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うたを歌わなくなって陰影がわからなくなる
道端にすべて宇宙の残骸がおちているような
夕暮れまで秒読みを開始してアルミの屋根を
じっと眺めていた小国民少年少女一様に空へ

沈黙はもうだれもみな ....
形ばかりの水面に
罪を埋めて海を目指す
背の低い潅木に砂が吹きつけられ
背景はいつまでもグレーそしてグレー

声を閉じ込めて液体は走る
髪をつかみそして柔らかに放して
希望と金星は同じく ....
からだは正直なのに
わたしはことばを
つかうせいでうまくいえない

声の高い低いで
感情を伝えられたら
もっと楽なのに

バスルームから走り出て
受話器を取り上げた
声を聞くだけで ....
水面に映る世界を眺めている
しかし
水面より下から眺めている
浅く緩やかな水の底から
O嬢は
東へ流れ行く雲を
光をさえぎる緑を
群生する植物の悪意を
水面越しに眺めている

時に ....
雨が強くなり
森が海に呑まれる
木々の繊維が悲鳴をあげ
窓枠がかすかに共振する

死に向かう命の塊を
やはらかに包んで緑は
夜闇の中で黒と見分けがつかぬ
音がなくなれば沈黙は意味を失く ....
輪郭は崩れながら鋭敏さを取り戻していく

遥遠として未来くらい手触りがなく
僕の向こう側で僕の知らない自分を噛み砕いて
ただ読むことも出来ない活字の内側に
足跡を残しては消していく

c ....
貝の中で眠る
エナメルに身を添わせ
なめらかな肌に
潮騒を聴きながら

貝の中で歌う
孤独とは空間原理
反響して丸く閉じていく
原初細胞の相似形

世界の外では日が昇り
また太陽 ....
階段は途中で空につながる

これ以上は歩けないかな、と思って
これ以上は歩けないかも、と思った

風がとても心地よい季節のことを
寂しさを微塵も感じないで過ごした
短い時間のことを振り返 ....
そして雪が降っていたのだと思う

僕たちは逃げるように汽車に飛び乗って
石とレンガと煙の支配する町から抜け出した

音楽は遠い場所にあった
文字は誰ひとり読めなかった

僕たちは独りで ....
めぐり合い別れ悲しみに時を費やし今はもう過去の鎖
水面をたゆたう別れの声に重ね合わせるものが深く沈む
鼓動はいつまでも反転の果てにあり水の苦さに懊悩する
誰一人たどり着かない孤独の底で今一人誰の ....
気絶しそうな海が春の鼻先で
壊れたり生まれたり寝返りを打ったりしていた
レイン・ツリーと何度も口にしながら
飛行機雲を保存する方法を考えた

音が消えると振動がなくなるので
悲しみは無意味 ....
鼓動はやすらぎをもとめるものに平安を与えない
耳の奥でいつまでも小さく鳴り続ける戒厳令
風が霧を吹き払えば一面に悪臭が充満した
エメラルドグリーンの湖水も美しくさえある

何をしていても何を ....
その男 草木に眉を顰めて
かつて在りし栄耀の痕跡を追う
肉を刺し骨を切るのが鉄であり
火を燃やし町を興すのが鉄であった

酸素は力強かった
たゆむことなく働いた
人と動物だけが
幾度と ....
寝入りばな
夜の船に乗って
黒く澄む空を
たゆたっていた

静謐なガラスの船は
住むもののない水底の
果てない深さを
ギラリギラリと見せた

こわいよと口に出す
まだ眠りに落ちて ....
無辺際の空
金属が滑空する
滑らかな肌は
雲の白さに嫉妬する

見るものすべて
聞くものすべて
触れられぬあなたの
裸体を想起させる

悲しいことなど
嬉しいことなど
すべて綯 ....
展翅板の上で傾き涙する
輪郭を曖昧にして夜が散る
群像はインフラストラクチャーという
都市の臓物をめぐり来てめぐり行く

雨が降る頃には清冽な印象で
舶来のオルゴヲルが英雄を奏で
苦味の ....
海のビタミン吸い込んで
さざなみに抱かれたいの
君が新しいワンピースを着て
ベランダで僕を見てる

ピアノを海に投げ込んで
遠い世界に歌を贈ろう
今年初めての海を
あなたと見られて良か ....
脳の半球をヘミスフィアと呼ぶ
地球のミニアチュールであり
おそらく宇宙を丸いと考える
発想の端緒はそこから

