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ねえねえと肩を揺すっても
寝たふりしてたはずの
あいつは
いつの間にか深い眠りに落ちていて

久しぶりに触れ合いたかったのに
わたしのこころは
ちょびっと傷ついてしまった

それでも ....
たとえば夜道を歩いているとき

たとえば駅の雑踏のなかで

たとえば花火のコーナーで

たとえば鏡のなかの自分を見て


男が女を愛するとき

When a man loves  ....
暗闇に指を伸ばして
知ろうとしている
指先が暖かく湿る
聞こえるのは、ピアノだけ

鳴いている
泣いている
うまく言えない
でも大好きだよ

ピアノのトリルのような ....
永遠に交わらぬはずの者同士が
交わろうとする



水と油
そんな感じで



高温にまで熱せられた油は
邪険にも寄せる思いを弾き飛ばして
ふつふつと
行き場の無い怒りに震え ....
私はクッキーを焼きたい
できたての甘い匂い
サクサクの食感
それだけで幸せになってしまうような

自分の懐かしさを受け継がせるかのように
子供に甘いクッキーを食べさせてあげたい

それ ....
裏木戸を開けると
ひぐらしがないている
あの木の下
薄暗い桜の木の下で


闇間に鼻緒が見えている
そり返った白い足の指が
細い脛が折れそうにのびて
あの時もひぐらしがないていた
 ....
新聞もとらず

テレビも見なければ

その日はふつうにいってしまう

その日にむけての特集も

なんだか減ってきている気がする

今年の夏は

戦争を意識しない夏だった

 ....
「頑張って!」
と思わず口に出してしまう
それは頑張っている他者への共感であり
ふりかかる火の粉を払おうとする
ある種の逃げ口上とも言い得て

決して自分の事ではないのだから
「それじゃ ....
毎日が閉じ込められて過ぎて行くので
こんな時は元気のいい男の子にあこがれるものです

彼のポケットに入って
やぶけた穴から外を見てみたい
木登りやブランコ、くさっぱらに寝転がって
空を眺め ....
人間すなおじゃないとね


あのひとは言った

あなただって…


言い返そうとして

としはまだ蝉の鳴き声を聞いていないことに気付いた

あのガード下へ行けば
聞く
 ....
雑踏のあちこちに
発生する
ポップな電子音

それぞれの手のひらの中
ぽろぽろと
カラフルな想いをつかまえる

まるでゼリービーンズのよう
人工着色料かけた
ねじれた言葉が小窓にな ....
あのね、本当はね、「いってらっしゃい」って送り出すの嫌なんだよ?

アナタがいない間淋しいんだもの。
アナタがいなくなったら反動が酷いんだ。
楽しかったら楽しかった分、嬉しかったら嬉しかった分 ....
鎖骨の
においが
こぼれ落ちたら、

さかなのゆめに朝がくる



ことば未満の愛を交わして、
ゆっくりとたしかめる
てあしの記憶

水の
においの
シーツを背中に
 ....
  言うなよ。
  コンビニがどうとか、
  前提がどうしたとか。
  言うなよ、もう。
  そういうの良いねって、
  なんかオトナだねって。
  言うなよ。
  捨てるように ....
 ときの
 残り火を
 消すように

 ゆっくり
 無言は敷き詰められます



夜の鏡を
おそれた時代が
あったはずですね、

なにも語らない目も
十分に言葉であ ....
足跡を足音が追いかける
真夏の光

水の流れを彩り飾る
無垢な笑顔

ビー玉は丸くてはならない
硝子の理

軒先に並んだカラーは
わたしに平和を教えてくれるように
 ....
今日も一日誰とも話さずに終わってしまう
仕事柄何十本もの電話をこなし
お昼には職場の友だちとランチなんかしたけど
それで誰かと話したってことにはならない

パソコンの電源落として
机のまわ ....
どうしてこう
脈絡がついてしまうのだろうか
昨日みた夢は
いまはもうない実家の建物が舞台で
ベランダに猫が三匹いた
うわあおぎゃあうわああああ
この家の主人は病気かいと訊ねれば
うわあお ....
今夜の献立

・夕焼けと向日葵の背中の煮物

・虹のフライ

・蝉と夏休みの子供の声の和え物

・打水のおつゆ




ごちそうさまでした、と
流しに綺麗な皿が
水に浸さ ....
(1)

掛け声と干物の臭いに押し流されるようにして
昼下がりの賑やかさに身を委ねてみる
所狭しと商品の並んだ店先を覗けば
一見かと値踏みする手練の客あしらいに
思わず半歩後ろへ下がりつつ ....
暇つぶしに読んでいた夫の漫画本に
ヒミツが挟まっていた
それはちょうど主人公が
携帯電話のメールを確認している場面で
お札と同じくらいの紙切れだった
(本当のお札だったら良かったのにな)
 ....
散らばりながら 宝石は

その名を きれいに 
縁取って

なお美しく
ひとの手を とる



散らばって ゆく
こころのそとで

おどりはいつも
鮮やか だ

 ....
上野公園で途方に暮れて座っていると
ハトがやってきて
「恥が多くて大変そうですね」
とか言ってきたので
俺はそいつの首をつかんでひねりつぶした
するとカラスがやってきたので
俺はそいつの首 ....
  つめたいものは
  夏にある



  傷つけられたもの
  貶められたもの
  苛まれたもの
  生きていたもの
  葬られたもの



  冷蔵庫を開ければ
 ....
 ぜんぶ

 どうだっていいと云っているような

 陽(ひ)の光(ひかり)


 ロゴスもアイデンティティーも

 すべてリセットすればいい


 だって

 「現実( ....
             080726



古い手紙は燃えるゴミ
新しい手紙は来ないから
Eメールのフォルダーは
後腐れ無く消去する
古い機械を粉々に
古い情報を粉々に
手品の ....
新たな世界を告げる髪束
男性器に触れて 抱擁を爆発させる

雲ひとつないわ 粒ひとつないわ
雲ひとつないわ 粒ひとつないわ

新たな世界を告げる髪束
脳震盪握る手で 撫でしく鳴 ....
いつも、つねに
私の体を流れる
“冷たい風”

どこから
吹いているかは、分かる

北 でもなく
ましてや 南でも ない

私の心の暗闇から、だった


二度と還りたくな ....
去年、サイパンの土産物屋で買った
十字架のペアネックレス

 あの日、あの時
 僕が彼女から眼を離さなければ!



教会の長椅子で想う
鳴り響くパイプオルガンが
頭の中で こ ....
  歩いてみようと思ったんだ……



  朝、
  ドア開けた。
  心、まぶしくて。
  大げさなことかな?



  ほら、街、
  眠たい目をしてさ。
  い ....
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