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男が一人
過去を闇に弔うように燃やしてる
空からは舞い落ちる人々
幸せは降ってはこないけれど
昨日、私は死にました
たった20余年の短い人生
明日からは新しい名前で生きていこうと思いま ....
君の夢を見て目覚めた
午前三時
追い打ちをかけるように
太陽はまだ昇らない
夢の中でも
やっぱり君はつれなくて
誰か知らない男の腕の中
背中を向けて去って行く
汗ばんだシャツを脱ぎ ....
齧りかけの林檎に
齧り付く色メガネ
白い寝巻きにアイスモカ
マルボロを咥え
未だ未完成の休日の朝
壁にかけられた
描きかけの絵画の永遠に
静かに見つめられながら
浮遊する双子の幽霊 ....
早朝の慌ただしい駅のホームで
よれたスーツに身を包んだ
アンドロイド達に紛れ込む
ウィダーインゼリーを注入し
素早くエネルギー補給する私
死体を乗せた霊柩車のように
ひたすら突き進む急 ....
あなたは流されて来たのだと言う
ただ水のように流されて来たのだと
このちっぽけな私の元に
私は湖のように静謐でもなければ
私は海のように寛大でもない
どうしてあなたを受け入れよう
....
何気ない日々が淡々と過ぎていく
何をしていても
何もしていなくても
そんなことは知っているのに
私は悲しみを持て余すばかりで
いつもは無口なあの人が
今日はよく笑っていた
野に咲いた ....
今までにどれ位の人達が
私の前を通り過ぎて行っただろう
何かを与えてくれる者もいれば
何かを奪い去って行くだけの者もいた
でも今となってしまっては
そんなことはどうでもいいこと
さっさ ....
咲き誇る桜の樹の下で
私の意識は虚空を彷徨う
全ての重力と声を無視して
遠く空へとたなびいていく
誰も桜など見ちゃいない
そういえばあの日も
仲間達の中で私は一人きりだった
もう誰の ....
誰も分かってくれないと
出来るだけ軽く呟いて
アスファルトに転がった
ビールの空き缶蹴り上げる
それは闇に吸い込まれ
遠くの方でカランと鳴いた
目を{ルビ瞑=つむ}っても歩けてしまう
....
地下鉄の駅のホームで
私はずっと待っている
ただ立ち尽くす私の前を
もう何本もの電車が通り過ぎた
しかし自分の本当の行き先を
私は未だに見付けられないでいる
電車はホームに止まる度
....
昭和生まれの私の肩を
平成の雨が容赦なく打つ
汚れや痛みは流されず
ただ剥き出しの私だけがここにいる
昭和という時代の終わりを
私は祖母の墓参りの帰り道
高速道路の車の中で聞いた
ま ....
この闇が続く限り
きっとどこかに
眠れない心を抱えた誰かがいて
その誰かもまた
違う誰かを求めてる
私もその誰かになりたくて
こうして今夜も眠れずに
昨日と地 ....
起き抜けの
一杯の珈琲と一本の煙草
まだ寝惚けた頭には
今日が昨日で
昨日が今日で
起き抜けの
一杯の珈琲と一本の煙草
ボサノバなんて聴きながら
一日に一度しか味わえない
その味 ....