空の
顔色をうかがいながら
傘を
閉じたり開いたりするのにも
雨の
中途半端な冷たさに
肩を
じわじわ侵されていくのにも
そろそろ
嫌気がさしていたんだ

とりあえず
晴れたね
濡れた土のにおいが照 ....
今夜は神日和{ルビ=カンピューリゥ}
神日和{ルビ=カンピューリゥ}は物忌み
神日和{ルビ=カンピューリゥ}の夜は家の外へ出てはいけない
村の年寄りは若者に諭した

けれど若者は
十三日の ....
私は、絵を描くのが得意です

私は、本をはやく読むことができます

私は、色々な事を想像することができます

私は、新聞を毎日いい子に読むことができます

私は、ピアノを弾くことができ ....
薄暗い放課後の理科実験室で
やさしさの裏側を顕微鏡で覗いている
数名の男子が抱く女子への幻想があるかもしれなくて
もしくはどこか悲観的に
いくばくもない生命のおわりが映るような気もして
 ....
金属を叩く音が
全部で三つ

離れすぎず
また、求めすぎない間
充分で理想的な関係

重要なのは音色
振動する空気も
重すぎないのがいい

単純な規則性と
各々は直に影響し合う ....
正義感溢れる言葉裏腹に弱い心を覆う隠れ蓑

風となりポストに届く封筒の雪の切手は夏に一目惚れ

広島の奥座敷だと言われてる湯来温泉の湯は恋に効く

空耳のような気がする君の声魂同士密談交わ ....
通勤の地下鉄

夜のうちに汚れの薄まったいつもの朝

家路を逆走する

生きとし生けるぼくたちは辿る

暇つぶしには程遠くて

たましいを携えて今日もゆく

あさってもあしたもきのうもおとといも

き ....
眠れないとあなたが泣くから
夜の外を探しにゆく
たらりと垂れた夜の糸口が
あるはずだからそれを探しにゆく

ほんとうはあなたのそばにいたくないから
せっぱつまった顔で でてきただけ
せめ ....
■チューリップ


包むように咲く花びらは
遠いむかしにわたしの頬を覆った
大きくて暖かな手のひらに似ていた


誰のものだったかは
もうとっくに忘れた


中に隠れている ....
隊列からはぐれてもう一週間
伍長は毎夜、水面に映る星空を眺めている
炸裂した散弾のようなそれは、湖の底から仄かに浮かび上がってくるように見える
頭をかすめるのは去年のポークチョップのこと
半年 ....
夏の太陽と

共に歩めたあの日々は

何処へ行ってしまったのだろう

秋が深まりゆくにつれ

逝ける夏を惜しむぐらいにしか

今は出来なくなった

私は

太 ....
赤い川を覗こうと
熱し切った手足は捨てた
また生えてくる別の手足を
訝しみながら
川を覗き
鳥の羽のように手は空をまさぐった
私は
手を憎み
固くなった足を
後ろに向けて
 ....
{引用=
うわの空に舞う花弁を掴もうとして距離を見誤る春愁の日
                
性別なんて窮屈すぎて息が詰まりそうだった

黄昏色の溜息を煙草の煙と一緒に吐き出して
トイ ....
なつかしい音


なつかしい音


なつかしい音



結局 わかんなかったな


なつかしい首


なつかしい首


なつかしい首



めんどくさいん ....
境界線は 一体 何所へ 

時は意味を見失い 空気中に溶け込む

目に見えぬ場所へ 姿を隠す

捉え処の無い 視界が広がる

足元を見下ろすと 漆黒の闇が 表情も見せずに
 ....
ぽ ぽ ぽ

あてどなさを
撒き散らしながら
歩く

ぽ ぽ ぽ

優しさを
蹴飛ばしながら
漂う

ぽ ぽ ぽ

愚かさを
噛み締めすぎて
笑う

ぽ ぽ ぽ

淋しさを
演じ切れ ....
耳鳴りだ
またあの耳鳴りだ
またあの耳鳴りが
ぼくの精神に風を吹かせていた
目のまえのものが無数の風になる
どこへか向かってひゅるひゅると
無数の風が立ちのぼっている
ぼくはそれを虚無の風と呼んでいる ....
花が咲き散る道を
君の手をとり
あるいてく

遠くでカラスが羽ばたいて
星は流れて去ってゆく

泣いていんだよ
微笑が揺れるように

波の音きいていた
君のとなりで目を閉じて
 ....
 