階段は上り降りるものであり
僕たちはどちらかへ進む
階段の先にたくさんの扉
 ....
いきているのか
しんでいるのか
わからないまま
湖水の上を歩く

光はもう見えず
声ももう聴かぬ
私の肌を通して
水面に気泡立つ

温度は寂しさで
あなたは弱くて
困った人だけ ....
あたしには他人が何を考えて生きているか
本当のところ分かっていないけれど
たぶん全員が自分と同じように悲しんだり
うれしくて涙を流したりするんだろう

抱きしめられるように花ひらく
泣きな ....
華やかに君は笑っていて
フリルをひらひらさせて
僕の心にスタッカートを打ち込んで
ターンテーブルの上で踊り続けて

あでやかに君は笑っていて
レモンの香りをふり撒いて
夕闇にピッチカート ....
繭の中身を確かめに
ヴェランダからするんと
カーテンを伝って降り
君の夢へ移動する

月無き夜のこと
君の小さな体に
無数に穿たれた
秘密の森のこと

心に生い茂る銀色の
すすき ....
まにまに

君の背中に空を見上げてた
決着はすでに着いている
失うよりずっと前に君は
僕の心を連れて旅に出た

知らない街の懐かしい場所も
懐かしい街の知らない場所も
素敵なものに出 ....
かなしみの淵をなぞるゆめ
鋭利なガラスで指を切るゆめ
開いた詩集を風が繰るゆめ
その一ページに血をこぼすゆめ

うすももいろの唇に
ぼくのインクで紅を引くゆめ
まだ汚されぬやわはだに
 ....
さよなら、20世紀のかなしみ
戸惑うばかりに時を紙やすりで削り
緑が朝の雨に研がれていく

薄暗い台所では 食べる営みの準備
食い繋いでいく真摯な必要性を包(くる)む

食べもしないのに ....
いつしか雪が降りだして
夏なのにね おかしいね
僕は悲しい顔をして
君が帰ってくるのを待っている

僕のほうが先に死んでしまうよ
犬だものね 当然だね
玄関のタイルの冷たさに
柔らかく ....
季節の出口にたたずむと
誰もいない停留所から
後悔と不安が手に手を取って
去っていくのが見えた

水の流れに耳澄まし
緑濃い田舎道を歩く
ぼくの足元には先ほどからずっと
記憶の残滓残照 ....
流星に穿たれて
君は人魚になった
まだ名前を持たない朝に
瑠璃色の鱗を散乱させながら

尖ったガラスの破片で
静脈をなぞると
霧に包まれていた避暑地の白樺の
腕から熱い血が流れ出した
 ....
中原 那由多さんの瀬崎 虎彦さんおすすめリスト(28)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
どうかね_君は- 瀬崎 虎 ...自由詩410-6-8
アスピラ- 瀬崎 虎 ...自由詩210-5-30
ブルー・ルージュ- 瀬崎 虎 ...自由詩310-5-18
オフィーリア- 瀬崎 虎 ...自由詩210-5-17
- 瀬崎 虎 ...自由詩410-5-6
カッツ・ライク・ア・ナイフ- 瀬崎 虎 ...自由詩210-4-27
呼吸をするようにひらかれていく- 瀬崎 虎 ...自由詩710-3-25
あなたに_愛を- 瀬崎 虎 ...自由詩310-3-23
君がいなければ僕など意味もない- 瀬崎 虎 ...自由詩5*10-2-24
荒野はそこに今そこに- 瀬崎 虎 ...自由詩310-2-20
飛行機雲を保存する方法- 瀬崎 虎 ...自由詩510-1-26
The_END- 瀬崎 虎 ...自由詩2*09-12-29
鉄と春秋- 瀬崎 虎 ...自由詩209-12-2
眠りによせて- 瀬崎 虎 ...自由詩409-11-28
Sky_/_Sound- 瀬崎 虎 ...自由詩709-11-24
硬度7- 瀬崎 虎 ...自由詩209-11-15
さざなみと旋律- 瀬崎 虎 ...自由詩509-11-12
ATMOSPHERE_AT_THE_MOST_FEARFUL ...- 瀬崎 虎 ...自由詩209-11-6
月夜- 瀬崎 虎 ...自由詩609-11-1
冬の大三角に見守られて- 瀬崎 虎 ...自由詩5*09-11-1
この心臓では- 瀬崎 虎 ...自由詩2*09-10-30
月鳴夜- 瀬崎 虎 ...自由詩17*09-9-2
まにまに- 瀬崎 虎 ...自由詩8*09-8-27
ゆめ- 瀬崎 虎 ...自由詩8*09-8-23
20世紀のかなしみ- 瀬崎 虎 ...自由詩409-8-16
人生の大半は君を待つことに費やされた- 瀬崎 虎 ...自由詩12+*09-8-14
三叉路- 瀬崎 虎 ...自由詩509-8-9
おんなたちの朝- 瀬崎 虎 ...自由詩5*09-5-20

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