1  月はまるで、地球の薬指に光る真珠のようだ。
2  月はまるで、大きな藍闇に光る女の目のようだ。
3  月はまるで、私の心を映す鏡のようだ。     欠け行き満ち来る銀鏡。
4  月に呼応し ....
egg

あの日の夜空に 一人こっそりと
込めた願いはちゃんと 星座になったかな?
大きな海を渡る 風はちゃんと
知らない町まで たどり着いたかな?

全ての歌が 鳴り止んだ後の
舞台 ....
桜の花が咲く 花が散る
花の影がわたしを斑に染める

晴れた空はうつろに息づいている
わたしにきららかな憂愁が降る

胸のうちをほの白い人の列がゆく
半透明に やや蒼ざめた横貌を見せて
 ....
ひとつの幽霊となって
ある日の透明をかえりみる
止まない雨に
裂けない雲に
青空の贖罪を聞く

糸を編む蚕の
たゆまない運動の
底の磨り減った靴の
歩いてきた時間を告げる

再会 ....
壊れそうな気がしていた
一瞬でも気をぬくとパンパンに張り詰めた風船のように
空気を全て吐き出して
しぼみ何処かへ飛んでいきそうだった
会社での私はそんな感じなのかもしれない

感情が分から ....
コンビニの袋をちりちりいわせながら歩いていた
夜風のなかに小便のような匂いがした
あたりを見回すとその匂いはツツジの群生からこぼれていた
それは甘くて涼しいヨシミの匂いにも似ていた

連休ユ ....
ディ・スタンス

心地よいものごとを心地よくするのはわたしの脳みそ
捕まえられない速さで電気信号が駆け抜けて
きみの指は
きみの声は
わたしによってわたしにとって意味を持つ

 ....
扉が
しずんでしまう前に
瞳をひらく
決意をしよう

内に
あふれる
海原をのがれ
足を
こわごわ立たせる場所が
小さくてもいい
流れ着いた
この岸を
いまは
瞳に焼き ....
山の麓、谷間の果てる所に家はあり
冬場はいつも風花が舞っていた

ストーブは子供の役目で
おっかなびっくり薪を割り
煙にむせびながら火を起こし湯を沸かした

町までは午前と午後に1本ずつ ....
あの夕焼けを誰よりも美しくしたためることが出来るなら
まかり間違って詩人になってもいいと思ったわけだし
ポジティブシンキングで幸せになることはないことぐらい
鱗を散らして空に溺れた魚の目を見るよ ....
雨が降る日 
アシスタントが描いたような風景に包まれた 夕闇の中
違和感を積み上げて昇り
たどり着いたのは 三階建てのアパートの屋上


疑いの目を向けて迫ってくる風にのせ 
傘を飛ばす ....
雨が降っている
雨は私の屋根を打ち
  私の壁にしみ込んで来る
雨が私の枕を濡らす
  水というより、夜の、宇宙の体液だ
雨は、私のマスカラに降り
   私の服に降り
   私の靴に溜ま ....
三月の飛鳥山
王子駅から望むと
厳冬時とさほど変わらぬ
枝振りの樹々が
何の衣も纏わず
剥き出しではあるが
陽光に透けて
半月後の桜色の
淡い期待を靄のように
纏っている

穏や ....
僕は君にはなれない
誰か別の人にはなれるのに

綺麗な服を着れば
おさがりのルージュを塗りたくれば
別の人にはなれるけど

僕は君にはなれない
皮一枚隔たりがもどかしい

変身と鏡に投げ掛ければ
タ ....
貝の中で眠る
エナメルに身を添わせ
なめらかな肌に
潮騒を聴きながら

貝の中で歌う
孤独とは空間原理
反響して丸く閉じていく
原初細胞の相似形

世界の外では日が昇り
また太陽 ....
透明な紅茶に火を燈す
うすぐらい部屋は
広大な宇宙のように
ぼんやり、笑い
オーケストラの 心地よい重力に
白々しく嘘を吐く
2人の少女は 冥王星をみつめ
いつかあそこに住もうと
征伐 ....
床にグラスを叩きつけると
飛び散った破片が
キラキラと光っていた
光っていたものは
ガラスだけではなくて
僕の透明な内臓も
砂浜に打ち上げられた
海月のように
日に照らされて
光って ....
やわらかい雨がいい
ふぅわりとしたメレンゲの様な
やわらかい雨がいい

