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おはよう
今日も世界は
美しいよ
今日が
終わるまえに
あなたに
会えたなら
巡りあったのは
私の運命
遠く遠く
離れているのは
私の宿命
そばにいて
そう言ってもらえたなら
すぐにでも
会いにいくのに
電車を
乗り継いで ....
もう
外へ出ていかなきゃ
この暗闇を破って
ずっと一緒だった
秘密や苦しみ。
悲しみや辛さ。
慣れ親しんだそれらは
友達のような安心感を私にもたらして
暗い繭から見る外は
まるで家猫が
じっと窓際 ....
観察室から
病室に戻った日
夕方
鉛色の空に
虹が出た
儚く
でも色鮮やかで
ガラスのような
こんなに
美しいものが
あるなんて
消えるまで
見ていた
鉛色の空に
滲んでいく
虹を
わたし ....
光が
満ち溢れるまで
あと
数秒
人々は起き上がり
大きく
伸びをするだろう
ついでにあくびも
昨日の夜
泣いたことなんて
まるで忘れて
梅雨と真夏の狭間で
紫陽花が耐えている
真夏の青空の色を湛えて
夏が来るのを
待っている
色はだんだん
褪せていく
散りきるまで
もうすぐ
その花は
すっくとたっていた
しなやかに
凛として
あてのない
散歩に出た
私への
まるで
道標のように
「こんな風に
生きてごらん」
花は
そう囁くかのごとく
その花は
すっくとたってい ....
梅が咲いたことも
桃が咲いたことも
桜が咲いたことさえ皆が忘れ
春が
例え
泣こうとしようとも
今
春は
一枚の絵
それは
川面に映る
夜桜のような
儚い恋だった
瞼裏に残る
桜を
胸にやきつけて
夜桜、
もうすぐ散る
その雷は
曇天を引き裂き
暴風雨を引き連れて
街は
次の雷を
静かに待っている
悲しみ
悲鳴を伴って
わたしは
それがくるのを
あきらめて待っている
時々
無性に
ラーメンが食べたくなる
蛍光灯を映して
きらきら光る油
立ち昇る湯気
スープを引き連れて
手繰り寄せられる麺
あぁ
ラーメンが食べたい
古い教会
脈々と
受け継がれる
祈り
神を信じ
祈りを捧げる人々に
わたしは
祈ろう
その願いが
叶えられますようにと
真っ白なままで
いられたら
よかったのに
真っ白な雪を
ずっと見ている
雪は
わたしの中にも
降り積もり
あのひとへの想いも鎮めてくれそうで
だから
雪の日は
カーテンを閉めるのが
惜しくて
喫茶店で
あのひとが
煙草をもう1本
取り出すときの
しあわせ
あまり
早く
吸わないでね
一緒の時間が
早く過ぎてしまうから
そしらぬ顔して
そんなことを願う
帰り道
あのひとの吸ってる
....