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過去未来形でわだかまっていく
後悔の連鎖反応は
僕の肩越しに風が
運んできたものだった

まなざしは魔法を持っているので
今は瞳を閉じ何も目にすることなく
嵐をやり過ごすようにそっと
 ....
この肉体が僕の名で呼ばれている不思議
思うが侭に動かし
あるいは歌い 
横たえ

歯の並びにさえ
造化の神の丹念な
作業のあとを見ることが出来るのだから
この精密さには祝福が与えられて ....
その男 草木に眉を顰めて
かつて在りし栄耀の痕跡を追う
肉を刺し骨を切るのが鉄であり
火を燃やし町を興すのが鉄であった

酸素は力強かった
たゆむことなく働いた
人と動物だけが
幾度と ....
寝入りばな
夜の船に乗って
黒く澄む空を
たゆたっていた

静謐なガラスの船は
住むもののない水底の
果てない深さを
ギラリギラリと見せた

こわいよと口に出す
まだ眠りに落ちて ....
季節は甘いにおいをさせて
生きた痕跡を残していく
死は果実の着地とともに
再生の希望を託す

もし声が種子のように
どこかで芽を出すのならば
それは共振する
土壌の中がいい

次第 ....
街路樹に寄り添って
まばたきを我慢すると
色々なことが見えてくる
見えていたのに見なかったもの

園芸店の軒先で
ペチュニアがビニールの容器に
無造作に投げ込まれて
冬の曇天を眺めてい ....
好きな花束ねて 花束作ろう
好きな花束ねて あの子に贈ろう
迷いの白と気負いの赤を
一緒に束ねて あの子に贈ろう

波に打たれて もう涙も流せぬ
そんな人の 心を暖める花束
大切な誰かに ....
教壇に立つと足が震える
いまだに ほんとうに
数に圧倒されるわけではない
自分の無知と対峙せねばならぬから震える

それをひた隠しにして
知識を売り鬻ぐ男がここにいて
いつ化けの皮を剥が ....
ギュヤーンと街中にある飛行場から
飛行機が飛んでいくのを見ていた
僕たちはまだ子供で世界にコミットできない
大人になってもコミットできないことはまだ知らない

途中コンビにではない雑貨屋に立 ....
辛辣な森羅万象
耳元から鼻先へまた額から鼻へ
人間を分類し整理し時に処分する
まさかと思わせる疑似科学ラファータ

時々思うのだけれど
無機質だけで世界が出来ていても
問題は無かったのに ....
無辺際の空
金属が滑空する
滑らかな肌は
雲の白さに嫉妬する

見るものすべて
聞くものすべて
触れられぬあなたの
裸体を想起させる

悲しいことなど
嬉しいことなど
すべて綯 ....
肺病病みの男と
肺病病みの女が
みすぼらしい格好で
冬の道の真ん中にいる

男は希望に絶望し
女は絶望に希望し
ふたりはディーゼルエンジンの
煤で汚れた街路樹の陰に入る

何もほし ....
恋人よ 悲しい冬の朝のにおいを
結び合わせて僕たちは
僕たちを手ひどく扱った
このちっぽけな町を出てゆくのだ

機械油のにおいだとか
缶詰工場の工員のつなぎだとか
狭い路地や貧乏そうな子 ....
葉擦れの音を君と
芝生に座って聴いていた
かなしみは悲しみの密度で
虚空を舞う飛行船のように

愛されたいと誰かが言った
僕たちは鼻先で笑った
ここにいるそのことの偉大さを
認めない愚 ....
疾駆する 髪を風になびかせて
星の無い夜 月の無い夜道を
呼吸する音が 耳元でうるさい
冷たい空気と体温の熱さ

帰らねばならぬ 刻限までに
守らねばならぬ 交わした約束を
目にものを  ....
 ペンネームとか筆名とか、自分の詩に自信があるならばそれで良いし、名前で詩の価値が変わるわけでもない、と思うのだけれど実際は自信もないし、詩の印象が変わる気がして、やっぱり筆名を使うことにした。匿名性 .... 轟くフリギア旋法
石作りの建物の中で
ひんやりと木っ端微塵
ガラスみたいに割れていく

流星のような簪
左手に乳房の重さを
右手にシューベルトの歌曲を
地上に平安と退屈を

空は晴 ....
千年くらい前に
君とここであった
君はまだ動けなかった
大地に根を張っていたから

四百年くらい前に
君とここであった
言葉は交わさなかった
水の中にいたから

五十年くらい前に
 ....
くるしいと口にするとき
「くる」という音の流れがキレイ
やわらかい弧を描いて
昨日あなたが吸った舌が舞う

コスモス咲き乱れる公園を
ふたりで歩いた午後のように
夜を上っていく長い長いエ ....
不幸でなければいいと僕が祈る囚人たちは
言語を弄んだ罪でここに囲われている
したこともない恋愛を歌い
自分があたかも天才であるように振舞った罪で

