孤独は堆く
薄緑色の小鬼が
片目を瞑って
夜道を歩く。
飴色の酒壜を携えた
一人の小汚い男が
片目を瞑って
夜道を歩く。

それぞれが
それぞれに
それぞれを ....
子供達のいない公園は
時折り古代遺跡になる

すべり台は物見の塔
ブランコは祭り道具
砂場は野菜の洗い所

一つ一つが遥か彼方に
置いてきた記憶の欠片
回転遊具の中に入って
見上げ ....
  いっせいに
  電気がきえたので
  きょうは
  星がみえた



  痛みは
  たくさんあるけれど
  間違いは
  ひとつもない
  かなしむひとには
   ....
窓がとぶ
屋根がとぶ
全裸のマネキンが宙をとぶ
狂った風が吹きやがる

傘がとぶ
帽子がとぶ
純白のパンティーが宙をとぶ
狂った風が吹きやがる

笑いやがれ、
笑いやがれ、
笑 ....
水晶の心臓をもつあのこの
心音は途切れずに
星雲で脈打っている。まなざしは
林の陰のように微笑んだまま
朝食をいただいている
鉄塔の影はのび
山際の空が紫にいろづく
せせらぎを
さかの ....
素直に君を連れ去った
何時までも握る手に
永遠強くなる絆を覚えた

折れる 程
握ると白い指先の爪
痛いと言われて
ハッと息を 呑む

肩で息を
しばらくは止まない連鎖の銅板
動 ....
長く暑い今夏は
去年の抜け落ちた夏を
取り返そうとするかのよう

今というとき
現実というなかに居れば
もはやあれは空白の夏



触れてしまったカオスの感覚
狂気の世界
死と ....
灰色の町

「じゃあ、また。」で別れた後は
いつもの現実に帰ってゆく
流れる景色に消えてしまいそう
君がいないこの町は
嘘みたいに音や色が消えて
ただ君の匂いだけが残るの

心の穴が ....
 
 
樹皮から分泌される
石英に群がる
葉脈という葉脈
と、忽然とヒト
背骨に埋め込まれた記憶から
逃れることもできない
鉄製の門扉は赤血球に錆び
こんにちは
いつかヒトは幼い代 ....
彼女の結婚ばなしを口に手をあてたまま聞いていた

彼女の逡巡や覚悟を聞いていた

その訓練は五年間積んできたはずだ

身動きもとれずに聞いていた

あなたが傷つかない相手なんて、あのひとしかいないよ、 ....
砂浜に薔薇をさして朝を待ってる鳥一羽分空があいてる



星よ私は君であったのに光が欲しいと夜にないてる



朝焼けが落ちていた拾うと歌だった捨てると{ルビ朱鷺=とき}色の貝だった
 ....
瞼を閉じて見えるもの
それは漆黒の闇ではなくて
無限に飛び回る光の残像

この目で見た世界の景色を
逃さぬように閉じ込める

それは僕が生きた軌跡

焼き付けたら
また目を開こう
 ....
空の青と
花の赤を
重ね合わせた
君の可憐のマゼンダを
追いかけ過ぎて
森の緑を彷徨った

森の緑と
空の青を
擦り合わせた
僕の弱虫のシアンを
飼い馴らせなかったから
花 ....
満月はやはりいちにちかぎりのお話しみたいだ
ふつかが過ぎると
クレヨンしんちゃんみたいになっていた

彼女のベッドで眺めたてかてかの月は
ふたりのからだを青くそめていた
なんどもかたちを入 ....
暗闇のなか
横たわる身体
目を開くそして
閉じることの無意味さよ
何も無く
耳を通る音だけが
時間らしきものの有ることを
暗示する


こうやっている
トキがいい
時間は ....
自動販売機の 無骨な音は変わらないのに
近頃の 缶コーヒーは旨い
低気圧が近づいて 波が高い
海水混じりの風が 鼓膜を揺らし続ける

俺は 不味いコーヒーが飲みたかった
歯が溶ける甘味
 ....
私は寝ころび空を見上げる
病床の窓を通して

流れゆく雲は次第に形を変え
何かに似せては崩れてゆく
また、青は
濃淡で季節を告げ
気がつけば鮮やかになり
気がつけば冷めてゆく

雨 ....
金網、
地軸と同じ傾きで立つ僕ら
毎日、相談するような、探るような、臆病な、笑い声
いとも簡単に共倒れる覚悟だけが
信頼、のような
美空

君の腕が、僕を抱きしめるように柔らかく覆い、
 ....
真夜中2時の青ざめた部屋
居心地が悪くなって窓を開ける
迷い過ぎた …考えすぎだ 冷めていく現実
空見上げたら光る粒子

