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自由に詩を書く
体が風に煽られてTシャツが風船のように膨れ上がる
飛び上がる
静止して
世界を眺め回す
笑顔になって空を見上げる
降るような星の夜空を手に握ったまま
彼方を見つめる
詩 ....
小さな渦にあめんぼが脚を取られていた
男は意味も無く泣いていた
空は薄く曇り
まるで世界中が白い
銀色に染まった朝の事である
コトコトと煮えるシチューの湯気に記憶が奪われていった
....
鬼がやってきて
かくれんぼをしようと言った
僕たちはちょうど
何をしようかと考えていたところなので
いいよ、いいよと
鬼に賛同した
鬼が百まで数えている間に
僕は境内の ....
「加藤のヤツ、やにを塗ってないバイオリンみたいになっちまった」
三上の靴紐がゆっくりと結ばれてゆく
まっさらなカセットテープを再生するような精神状態の時は
靴紐を結んでいる味がしない
そしてそ ....
ネズミもどきの尻尾を付けて
尻を振る お遊戯会
一人だけ身体の色が違うからと
恥ずかしながらも 引きずり出される
何を歌えばいいかわからない
というよりこんな歌は知らない
だから
....
ココハドコダ
雨が降っている
気持ちいいぞ
もっと降ればいいと
空を見上げて
太陽はあまりにまぶしくて
手をかざすと色が失せ
黒い輪郭に透けた悲しみが揺れる
だから ....
学校にいって
昨日のドラマとか
誰が誰を好きだとか
どーでもいい事友達と喋って
毎日あきないなーって思う
たまに一人になる
どうしても俳優のオトコノコには興味ない
....
街頭にて老けた青年は紙袋を両手にぶら下げていた
今日買うはずだったモノをどうしても思い出せない
記憶力の低下を彼は極端に恐れていた
忘れたモノの数も忘れていた
誰のための買い物かも
記憶力の ....
夜はせばまり
夜はひろがる
粒と浮かぶかたちと唱と
妨げを泳ぐ轟きと尾と
波の終わりとはじまりに
砂の言葉と花火があがる
水からひろいあつめた羽と
貝のかたさの音のつ ....
はじめてだ
人生上はじめてだ
時間とまってくれ、思たんわ
みんなから給料二万とったら
百万か、けっこう集まるな
月給百万あったら優秀なん来るやろ
ぐうで殴った ....
ひとりで食べる夕食は
いつものように
電子レンジでチンして3分
たった3分
それでも3分
どうにも待ちきれなくて
電子レンジの前で腕組みしながら
ながめるタイマーは
永遠にカウ ....
高層建築物の根元に椿が凍結している
定義されてしまった人間
表面は奪われてゆく
相互関係は失われるままに断片化されてゆく
体温のある調度はあるいはパック詰めされた精神
光沢のある闇が ....
死んだ魚のような
目をして
生きるエヴリデイ
舌が干からび
あう あう ああ
猫が絡まり
にゃあ にゃあ にゃあ
ほれ、
おまえの好物ぞ
喰え 喰え
目 ....
「僕の知らないところで音が生まれ、消えてゆく、それが悲しくて」
水がしょんぼりと肩を落とす
喫茶店の2階テラスで
心臓の鼓動みたいに
雨粒が弾ける
音が聞こえない
窓のむこうのことだか ....
汚れた雨が蹂躙する街角で
傷をかばいあうために手を繋ぐ
傘を持たない日だけ、どうしようもなく
君の手があたたかくて
切れた指先が痛みを増した
僕の手は
どんな温度で君に ....
きみの居ない俺なんか
減塩醤油だ
味気ないので取りすぎる
身体壊してさようなら
出し巻きはそのまま食べたほうがいい
でも俺はきみのほうがいい
卵白を棘が立つまであわ立てて
恋するメレ ....
星の涙が、たまに零れ落ちてる。
誰にも気付かれないように。
出来るだけ静かに。
そっと、
すーっと。
もしも、その{ルビ一滴=ひとしずく}を見付けられたら。
星 ....
ざわざわと
海がなく
深い碧を
潜った先は
真っ暗で
見失ったきみのこと
もう
探せない
それでも
なくのだ
欠けている
欠けている
奥底から
誰かが叫ぶ
さす ....
私の中の空が、
ひっそりと雲に寄り添って
涙を流している
綺麗な星を散りばめたのに
黒いシミはみるみる広がって
(私は何になる)
あっけなく夜になって
小鳥のさえずりは ....
耳に雨音
瞳に滴
触れるたび
肌はやわくなってゆく
身じろぎもしないで
硝子一枚に隔てられて
雨に囚われているのだろう
雨を除ける力など
もってはいないから
ここでじっとしている ....
良く頑張っているよね
そんなふうに
自分を褒めてみるのは
なんだか
むなしい気がする
お馬鹿さんだからなあ
そんなふうに
自分を卑下してみるのは
どうしてなんだろう
ふぅ ....
放出された 夏の、
取り扱いをあやまった空から
束ねられた雨が落下する
世界はまだ、はっきりとした輪郭を持っていて
ぼくも きみも それを知らない
ウィリー、ウィリー、
なぎ倒さ ....
繰り返される福祉が、
新しく歓迎の声を受けて――、
福祉は、いくつもの、与えられた菓子を食べる。
なかには、埃を被っている、
国民精神総動員要綱も、
遠くに、ちらついて揺れている。
....
暑い夏だと、手がひとりでに動く。
発せられなかった声も、潮風の涙腺にとけて。
装飾のための深い窪みまで、
透き間なく、枯れている、古い桐箱に眠るフィルムを、
年代物の映写機に備え付ける。
....
ちょっと足らないだけだものね
八時二十分を指している
あなたの眉毛の上に
ボールペンかざしてあげる
いざ出かけようとしたら
小糠雨降り出して
傘を差そうかどうしようか
迷うのにも似て ....
「ありがとう」
「いただきます」
「ごちそうさま」
ちゃんと気持ち込めて言う
感謝とか 幸せだとか
「まいど」
「おおきに」
「どこ行かはりますの ....
?.
眠っているとき
おまえは
ほんとうだから
なあ
なんで
眠っているときだけ
おまえは
本当なのかな
?.
....
あの時
「ごめんなさい」と言えなくて
けれどもその後
勇気を出して言いにいったけど
君はもう帰ってしまった
あの時
「ありがとう」と言えなくて
けれどもその後
がんばって言おうとし ....
君は鳥のように 自由でいて
羽を広げて 青い空を駆けまわって
僕は大きな木でいよう
君が疲れたときに 羽を休められる
雨から君を守るため
枝をいっぱい伸ばして 大きな葉を ....
一人ぼっちだ
花々の中で
麦畑を風が渡って
そこに点在するポピーは
そのひとつひとつが
恋で
黄色と赤の美しい翼を持った小鳥が
巡礼道の真ん中で風に吹 ....
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