冬の薄暗い回廊を
渡ったところに教室があって
頭痛を抱えたままの君は
そこをめざして歩いていく

壁にはたくさんのテレビがついていて
音もなく瞬きながら
世界中のつらいニュースを
さか ....
人からたまに言われるさ。

「いつも楽しそうですね」

「ちゃんとしててすごいですね」

「きれいにしてて素敵ですね」

・・・etc.



もうちょっと近づいて、よく見てご ....
疲れている。咳がつづいている。
疲れているし、混乱している。
混乱と混乱のすきまに、しずかな時間があるのだが、すきまの時間がどんどん短くなっている。わかっている。どんどん短くなったのちに、また ....
ほころびを縫う
小さな欠落をたぐりよせながら
そのひとつひとつを
確かめるように埋めていく

ほころびのない人生など
ない

冬の夜にほころびを縫って
いる

母さんにもらった針 ....
[梗概]
「yo-yoの作品の魅力を生み出している秩序付けられた混沌について書いた文章。」

http://yo-yo.blogzine.jp/poem/files/01.pdf

 詩のテ ....
ふわふわとか
たっぷりとか
ふざけるな
切実さが足りない

相応しさとか
ぬくもりとか
真実とか
いい加減にしてくれ
せつないんだよ

コンビニエンスストアの
陳列棚に
 ....
小さなスミ子さんは
短く刈り込んだ髪で
不安気に
わたしの隣に立っていた。

「今日から働いてもらうスミ子さん。いろいろ教えてあげてね」

ナースから少し離れて
私たちは長い廊下を歩い ....
みえない森の方角から
霧を纏い
しなやかな足どりで
私の窓の下に来る
ひかる夜露に足を濡らし
銀色のうぶげを欹て
耳をすましている
胸を刺す
たしかな気配
明かりとり窓のはるか下
 ....
 
父が釣りをしている
何を釣っているのか聞くと
忘れたと言う
僕も隣に座って糸を垂れる
息子とよくいっしょに釣りに行ったもんだ
という話を皮切りに
父が息子の自慢を始める
小さいころ ....
私は

空に浮かぶあの太陽が輝くのを見て言葉をはく
言葉から自由になる私がいる

自由になる私もいれば
言葉は私を自由にしているとも

そうではなくて

私を思いから解き放つこ ....
おわりに腰をかけて
せなか側の世界をのぞいた

おわりに腰をかけて
いったいどちら側へゆけばいいだろう

いま
星がわずかに降っている
主婦が三日寝込んだだけで
高く高く それは高く
見事に築き上げられた
お皿の山
洗濯物の山
子供が引っ張り出したガラクタの山
塵・埃・ゴミの山…

実家を離れて初めて知った
美味しい ....
大学時代、サークルや下宿やバイト先など、様々なところでトラブルを起こし、神経衰弱になって実家に帰ってきたことがあった。私は、冷帯に生えたヤシの木のように、自らの組成と環境との調和を図ることに失敗した。 .... あの子は大人になってしまった


彼女は虹のたもとで
まだ
じょうろを握り締めている



***



鈍色のカーテンを引いて
人々は眠りについた ....
あー あー きこえますかー

こちら、地球です

地球です


けっきょく滅亡はしませんでした

とくにおっきな変化もありません

いつもの日常でしたー


 ....
気の抜けたコカコーラ
絡まった線が抜けていたヘッドフォン 
部屋から出られないわたし
扉よりも壁の向こうを気にして
耳澄ます
あなたの訪れをまつ
歌声だけでも

壁の凹みに大陸 ....
詩人だから汚れ仕事は
しなくていい
美しいものを
美しいと言えばいい
醜いものを
醜いと言えばいい
それをどうすればいいかなど
考えなくてもいい
詩人は花のようなものだ
ただ咲いてい ....
 暇だし、日曜だし、外出するのも億劫なので、趣味について書いてみようかと思う。
 ゛お前の趣味なんて、誰が知りたがるんだ? ゛と思ったそこのあなた。侮ってはいけない。僕にだって興味を持ってくれる第三 ....
        前田ふむふむ

