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だれでも見えないところに空がある

晴れたり、くもったり
雨が降ったり、嵐が吹いたり

届きそうで届かないのは
空とほんとにおんなじで

何もなさそうで何かあって
そんな空っぽみたい ....
貧しいひとの手はなぜか淋しいかたちをしていて
貧しいひとの目はいつも悲しい言葉をさがしています

(本当はとてもきれいなものを求めているのに)

そう、
雪降る夜の冷たさは震える指を動かし ....
イモムシ 這っている

イモムシを 見下ろしている

何日かしたら 空を飛ぶようになる

イモムシは そのときまで這っている

イモムシが 飛べるようになったら見える

それまで  ....
小指の先が
少し内側に曲がっているのを
あなたは気にしているようでしたが

ペンを走らせるとき
他の指から少し離れているのが
文字のかわりに飛び跳ねているみたいで
好きでした

あな ....
やさしい人たちの目はとてもきれいで
うけとめた光をそのままたたえている

やさしい人たちの声はとてもおだやかで
きもちよく起きた朝の鳥の声に似ている

やさしい人たちの言葉はただただやさし ....
 
午後三時

初夏の森は緑の海
風に揺れる光が跳ねている
ひらいたままの図鑑
次のページがめくられるのを待っている
外の景色に気をとられて
どこまで見ていたのか忘れてしまった
図書 ....
{引用=ふらっと車に乗って家を出たら
振り返ることを忘れてしまった

何処に向かうでもなく走って
走って走って走っていた
気の向くままに曲がったりして
まるで人生みたいだと思った

い ....
{引用=おまえ
なまえなんていうんだ?

わんわんしかこたえられないんなら
いぬっころでいいか?

べつにばかにしているわけじゃないんだ
ポチとかじゃありふれてるから
いがいせいをねら ....
あまりの暑さに立ち止まろうとしたら
影が自分よりも先を歩いていることに気づいた

慌てて追いかけてたどり着いた交差点

道路にはみ出した自分の影が
通り過ぎてゆく車にひかれている

何 ....
前髪を切った
雨上がり

庭先でミツバチと出会う
胡瓜の黄色い花にモンシロチョウが舞う
土の匂いが肺の奥まで届くようだった
見上げれば空が雲と調和して
すべてを見わたしていた ....
 
{引用=(美しく生まれたかったと 思ったこともありました)


ある日
アゲハチョウが庭に迷い込んできて
羽を持って生まれてきた生き物は
そんなふうに飛ぶのが
当然なの ....
言葉にならないものたちを
白いスケッチブックに描いていた

ふくらんではじけそうな花のつぼみ
ゆるやかな風にふれる木の枝

言葉にならないものたちを
白いスケッチブックに描きたかった
 ....
夏のはじまりは
いつも雨

何処からともなくきこえてくる
海のうた

(セイレーン)

還る場所をさがすように旅をする
あの波の繰り返しのように響いてくる
記憶のような満ちひきに名 ....
ゆびさきで
おそるおそるふれた
ぎんいろのフルートにうつる
じぶんがはずかしくて

おと
おとをかなでるなんて
ぼくにはできないだろうとおもった
くちびるをあてても
 ....
もうずいぶんとむかし

あなたはたしか
「砂漠のなかで金の粒をさがすようね」と言った
僕はそれはちょっと違うんじゃないかと言いそこねた

きれいな空をそのままうつしたような海の
ちょうど ....
あ。さんのベンジャミンさんおすすめリスト(15)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「空がある」- ベンジャ ...自由詩10*13-1-22
「貧しいひと」_(青年詩片)- ベンジャ ...自由詩712-1-10
「イモムシ」- ベンジャ ...自由詩2*10-8-6
指先- ベンジャ ...自由詩4*10-6-2
やさしい人たち- ベンジャ ...自由詩6*10-5-24
図書室の窓辺から- ベンジャ ...自由詩8*10-5-16
「帰る場所を知らない」- ベンジャ ...自由詩6*10-4-20
「いぬっころ」- ベンジャ ...自由詩8*09-7-16
「影と歩く、夏」- ベンジャ ...自由詩10*09-7-13
「前髪を切った雨上がり小さな世界を見つけた」- ベンジャ ...自由詩5*09-6-25
「アゲハチョウ」- ベンジャ ...自由詩4*09-6-10
「六月のスケッチ」- ベンジャ ...自由詩7*09-6-8
「夏のはじまり」- ベンジャ ...自由詩12*09-5-24
「旋律」- ベンジャ ...自由詩8*09-5-8
「やさしい唄をきかせてください」- ベンジャ ...自由詩12*09-4-21

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