闇が黒鳥のように 優しさを覆っていく
逃げる魂は英知の木陰に救いを求め
聖母の衣袂に口づけする

粉々に割れた一枚氷が 涙のもやを隠し
理性の囁きは事切れた罪悪を慰安する
飛ばされるままに ....
雨の日だけ訪れるひとがいる
水を滴らせながら、入れてもらっていいかな、と
私は玄関を大きく開け
タオルとホットミルクを渡す

他愛無い話をぽつりぽつり
このひとは愚痴や怒りを表さない
た ....
戦場


辺りを見回すと曇った戦場になっていた
地図も何も持っていない
辿るべき道もなければ道を切り開く道具もない
振り返るとそこには文書の山があった
作り笑いをしている顔があった
と ....
逃げ出したと感じるのか 
立ち向かったと思うのか 
去ったと感じるのか 
残されたと思うのか 
それは観測点の違い 
まるでコインの裏表のようだ 
時間は傷を癒すのではなく痛みを鈍くするだ ....
陰惨 画賛
インクが黒く死に重視
印紙が白く二重に
死は三重に、苦は七重に
午後に10号発破 六時 勇姿
破竹、死地中に獅子獣 666 三重6
産後、重合 肉汁は血
死後に銃

クク ....
穏やかな気持ち
鏡のあちら側にいる 羊
軋む階段の踊り場から
見下ろしている 外は月夜

白いドレスの裾は ひらひらと
ドアの隙間から洩れる
蝋燭の揺らめきに合わせて

昼間の庭 ....
 私が各地(といっても3都市だけだが)転勤の末、夫の出身地である広島へ行くことになった時のこと。

 それを聞いたある人が言った。
「大丈夫なの? 広島に住んで。ナマ水とかは飲まないようにしたほ ....
今となっては
あの人の声も覚えていない
高校時代お世話になった
片野先生の声であれば覚えている

あの人に対して
愛おしい
と感じたことは一瞬だけあるけれど
片野先生に対して愛おしいと ....
よそへいくための服は
襟のレエスがまぶしくて
びろうどのスカートが重くて
ぴったりしずぎてきゅうくつで
母さんが
帰宅するやいなや
着替えさせてくれるとき
ほっとして
わたしは
すこ ....
【はじめに】

 2014年4月15日をもちまして、HHM2は完全に閉幕します。ご投稿くださった皆様、投稿作を読んでくださった皆様、現代詩フォーラムやTwitter等でリアクションをとってくれ ....
世界最短の詩が何であるか、皆さんはご存知だろうか。

恐らく誰もご存知あるまい、と筆者は思料する。したがって、この文の最後にもういちど、皆さんに同じ質問を投げかけるので、以下の記述を読んだ上で、あ ....
 今年も春が巡ってくる。年度替わりの時期でもある。一つの区切りではあるので、年度を振り返ろうとしたら、ここ数年の振り返りとなり、出版された詩集を数多く読んできたわけではないと不勉強さに気づく。それでも .... 伊良部くん家の隣りには比較的小さなガソリンスタンドがあって、なんとなく家の中はいつもガソリンの臭いが漂っていて、とりあえず伊良部くんのあだ名はアラブだった。そんな家庭事情を伊良部くんなりに価値転換して .... 突き刺さる  音と衝撃は 気のせいだ  下を向くな 今 下を向くな 今の自分を乗り越える

自分の限界に 髪をかきむしって 悩むのは
それは 乗り越えるため だろう

背伸びした自分が そのまま力尽きたら
あとは 奈落へ落ちるだけだ

自分の限界は 自 ....
はす向かいの煙草屋から2メートル借りて
となりに住む大学生から4メートル借りて
街頭募金を装って6メートル借りて
それでもたりなかったから交番へいって3メートル借りた
夜爆発して
住人が ....
   