鳥が飛んでいる
ひとつの銃弾から
ひとが生まれる
羽が砕かれ
動かない鳥のなかから
声が生まれる

声は
夜の輝きである
ひとりが声をあげれば
 ....
 昔 
 会社の中の仮面に疲れた人が 
 仮面を脱ぎ捨て 本当の自分になろうと
 素顔で生きようと 闘争を挑んだ
 だが
 周りの仮面はそっぽを向いて
 会社の素顔から出るむき出しの刃
 ....
久しぶりのまばたきが
わたしにしみわたる
たった一度で世界をすべて
洗えるとは思っていないよ
日々あれもこれも忘れていく中で
でも、きっと忘れない
あの日の空、光
似たよ ....
倒れて来そうな 書物に埋もれて
雑学を
これでもか これでもか と
紐解く 瞬間

引っ張った 一本の 赤い糸に
間違って 締め付けられる

そんな筈は ないじゃない
そんなつもりじ ....
万馬券的中したの報告は誰にもできず独り焼き肉 たとえば

人は誰かを捨てるとき
オブラートに包んで
口に入れる
ゆっくりと嘘が溶けていくように

胃の腑に落ちた
真実の味が
逆流して口の中に溢れだしたとき
その苦さに顔をゆがめ ....
目の錯覚であろう
一瞬 谷間の言葉と
   丘陵の言葉が
隔たりをなくす
負荷をなくし
意味をなくす

あえて平面的に観ることで
多角的なもの
こんがらがったものを
再認識する 再 ....
曇らせた車窓に描くハート文字君の心を細かく探る

雨の日は懐かしい匂い思い出す十年ぐらい逢ってない人

忙しく動かなくても変わる日々自分自身が創る人生

鮮烈なデビューを果たし人気者 ....
朝、職場の一日の初めに同僚たちが
コーヒーを啜っている一角には
充填しそこなった活力が
辺りに漂い出している

それに与りたいと
自分もカップにコーヒーを注ぐ
一日の仕事をやっつけるため ....
小さなあまりにも小さな


小さなあまりにも小さな
ことにかまけて
昆虫針でとめられた一羽の蝶のように
僕は身動きひとつできない
僕のまわりを
すべては無声映画のように流れてゆく

 ....
最後にはジキタリスの色を塗った
幼児期は三叉路で堕落
その手足ばらばらで踊る
むこうずねで待つ

最初には赤い頬
サボテンに棲む昆虫を
こまかくくだいて夕日色
ママはしばらくおそくなる ....
車で信号を待つひと時は 
役者が舞台にあがる前の 
あの瞬間、に似ている 

交差点を 
右から左へ、左から右へ 
車はゆき交い 

のたり、杖をつくお爺さんと 
たたた・・・と駆け ....
深水遊脚さんのおすすめリスト(1240)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
冬の回廊- Lucy自由詩21+*13-1-17
ハリボテ。- 元親 ミ ...自由詩14*13-1-16
1/15- はるな散文(批評 ...213-1-15
ほころびを縫う- そらの珊 ...自由詩1713-1-15
【HHM参加作品】「yo-yo「紙のおじいちゃん」について」- 葉leaf散文(批評 ...713-1-15
陳列棚- はるな自由詩413-1-15
スミ子さん- 初代ドリ ...自由詩14*13-1-8
誘惑- Lucy自由詩7*13-1-4
正月- たもつ自由詩2313-1-3
私と空- 吉澤 未 ...自由詩6*13-1-1
星がわずかに降っている- はるな自由詩512-12-31
私の前にある…- 夏美かを ...自由詩25*12-12-31
花火- 葉leaf自由詩512-12-27
リバース- 山中 烏 ...自由詩4*12-12-25
世界の終わり- 川上凌自由詩11*12-12-21
廻らない風ぐるま- すみたに自由詩4*12-12-20
詩人だから汚れ仕事はしない- 紀ノ川つ ...自由詩12+*12-12-16
趣味について、または詩について- まーつん散文(批評 ...8*12-12-9
神話—デッサン- 前田ふむ ...自由詩812-12-6
人は仮面をつけているから美しい- イナエ自由詩13*12-12-4
サイレン- ________自由詩112-12-4
締切- 藤鈴呼自由詩3*12-12-3
- 北大路京 ...短歌312-12-3
【_遅延効果_】- 泡沫恋歌自由詩20*12-11-22
遠近感の喪失- 綾野蒼希自由詩5*12-11-20
車窓- 夏川ゆう短歌112-11-19
コーヒーによる世界の捕え直しのためのエスキース(習作)- N.K.自由詩8*12-11-13
黒田三郎詩集_現代詩文庫を読む- 葉leaf散文(批評 ...10*12-11-13
三叉路- ふるる自由詩9*12-11-10
交差点にて_- 服部 剛自由詩1212-11-9

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42