僕は知っている

 満月の夜
 梟の声響く夜半過ぎに
 一の社の榧の古木は
 封じられた記憶、取り戻し

 社裏の小さな瀬に
 小さく泡立つ冷たい流れに
 月の光は毀れ落ちては千々 ....
まなざしを夢に見るまで耳奥に遠い旋律夜明けのサティ


君だけを知っている記憶、冬風に燃える炎よいつか雪片


いつの日かめぐり来る日のグノシエンヌ海にピアノを置きざりにして


さ ....
霧吹きのような雨はふかみどり

胸の奥まで吸い込んで

わたしは森になる

しばらくすれば

じゅうぶんに水を含み

耳を傾ける

彼らは

永遠を指し示すこと ....
しらないと言ったそばからうそになる 知りたくないのだ 正しく言うなら

こわいのは戸棚の奥の砂糖壺 ざらめのついた世界はきれい

ここからはからだを脱いできてくださいね 心も脱いじゃう人も ....
空を渡る種の帯の下
あなたは何故暗い笑みを浮かべているのか
原のなかで
明るい風のなかで


無数の角と無数の羽が争い
多くが失われ多くが生まれた
双つの光が向かい ....
幼い頃の思い出は
割れて捨てられた風船のようなもの。

時が経てば
記憶の隅に追いやられ
パンパンに膨らんだ心がいつしかすりかわる。

(父と食べたアイスクリームの味が思い出せない。)
 ....
母親がくれたジャガイモとニンジンを洗い、味噌汁をつくる。泥がついている。うちの畑でとれたものだろう。でこぼことしたニンジンの表面をゆびさきでなぞっていると、すこし落ちつく。水と野菜の関係は、なんだかと .... 穏やかな日々を
カップに入れて朝を飲み干す
苦みや甘みを口にふくむ
めぐるという
気づかない音色に耳をそばだてる
あれから

かわらないものを撫でる
空を切りわける風に
 ....
曇の上の雨
陽が照らす鏡の背
朝の径に降るかけら
午後の径をすぎるひとひら


空の海が
黝く干いてゆく
まばたきのなかの無数の月
夜が 流れ込んでくる


 ....
道路はとっても長く続いている
まるで一つの生き物みたいだ
うねりながら竜が背中を提供している
道路の上を吹く風は天に吹いている風とあまり変わらないのだろうと思う
さあ太陽さんもっとあっためてく ....
青のしたの鉄のむきだしすべりだい ななめにういた赤錆の音

(なるほど)と(それもそうだね)と(なるほど)
(出していいよ)と(でもまだ待って)

いつまでも凍えてるわけにはいかないでし ....
 私はカルピスのいちごオーレの底にたまった沈殿物。
五百ミリリットル入っていても果汁は一パーセントにも満たない。
濃いピンクのふりをしても、先生たちは私のことを講堂に響く大きな声で、赤点、ギリギリ ....
​もう少しで手が届きそうな光でその目が眩んでる
申し上げ難いけれど それは星の様に遥か彼方

妄想だけで生きられたなら幸せだね
儲け話はフィンガーボールで手を濡らしてから

「もう一歩」の ....
色褪せても
あなたは咲いている

そうだね

あなたは見られる為に
咲いてるわけじゃない

ただ
命の限りを生きている
ひとりの私はひとりきり
自転車のうえ
川底の小石
草の根元
に這うありんこ
のことは今は見てない
夕食の献立どうしよう
冷蔵庫には
ナスがひとつピーマンが数個
お豆腐半丁
またカフ ....
青看の行列が覆い尽くしていくのが空だぜ
それがほこりまみれの吹雪じゃ飛ぶはずがないよな
上司同僚と催事めいた挨拶を交わして事務所を出たら
俺は空港における状況の逐一を嫁だけにメールすればいいのだ ....
夜 狂いのむごたらしい清潔さ
不眠はわたしの明晰を鍛える
すべての致命傷がやがて
朝焼けに染まるように

消毒する どうせ助からないのだから
深夜 信号の変わった道路を
ふたりで歩いて ....
http://yaplog.jp/tipotipo/archive/284

戦争が好きかどうかと聞かれると、途端に答えに詰まる。何故なら私は平成の生まれで、戦争を経験したことがないからだ。一部の ....
セールスマンが 私のこと 歌ってた
仕事で へこんで
お客さん この上もなく ひきつった笑顔で
見送ることしかできない

きっと 弱いのは
さずかりもの
つらいって 歌うのは わ ....


