冷凍庫には、あのときのライブの唄声を
飾らない歌詞を紡いだあの瞬間を
レンジで3分も過熱すれば十分
ヘッドフォン大音量で聞いているの

野菜室には、4月の桜の花弁を
憧れの人の隣に座ったあ ....
その道はたぶんちがうと思うんだけど

おまえのことは諦めているから

いや、諦めてるんじゃなくて諦めてないから

ときどきつまらなそうな顔をしているけれど

おれは祈って送りだしてやるよ

おれも誰か ....
適当な理由をくっつけて
飽きたらそのへんに放り出して
腐ったリンゴみたいに
もう見向きもしなくなる


キモチよさが
理性のタガを吹き飛ばす
そのたびに
たくさんの残骸が
 ....
新緑の季節
五月の朝の陽光を浴びた
ニコライ堂 緑青に覆われたドーム屋根

明るい陽光に
くっきりとした陰影を残した
コンドルの遺産は
一二〇年経った今日も
聖橋から靖国通りに向かう坂 ....
蒼白の掌に
重ねられた
日に灼けた褐色の掌
襞と襞が結び合うように
地中を流れる
一本の水脈となる

生い茂る雑草の
繁殖の力に
おののきながら
人々は
草刈機で切断する
親指 ....
隣のビルに向かって叫ぶ

レモン!

酸味を含んだ飛沫が
届くといいと思って

レモン!

屋上で
柵に手をかけて
 
レモン!

箱詰めにしたレモンを
宅急便で送ってお ....
悲しみの輪郭を、そっとなぞり
この雨の行方を探してみる
黒々と光る夜空の奥深くから、
ざあざあと雨は降っていた
冷たい三月の匂いをたたえながら

指先が閉じ込めているのは
言葉を紡ぐこと ....
学校のクラス分けで 善 悪 粗野 
の3クラスに分けられることになった

容姿が関連し
にきび面だと善に入れない
粗野か悪
目がつりあがっていると
善には入れない
粗野か悪
頬が出張 ....
ベースギターの練習をしている最中に鬼が来て
私を殺そうと金棒を振りおろした瞬間に手を滑らせた
私は即座に金棒を確保し鬼を制圧しようと試みたが
あろうことか鬼は私のベースギターを手に取っている
 ....
                 100519






満員電車で饅頭を運ぶときは
潰されないように気をつけなさい
あたりまえの注意を背に
饅頭を詰めた蒸籠を運ぶ

人でな ....
灌木と雷雨を連れて町を出た
辺境には辺境の掟があるのだと怒られた

探査船に乗って星を出ると
ドーム内の環境シミュレーターで
雷雨は分析され、灌木は実をつけた

この確率は奇跡ですね、と ....
からだは正直なのに
わたしはことばを
つかうせいでうまくいえない

声の高い低いで
感情を伝えられたら
もっと楽なのに

バスルームから走り出て
受話器を取り上げた
声を聞くだけで ....
水面に映る世界を眺めている
しかし
水面より下から眺めている
浅く緩やかな水の底から
O嬢は
東へ流れ行く雲を
光をさえぎる緑を
群生する植物の悪意を
水面越しに眺めている

時に ....
 
午後三時

初夏の森は緑の海
風に揺れる光が跳ねている
ひらいたままの図鑑
次のページがめくられるのを待っている
外の景色に気をとられて
どこまで見ていたのか忘れてしまった
図書 ....
奇天烈な電波が飛び交う
騒音にまみれた街で
正常に機能する体を使って
私は生きています。

本当に欲しい物なんて
分かりません
でも語らせてください

最後は
海に近い一軒家の二階 ....
駆け上がったスケールの天辺で
頭にティアラを乗せられた途端
3オクターブ下の森へと転がり落ちた
黒鍵に打たれた身体に赤い痣が散る
地面に投げ出された
ティアラの真直ぐで静謐な輝きは
脆い影 ....
私は、
闇。オリオン、