願い、辿る軌跡
願う、不確かな奇跡
磨かれない輝石をかざして
 ....
君を夏の一日に喩えようか
君は更に美しくて
更に優しい

夏の日差しは全てを等しく照らすから
心地好い虫の音はあまりに早く過ぎ去る

輝くばかりの新芽や花弁は
刻に陰らす雨雲によりその ....
月影と電信柱
かえりみちに天球の模様替え
エンドロール流れ去っていく感じに
星の浮遊をあやつって

街路灯、壁と窓、住宅街つややか
重なる吐息みたいに
暮らしと暮らしが混ざり ....
    引き潮に雨音が混ざる           
   夏の浜辺
  探せなくなったあの子の
   足跡が消える
    砂に残る蛇模様
   かすんでゆく水平線
  瞳の奥でざざんと縛 ....
朝から肉をもりもり食べる
むしゃむしゃ
むしゃむしゃ

ご飯もたくさん食べる
むしゃむしゃ
むしゃむしゃ

そのまま倒れるように眠る
ぐぅぐぅ
ぐぅぐぅ

昼過ぎ
あまりの暑 ....
高速道路からみえる
一番目立つ集合住宅
おそらく
ここは
八王子あたり
名前を
つける

マツリハイツ

窓のひとつ
ひとつに
すき 
きらい 

はりつける
頭だけ ....
1DKで二・二で夏鍋
くつろぎ感優先の部屋キャンプ
ポスト実家的居場所キープ感も満喫
甘美な真似事、擬似家族

風鈴も煮えそうな業火の責め苦に
パパ役(部屋主)エコ強調で一家激励 ....
さわやかな朝がくるという
きみには今日も
軋む熱を孕んだ、
ささやかな風が吹くらしい

天気予報でわたしは
いつも気圧配置を気にしながら
かあさんがおしえてくれた、
谷、と
 ....
水面は乱反射して
様々な絵を描く

現れては消え
現れては消え

複雑な世界が
泡沫であることを
教えてくれる

僕は光の悪戯で
ここにいるのかと思う

そう
次の瞬間には ....
雨を収めた油燈を持ち
光の先を追っている
呼吸の近く 銀は増し
振り向くたびに水は映え
標と標の会話をふちどる


沈む沈む
水は遠く 地も遠い
話しながら髪留め ....
 夜想曲

おお夜よ、おお夜よ
人は眠りを貪りながら死は恐れ
瞼を閉じて覆い被さる闇を追い出し
より暗い臓物の中へと逃げ込んで
しかし閉所恐怖をも克服する為
そこにマッチの軸で
天国の ....
あの空と海の境界は
いとしさを含んだ
やさしさが横たわっている

きみがすやすやと眠る
わたしのひざまくらも

きっときみとわたしの
曖昧なやさしい境界になっている

くっつかないということは
い ....
中原 那由多さんのおすすめリスト(877)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
消滅する十二時- 青土よし自由詩2*12-12-9
象形文字- 佐倉 潮自由詩411-3-24
停電- 草野春心自由詩7*11-3-23
狂った風- atsuchan69自由詩25*10-12-26
一瞬の影- こしごえ自由詩5*10-9-1
純(じゅんれん)愛- maumi自由詩3*10-8-30
あの夏について- シホ.N自由詩110-8-30
灰色の町- itukamitanij ...自由詩210-8-29
代名詞- たもつ自由詩410-8-29
春愁- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...310-8-29
砂の薔薇- kawa短歌110-8-29
光跡- うずら豆自由詩210-8-28
補色残像- nonya自由詩16*10-8-28
満月もふつかを過ぎると- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...210-8-28
闇の時間- シホ.N自由詩210-8-28
缶コーヒー- アマメ庵自由詩210-8-27
病床の窓辺- モリー自由詩4*10-8-27
男の子と、夏- アオイリ ...自由詩110-8-27
星彩- 相羽 柚 ...自由詩1*10-8-26
- 一 二自由詩110-8-25
かえり- jin自由詩310-8-24
晩夏- ふるる自由詩4*10-8-24
覚醒儀式- うずら豆自由詩110-8-24
148歳- イシダユ ...自由詩2110-8-23
夏鍋- jin自由詩210-8-22
いつもの天気- あぐり自由詩4*10-8-22
光の悪戯- うずら豆自由詩410-8-22
めぐり_はじまり- 木立 悟自由詩610-7-25
- salco自由詩6*10-7-19
夏の階段- かんな携帯写真+ ...7*10-7-18

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