ああ、遠いあの日のように烈しい夏がほしい。少くともあの日だけは夏だったのだ。雑草の生い茂っている崖っぷちの小道を、私は駈けていた。谷側の斜面には血のように赤い彼岸花が咲き、山側には雨のように ....
生きること死ぬことそれは宇宙規模瀬戸際になっておはようって言う


バスの中駄菓子屋の菓子ほおばって僕は永遠にそいつと会わない


紺色のパジャマを纏いお布団に消えてしまえばまた笑える ....
・NEWDAYS

飛び降り
宙ぶらりんで嗅いだ春は
甘かったかな
苦かったな

コーヒーと海を混同したまま
電車はくさる肌の上を黙走していく



・ドーナツ

暴力 ....
誰も何も言わなかったから悪いんだ
リンゴジュースを買うために失う120円、
もしかしたらそれで世界を救えたかもしれない
眠たいだけの授業に費やす時間とお金

かわいいは正義だって、誰かが言っ ....
背に花の生えた猫が
午後の雨を待っている
二つに分かれた坂道の
曇に近い方を歩いてゆく


休み休み進むのは
花が重いからかもしれない
午後に夜にひとつ咲き
朝に昼に ....
米粒より小さな私がいる
足元の草よりも小さな私は
厳かで巨大な荒削りの岩の上に立つ

海風が吹き荒れる
米粒程度の私を試すかのように
青い地平線が広がる
米粒程度の私を包み込むか ....
残業のビルの明かりも聖夜の灯 キスしてる画面の隅に冬の蝿 ぐるり50センチほどの脳裏にある
あの日の、その場所に
もう行くことができない
がらんと口を開けた
灰色の校舎の入り口に立ちすくみ
背中からは夏の午後の日差しが
 ....
グラスの中に
ひとかたまりの雲が浮かんでいて
グラスの底へと
静かな雨を降らせている

夜になると
そのグラスの水底から
地球がひとつ
生まれでる
朝刊を取ろうと外に出て
ふと見上げた空には
星が一列に瞬いていた
わたしは清らかになった
ふりをして
冷たい朝の空気を吸い込む
正しいこととか善いこととかから
いくらか距離を取ってしまっ ....
深水遊脚さんのおすすめリスト(1240)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
闇を背負う人- 夜雨自由詩216-3-26
夜明けのサティ- 石瀬琳々短歌4*16-3-26
休園日- 自由詩37*16-3-23
しらない・砂糖壺- はるな短歌416-3-20
ひとつ_羽音- 木立 悟自由詩8+16-3-18
幻の思い出.- 梓ゆい自由詩116-3-17
愛がジャガイモのようだ- ユッカ自由詩5+*16-3-11
春を飼う- かんな自由詩2+*16-3-11
夜へ_白へ- 木立 悟自由詩316-3-11
生き物の愛おしさ- 黒髪自由詩2*16-3-10
むきだし- はるな短歌416-3-8
足並み- 為平 澪自由詩716-3-8
モウ- 邦秋自由詩116-3-7
枯れない心- 幸絵自由詩116-3-7
吉川さんお久しぶり- ふるる自由詩5*16-3-6
GATE-B2(ゴル投稿長考版)- 高橋良幸自由詩4*16-3-6
さくら- 川津 望自由詩416-3-5
ni_ka_「戦争、お好きですか?」について- kaz.散文(批評 ...2*16-2-15
『労働賛歌』- 座一自由詩9*16-2-15
井上靖小論- 葉leaf散文(批評 ...216-2-5
悪夢的昼寝- 水宮うみ短歌3*16-2-4
なにもかも- 平井容子自由詩816-2-4
かわいいだらけの学校- 上城レー ...自由詩316-2-4
しずく_秘名- 木立 悟自由詩816-2-4
石廊崎- 自由詩5*16-1-3
聖夜- chiharu俳句3*15-12-17
冬の蝿- chiharu俳句3*15-12-12
さよなら青から- 水町綜助自由詩8*15-11-20
卓上の神話- 塔野夏子自由詩5*15-11-17
星空銀行地球支店- やまうち ...自由詩5*15-11-15

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