雨は色々な事を思い出す
切ない事や、あたたかな事
沢山のくだらない事を思い出す

雨の音は沢山の匂いがする
さ ....
階段は途中で空につながる

これ以上は歩けないかな、と思って
これ以上は歩けないかも、と思った

風がとても心地よい季節のことを
寂しさを微塵も感じないで過ごした
短い時間のことを振り返 ....
そいつはこの上なく獰猛で
このうえなく強い顎の中に
鉄をも貫きそうな頑丈な牙を備えている
だけど死体だ、死体だ、死体だ


建築計画が頓挫した
コンクリが剥き出 ....
所長とお客様のところですれ違うことが多くなってきた
常務のイケダは、それは社長と片山先生のまいた種だから上田くんは悪くないよ、と言ってくれた

さいきんやっぱりシバタさんが印鑑ついた発注書がない ....
鳥が飛び立ち
魚は泳ぎ出し
猫は顔を洗い
始まりの風景に焦点が狂う

風に乗れず
流れに逆らい
長い髭を引っ張ってみる
まだ少し、眠っていようよ
おいてかないで


僕 ....
左折レーンにいた
交差点にしゃがみ込む人たちを見た
赤い小さな水たまりを見た
音声を風が運んだ
がんばって…
がんばって…
助手席の彼女が見たもの
人の言葉を持たない小さな生命が
消え ....
あまりにも偶然の
そういったひとつの雫のように

午後の空は案外小さいものだ

倒れている私には
自分が呼吸をしているのかさえ曖昧で
ただ
降る眩しさだけがほんとうだった
(やっぱり ....
 
 
透明な水槽に
きれいな水を満たしていく
やがて現れる一匹の魚を
妻と二人で待っている

数億と言われる精子は
あらかじめ神様が予想した
人の数かもしれない

水槽の向こう ....
少年は向かい風に負けず
自転車を漕ぐ
徒労とは思わず
ひたすら前に進む

そんな彼も吐くことを覚えた
空腹に身をよじりながら耐え
むさぼった
それでも痩せほそる身体を
重く感じながら ....
TVのニュースは
今日も残酷なものばかり

電源オフにして空を見ても
私の一日は安い物語

神様はどこにいますか
最近はお忙しいのですか

お年寄りの幸せはありますか
私もずっとず ....
8センチヒールで足をくじいた日 あなたの背中バファリンのよう 僕は逃げてしまったので
あわせる顔がないと
いいながらも
腹を切らないのは、
物理的に無理だから

方程式がどうこういうりゆうで
Fが云々と
Fが力だと習った物理で
いつも寝てたけど ....
道は急速に右へとカーブし
街灯が
粉雪に色を試しているそのあたりで
ぼくは黒い髪の女の子に
恋をした

彼女は腕を垂らして
かばんを提げていた
髪をかきあげて
左目 右目と順々に
 ....
中原 那由多さんのおすすめリスト(877)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
満月は欠け始めた。人類は月を10万年間も見て来て、・・・・・ ...- salco自由詩9*10-3-30
egg- itukamitanij ...自由詩1*10-3-29
桜_時- 塔野夏子自由詩5*10-3-29
春の雨- within自由詩6*10-3-28
球体採取- 暗闇れも ...自由詩210-3-28
蛇たちの天体- 吉岡ペペ ...自由詩710-3-28
届かないので測れない- ________自由詩3*10-3-28
- 千波 一 ...自由詩4*10-3-27
風花- 西天 龍自由詩11*10-3-27
日暮さん- しろう自由詩4*10-3-26
描かれる雨の記憶- 自由詩4*10-3-26
雨が降っている- salco自由詩7*10-3-25
花見直前- ……とあ ...自由詩10*10-3-25
告げる白- 黒乃 桜携帯写真+ ...410-3-25
呼吸をするようにひらかれていく- 瀬崎 虎 ...自由詩710-3-25
溶けてく腐水- 嘘而自由詩210-3-24
染み- within自由詩3*10-3-24
雨の事- プル式自由詩5*10-3-24
あなたに_愛を- 瀬崎 虎 ...自由詩310-3-23
冷たい血が俺を生かしている- ホロウ・ ...自由詩2*10-3-22
蛇と桜- 吉岡ペペ ...自由詩710-3-22
何処かに- 太陽の獣自由詩210-3-22
Goodbyebirdと名付ける- たちばな ...自由詩9*10-3-22
サニー- 自由詩9*10-3-21
水槽- 小川 葉自由詩410-3-21
I_never_dance- within自由詩5*10-3-20
ご時勢- 未完自由詩5*10-3-20
背中- ことり ...短歌310-3-20
綿襖甲- a自由詩310-3-19
道は急速に右へとカーブし- オイタル自由詩3*10-3-19

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