恒星の、
灰。瞬き、
地中にー


私は、
写真の、番号。

戦争はー
数。
悲しみと
同居する心は
未だ渇きが取れず
潤いの水を
求めていた

渇きを
癒すため
荒れた土地を
さ迷う
此処には
潤してくれる
水なんて無いのに

見当違いの
場所に ....
昼間の月はあんなに高く
路上の吐血はあんなに紅く
廃墟のバラはあんなに脆く
朽ち果てた大聖堂で
福音は
悪魔の口から洩れ聞こえる


23時45分発の列車に乗って
窓から零れ ....
一輪の花を愛でるのは、いいことだ。 
五月の風に身を揺らし 
花はハミング、するだろう。 

一輪の花に寄りかかりすぎては、いけない。 
細い緑の茎が儚くも 
折れてしまうことの、ないよ ....
黒い布が二本 
電信柱に結ばれて 
風にひらひら泳いでる 

長い夜を越えて 
透き通った柱に掴まった 
僕等の姿のようだ 

あの柱には 
きっと 
僕等のいのちを生かす 
ほ ....
                 100511




無我夢中で逃げ出した
空襲警報の夜
タミフルは打ったから大丈夫と
人は言う
新型も季節型も大嫌いだ
インフルエンザが蔓延して ....
手紙はシャーペンで書いてはいけないという暗黙のルールを知らなかった私は、
苺やら牛乳瓶の形に折られた器用な手紙に四つ折りのノートの切れ端を返すような女子だった。
生徒手帳の禁止事項よりも大切な法律 ....
降る暮れの火と刺さる樹と
青と蒼と青と蒼
うなずくように
言葉なくす灯


花間のなかの蕭索
舌の上の山茶花
冠 冠
手に手をわたる


影 にじむ影
海 ....
空き部屋になって久しい一階奥の角部屋
いっこうに入居の気配感じられなくて
郵便受けはチラシとかで溢れている

ポスティングするのが仕事なんだろうけど
声をかけたとしても臆すること無く
ほん ....
鉛色の岸辺


蒼い木馬が燃えている 
塩辛く 蝕まれた 薄い身体を 震わせて 
揺れている 
錫色に泡立った 波頭の拍子を 執りながら 


砂の一粒一粒は 鋭く  ....
あたしは ひとり
故郷には ふつりあいな
未来都市にいた

もう 10年
この未来都市は
発展を止めない

ホテルに泊まるのは
初めて
ラウンジからは
晴れた日には 富士が見える

同時に
派手なイ ....
わしづかみするような五月のひかり
なだらかな緑のモザイク
呆然と見つめるいがい
ほかにどんな対処があっただろう

見つめかえしてくる
こんなところにいるんだ
ひかりが静かな
ざわついて ....
灼熱の片隅で
擦れ合う声とこえ
喧噪が
水のように
ふたりを追いかけてくる

ことばが
喧噪に濡れながら
絡みつく薄い皮膜
喧噪が証明する
わたしたちは一人という事実

けれど ....
先天的な性質
どんなに抗おうとも
それはシーツの上での舞踏に過ぎない
反響する命の別名を半分だけ受け継ぎ
残りの半分は空気との親和にくれてやる

後天的な性質
魂である影を捨ててまで欲す ....
中原 那由多さんのおすすめリスト(877)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
the_past_in_refrigerator- 梨玖自由詩1+10-5-23
おまえはどこにゆくのか- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...510-5-23
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盲目七つ- within自由詩4*10-5-22
雑事のレモン- 木葉 揺自由詩810-5-22
悲しみの輪郭- 九重ゆす ...自由詩6*10-5-21
粗野か悪- a自由詩310-5-21
ナンシー- セガール ...自由詩410-5-20
書物の家- あおば自由詩13*10-5-19
new_supernova- mizunomadoka自由詩410-5-19
ブルー・ルージュ- 瀬崎 虎 ...自由詩310-5-18
オフィーリア- 瀬崎 虎 ...自由詩210-5-17
図書室の窓辺から- ベンジャ ...自由詩8*10-5-16
この体で- テルテル ...自由詩3*10-5-15
armoire_caprice- 渡 ひろ ...自由詩24*10-5-14
体、陽。- 番田 自由詩210-5-14
砂漠の心- そよ風さ ...自由詩3*10-5-13
For_Me- 寒雪自由詩110-5-13
木陰の花_- 服部 剛自由詩310-5-12
透明の柱_- 服部 剛自由詩410-5-11
がな- あおば自由詩3*10-5-11
『海の中の蛙』- 東雲 李 ...自由詩5*10-5-11
夜めぐる夜_Ⅲ- 木立 悟自由詩610-5-10
届かないひと- 恋月 ぴ ...自由詩34+*10-5-10
蒼葬_/_****'02- 小野 一 ...自由詩10*10-5-10
未来都市- 森の猫携帯写真+ ...1*10-5-9
緑のモザイク- 吉岡ペペ ...自由詩1110-5-9
『喧噪』- あおい満 ...自由詩9*10-5-8
コーラルの森- 瑠王自由詩9*10-5-7

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