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降り始めた雪が
肩先に触れるとき
人々は誰かに愛を告げ
別れを告げる
手のひらで溶ける冬
生きることからも
死ぬことからも逃げられない
吐く息がもう白い
ひらひらと落ちる結晶を
....
あの空と海の境界は
いとしさを含んだ
やさしさが横たわっている
きみがすやすやと眠る
わたしのひざまくらも
きっときみとわたしの
曖昧なやさしい境界になっている
くっつかないということは
い ....
薄暗い放課後の理科実験室で
やさしさの裏側を顕微鏡で覗いている
数名の男子が抱く女子への幻想があるかもしれなくて
もしくはどこか悲観的に
いくばくもない生命のおわりが映るような気もして
....
わたしって
どこまで贅沢なのか
生きてゆく理由も、死んでゆく理由も
どちらも欲しがって
どちらも見失いそうだ
三角屋根の向こう側には、空
その向こう側に潜んでいるようなあたたかい嘘
....
どこまでも行くよ
そう言う必要のない
今はとても
穏やかに空の下で寝転んでいる
農家は汗水たらして
作物を実らす
我が家
みたいだな
家族の汗の染みこんだ洗濯物
放り込ん ....