきたので
とどこおるとよくないので
つぎの用事に ....
塩分の
うすい膜が
少年、
夏は飛んでこない。
眼を充血、
陸のリンゴ。
焦りすぎだという警告
与え、
外って、どこだ?外って
水をたたえて
おれは
遠す ....
死んだふりばかりうまくなって
世渡り上手になれなくて
からっぽの冷蔵庫みたいな心をもって
誰も愛すことができない僕は
たまに必要とされることが
たまごを割る時みたいにうれしい
暗い部屋に行こうと思って
穴に落っこちた
見上げた空が青くって
誰か覗いてるみたいだったけど
自分にも見えて
よくわかんなくて ....
伸びる鉄
縮む影
鏡の沈黙
構築される塊
振動の消滅
無表情の象
遠くの人々
薄らな目
再現される幻
頭の中のその他
きづく
星と椅子とで
いつか生きた証をとおもっていたひと
息吹く緑に
ひかりと風がふりそそぐ
問いはない
おだやかな招きがまぶたをおさえる
五月
まばゆい魂の軌跡にうなされ ....
凸凹なところを平らにしようと
紙ヤスリを僕に当ててみたんだ
だけど荒かったせいか血が出て
酷い痛みで嫌になってしまった
だから一番に優しい紙ヤスリを
僕に当ててみることにしたんだ ....
窓の木枠に青色のペンキ
オンボロの家は銀河鉄道になって
向かいの家は星になった
色あせた畳に青色のペンキ
ぼくの部屋は海に変わって
波の上を歩いていた
打ち捨てられた大八車
忘れ ....
今日も風呂に入った
心がさびしくて
妻が、頭を背中を顔を
洗ってくれる
それが楽しくて
ありがとう、ありがとう
ただそう言った
友達がぐれて
イグアナになった
もう
人間に戻る気は
ないらしい
奥さんと話をしたら
俺は百舌鳥になりたいと
息子が暴れるそうだ
わたしも
たまに
こっそりカメレオンになるから
....
時計の針がない
改札の駅員も消えた
角砂糖ひとつ分のダリで歪んだ
そんな私の記憶の個室
父が一杯の水を差し出す
母が一輪の花を差す
それがかつての始まり
最後に望む光景
角砂糖ふたつ分のダリで歪んだ
そんな私の記憶の個 ....
コインパーキングから出ようと精算したら、隣に止めていた車の
料金を払ってしまった。めげずに、もう一度コインを投入すると今度は
そのまた隣の―といった具合で、運転手たちはさまざまな母国語で、
あ ....
超BIGなミルクプリンを
すくっては丸飲みする
輝き始めた友人たちを
プリンの中に沈めてやる
甘すぎないその味に
小さな嫉妬が奥行きを与える
明日は呪詛のように
私をコンクリ ....
私がとても遠いのだと思っていた人は
すぐ目の前にありました
なぜならその人は海だったのです
必要とあれば向こうから
そうでなければひいていきます
私がどんなに駿足でも
どれだけ望みを握 ....
クリヤーレンズのサングラスをして
吊るしの安物スーツに身を包み
髪の毛をぴっちりと整えたうえで
郵便局へ簡易書留を出しに行く
頻りに腕時計を気にする素振りで
1000円札1枚しかない財布を開 ....
たわわ と35回言うと怒りが収まると聞き
たわわ たわわ たわわ たわわ たわわ たわわ たわわ
たわわ たわわ たわわ たわわ たわわ たわわ たわわ
たわわ たわわ たわわ たわわ たわ ....
眠いから寝た
疲れたから寝た
悲しいから寝た
わかんないから寝た
水たまりみたいに寝る
昼間に寝る
ずた袋みたい
粘土
つまんないから寝た
寂しいから寝た
頭痛いから寝た
覚 ....
軒下のコンクリートが古くなり
小さな穴が開いている
そこに ひょろりとしたものが居た
それは小さな子供の蛇
大きなミミズかと思ったが蛇だ
二十匹程の蟻が 体中にたかっている
ひょろりと ....
語られた台詞は
ため息の泡立つ場所のものだった
笛が口から溢れて
音楽はきっと鳴らされた
大いなる歌は帰らない
記録された言葉が
私の足元を祝福が照らして
私を導いた 私が集まった
....
冬の間、生活していると
だんだんと埃まみれになってきて
粉糖をまぶしたケーキみたいに
頭の先からアルプスのよう
そんな時に誰かがやってきて
ふーっと吹いて埃が舞って
中から出てきた蓋をあけ ....
じっと生活していると
だんだんと埃まみれになってきて
埃のおばけみたいに
手なんかもうサボテンのよう
そんな時に誰かがやってきて
ふーっと吹いて埃が舞って
おばけの中から一瞬わたしが出てき ....
飛べるわけでもないのに
いつの間にか
こんなに遠くになってしまった
遠ざかったのは彼らなのか
僕のほうなのか
教えてくれるはずのあなたは
昼寝をしてた椅子のように
そっけなく ....
バイトの面接にいった。それだけで脳から鉄の匂いと鉄の味がするくらい疲れた。実際今もさびついた鉄の歯車が俺の脳内をギシギシいいながら回っている。そういえば俺は今生きてるだけで疲れているのだった。みんな軽 ....
湿った風 追い風 まとわる
体中すいこんだ わたしたち
早足で 砂浜のような 濡れた アスファルト
バスを 待つ余裕も なく
霧雨は 小さく崩れて 銀色 とけあう熱気
あ ....
握りこぶしに八割の水分
寝具に横たわり
タンクトップも脱いでしまって
タオルケットに巻かれてしまえ
コットンが素はだかを優しく撫でる
身体感覚が昇るからうつぶせを楽しんで
ひと ....
1.
海岸に
打ち上げられたふたりの詩人が
詩の話をしている
金持ちが金の話をするように
2.
都市を撃ちぬく
弾丸
僕たちの指 ....
私達は風景を食べている
そしてもうひとつの地球のような
そんな世界を造りその上を歩いている
しかしそれはとても、とても小さい
幾つもある小さいを繋いでみようと試みるが
誰も縫い目ひとつに ....
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