 
しあわせな
人が書く詩は
どことなくわかる

役に立たないことを
知ってるから

しあわせな
人が書く詩は
少しだけせつない
たりないものが
少しだけ
残ってしまう ....
教会の裏手にある墓地でやさしい墓守が
土を掘る音がきこえる

冷たい海の底で体温を失った蛇を
埋めているのかもしれない

カーテンをそっと指先でずらして
覗いてみる

新しい銀河が生 ....
東京、新宿、夜を行く
明るいパネルに挟まれた
道路はあらゆるシルエットたちを
幾何学的にまき散らす

豆電球のフィラメントを
アリの足とするなら
この街の電光源は
一体、何に例えら ....
土塊(つちくれ)から縄文人は捻り(ひねり)出す
土器という名の地球の欠片(かけら)
それを手に取る我々には
単なる食器か容れ物か

想像できるは手の感触
己れが理解の範疇で勘違い
無 ....
三角柱の一面は
相変わらずでしゃばっている
白も
相変わらず踊っている

思いきり
死んでしまうほど長く見あげているうちに
目覚ましは鳴りやんだ

かつて
足りないと思っていた美し ....
夜にしかない可能性の息

あなたの首に下がっているのは地球


眠り、寝息で会話

ひとり起きて台所の水を飲む

この水は深海からすっくって運ばれてきた


フランス語のテ ....
虫の音を
聴く
深い夜へ
星が瞬いているのも知らず
あのひとは
ねむっているのか
荒野が明けることは なく
しわぶく空よ ここに直れ。

わたしは 暗闇に透ける
深淵のねむる火
 ....
歩き疲れて立ち止まり
雨がしとしと降り出して
静かに静かに降り出して
道に敷かれた石畳
次第に次第に濡れてゆく
並木の青いプラタナス
静かに静かに濡れてくる

歯を食いしばり空を見 ....
ニット

帽子


十六の島に染められた子

遠景と 自動販売機から出た温かい缶を左手に
少女として佇む

移ろいゆくあなたが
ひとり勝手に 丁寧に動いている

遠雷と時報 ....
やたらと動きのよい男は
チーフを取り出して涙を拭う
そして顔を傾けて囁く
女は台本通りに今宵二度目の愛を誓い
嗚呼、悲劇などないのだ、と


そして舞台袖の暗がりでは
黒髪を撫でつけた ....
驟雨
壁の絵を外すと窓がある
まだ名前のない誰かの清潔な床に
点々と零れた眠りを辿る
廊下に並んだ額縁の端
署名が目に入る
布をかける

遡行する
中庭の石畳はまばらに濡れ
痩せた ....
脆く崩れた時間の跡は
黒いばかりの真空の穴で
菜の花の黄色と向日葵の黄色が
溶け始めた根雪を帰路に{ルビ誘=いざな}う

冬の残滓は降り積もり
焼却炉へ
埋立地へ
悪魔の似姿をした双子 ....
中原 那由多さんのおすすめリスト(877)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雨上がり- nonya携帯写真+ ...6*10-4-24
神日和の十三夜- 楽恵自由詩17*10-4-24
自慢じゃないよ- くろきた自由詩610-4-23
やさしさの裏側- かんな自由詩21*10-4-23
三つの音- 瑠王自由詩10*10-4-23
正義感- 夏川ゆう短歌410-4-22
家路- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...510-4-21
夜の糸口- 朧月自由詩610-4-21
春の或る日、植物園にて- あ。自由詩1510-4-21
ブリキの金魚- シリ・カ ...自由詩310-4-20
変わり目- 蒲生万寿自由詩1*10-4-20
赤い川- tomoaki.t自由詩1*10-4-20
- 高梁サト ...自由詩13*10-4-20
rr- イシダユ ...自由詩1310-4-19
。。。- 美音子自由詩110-4-19
散歩- nonya携帯写真+ ...10*10-4-18
虚無の風- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...1110-4-17
- 青山雅明自由詩210-4-17
忘却- 小川 葉自由詩810-4-17
cemetery- mizunomadoka自由詩310-4-16
新宿- ゆうか自由詩610-4-16
縄文2- ……とあ ...自由詩5*10-4-16
下に- FUBAR自由詩7*10-4-16
眠りの代筆- 猫のひた ...自由詩410-4-16
日没- こしごえ自由詩2*10-4-15
雨上がりの歌- ……とあ ...自由詩5*10-4-15
窒息- しべ自由詩310-4-14
観劇- 瑠王自由詩9*10-4-14
署名- 古月自由詩6*10-4-14
斜めから射す光- within自由詩2*10-4-13

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