卵がスウィングしている
托卵容疑の直滑降は不恰好に喉を塞ぎ
やがて破裂して口いっぱい
玻璃 瑠璃 瑪瑙 罵詈 雑言
秩序の欠如は流星し
脳裏がそっと炙り出す
片手に毬 錦の手 ....
サラリーマンのコスプレして会社に行っている     風見鶏、青磁のそらにはばたけば南へ向かいひたすらに飛ぶ


    あいうえおあなたにどれを贈ろうか曲がりくねったひらがな愛し


    過ぎてゆく明日が今日を追い越 ....
誰もいない海に雨が降る 悪い事をした人には

何をしてもいいのです

いじめをした人にはどんな仕打ちをしても

許されます

だって、それは『正義』なので

差別した人、悪を為した人には

ど ....
雨上がりの夜は
月が尖る
星も尖る

その二等辺三角形の光は
柔らかい肌に
突き刺さり

闇は
切り裂かれて
足元に落ちる

影を拾おう

追いかけよう

月光を踏み散 ....
先日
とある公共TVの討論番組を見ていました
テーマは若者、若者世代とオトナ世代の一騎打ち
スタジオに集まってあーだこーだと、進展のない議論

それはいいんだけど

びっくりしたのは学 ....
ビルの谷底では
夜が
空よりも少し
早く訪れるだろう

何冊かの読みかけの本の中から
数ページ角のすり切れた
ものだけを選び出し
それを
開こうかどうかと
迷ううちに
街灯の月が ....
凍結する
冬の寒風に身を晒し 、立ち泳ぐ
辺りには静寂が満ちていて
指先から徐々に冷えてゆく

あらゆる感情の蛇口は
かたく閉じて
それがいいことなのか
悪いことなのか
判断すること ....
 カーテンを開ければ あたり一面銀世界

「朝食食べたら、雪だるまを作ろう」
ホストファーザーが誘う
「えっ!でも私会社に行かなくちゃ!」
「えっ!何を言ってるんだい?こんな日に会社に行くバ ....
きみの匂いを待っている。


葬祭場裏庭にて
ぽつん ぽつんと空から降りてきた 冷えたつぶは
壊れそうな私の身体に ぺたっと張り付く

いつかスキー場で見たサラサラした雪ではなく
もっと水分を含んだべったりしたその物体は

私の冷えき ....
共有出来ない秘密があれば
知らないことは減ってはいかない
誰かを傷つけないための嘘であれば
共有出来ないのも当たり前
秘密を隠すための嘘や
嘘を秘密にする真意 ....
 暦の上では、冬至が過ぎたが、このところ、小春日和が続いていた。それが、一昨日あたりから天候が崩れ、今朝は霙交じりの雨だった。昼過ぎに雪に変わり、太一がパソコンの電源を落とす頃には、綿を千切ったような ....
深水遊脚さんのおすすめリスト(1240)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
◎ほころび- 由木名緒 ...自由詩10*14-6-9
「雨ごい」- 桐ヶ谷忍自由詩20*14-6-8
戦場- 葉leaf自由詩414-6-8
君と僕- 文字綴り ...自由詩3*14-6-7
いんいちがいち_いんにがに- 中村 く ...自由詩5*14-6-7
月夜のプリズム- 藤原絵理 ...自由詩9*14-6-3
夜更けの紙相撲_水の月_プロミストランド- そらの珊 ...散文(批評 ...11*14-6-3
- 砦希自由詩6*14-5-27
よそいき- そらの珊 ...自由詩22*14-5-26
HHM2講評- 香瀬散文(批評 ...814-4-21
【HHM2参加作品】_世界最短の詩- ハァモニ ...散文(批評 ...5+*14-3-30
【HHM2参加作品】「沈黙」を聞き、「いま」を読む_—_縞田 ...- N.K.散文(批評 ...3*14-3-24
伊良部くん- 末下りょ ...散文(批評 ...4+14-1-21
悪意- あかりん ...短歌414-1-20
プロフェッショナル- いねむり ...自由詩514-1-19
- はるな自由詩1114-1-18
誰が卵を置いたのか- ただのみ ...自由詩18*14-1-16
サラリーマンのコスプレして会社に行っている- 北大路京 ...自由詩1914-1-15
ひたすら- 石田とわ短歌15*14-1-14
誰もいない海に雨が降る- 北大路京 ...自由詩1014-1-14
断罪のバット- yamadahifumi自由詩314-1-14
月光を踏み散らかして。- 駒沢優希自由詩314-1-13
あなたたちが作ったシステム- umineko自由詩26*14-1-13
夜を歩くという事- 塩崎みあ ...自由詩11*14-1-13
_冬静_- 小林螢太自由詩14*14-1-12
スノーマンと雪だるま- 夏美かを ...自由詩34*14-1-12
_- アラガイ ...携帯写真+ ...4+*14-1-11
午後2時の太陽- 葉月桜子自由詩314-1-11
シナモン- 中山 マ ...自由詩414-1-9
太一の決断- MOJO散文(批評 ...3*14-1-5

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