ついに国家は統制に乗り出し言語著作権を制定 ....
めぐる風 炎 そして永遠がやってくる
遠くから海鳥の声が聞こえる
虚無 虚無 虚無 虚無
翼を持つものたちは明察する

転びつつ丘を駆け下りて
僕は暗くなる前に帰り着く
夜に浸されてしま ....
君の声が好き 君の顔が好きというひとは
沢山いるだろうけれど 
君が一生懸命だから好きだと言ってくれるひとは
あなたしかいなかった

僕の手にしているものと 僕が抱えているものを
遠巻きに ....
スノビスムの撃鉄を起こし
シャルル・ド・ゴールに降り立った
着陸までは青空だった
雲の上だから当然だ

愛やその他の悪意を捨てて
身一つで旅に出るならば
そのような悪意から逃れられず
 ....
見るともなしに見る
未練は粘性が高く
みるみる涙満ちて
私 目を離すことが出来ない

除雪車みたいに音を立てて
花びらのように軽やかに
逃げる隙もなく広々と
または鋭くステープル

 ....
きれいごとをいってはだめ
その場しのぎに嘘をついてはだめ
あなたが迷うその振幅は
増幅されて私に伝わるから

靴を履いてあがってはだめ
靴を脱ぎっぱなしにしてはだめ
体はきれいにしておか ....
旅先でたびたび
行方不明になる僕のこころ
旅先でたびたび
あて先不明になる僕のこころ

一度は「二度と」と考えて
その場所を去りました
三度四度と回数を重ねては
きっともう離れられない ....
水際でことばが
平静を失うのよ
あなたは底が見えず
私は落ち着きがない

 ヴェールを被った朝の町で
 薄い薄い水色を眺めていました
 静かにとても静かに涙が零れて
 次第に呼吸が苦し ....
side A
ふゆの朝は
空気が澄み
題名がない
そのせいで

すれ違う人
配達する人
散歩する犬
徘徊する人

みな一様に
言葉を求め
言葉を探し

気がつくと
別々 ....
オレンジの皮をむいて
水平線のことを考える
世界が丸いことの隠喩
果実が丸いという現象

恋人が好んだマーラー
引越しのときに紛失し
あれから探しているが
どうしてもアナログは

 ....
鳥たちは彼方より
不吉な報せ嘴に
たずさえ飛び来る
死の匂い羽根に含んで

闇が白んでいく都心の
明けの空に深いインディゴの
融解してゆくさまひたひたと
薄気味悪く清澄に

二重国 ....
アハウさんの瀬崎 虎彦さんおすすめリスト(81)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
おやすみなさいという- 瀬崎 虎 ...自由詩509-12-3
骨の上で逡巡する- 瀬崎 虎 ...自由詩409-12-2
鉄と春秋- 瀬崎 虎 ...自由詩209-12-2
眠りによせて- 瀬崎 虎 ...自由詩409-11-28
_朝のシンフォニィが奏でられる- 瀬崎 虎 ...自由詩209-11-28
見えていたのに見なかったもの- 瀬崎 虎 ...自由詩609-11-26
花束- 瀬崎 虎 ...自由詩4*09-11-26
90分- 瀬崎 虎 ...自由詩4*09-11-25
17歳- 瀬崎 虎 ...自由詩409-11-25
カスパール- 瀬崎 虎 ...自由詩409-11-25
Sky_/_Sound- 瀬崎 虎 ...自由詩709-11-24
あたたかい飲み物- 瀬崎 虎 ...自由詩2*09-11-24
_このちっぽけな町を出てゆくのだ- 瀬崎 虎 ...自由詩409-11-23
木漏れ日の中で出会う- 瀬崎 虎 ...自由詩509-11-23
_愚直とは私のためにある言葉だ- 瀬崎 虎 ...自由詩209-11-22
瀬崎虎彦は今日も詩を書いています。- 瀬崎 虎 ...散文(批評 ...6*09-11-21
こころだけ_まだ- 瀬崎 虎 ...自由詩309-11-20
千年- 瀬崎 虎 ...自由詩5*09-11-20
- 瀬崎 虎 ...自由詩309-11-19
収監- 瀬崎 虎 ...自由詩209-11-16
めぐる風_炎_そして永遠がやってくる- 瀬崎 虎 ...自由詩209-11-16
YOU- 瀬崎 虎 ...自由詩4*09-11-8
この街を好きにはならないと- 瀬崎 虎 ...自由詩509-11-8
泣き声でステープル- 瀬崎 虎 ...自由詩109-11-4
アンプリファイア- 瀬崎 虎 ...自由詩509-11-4
つなぎ止めるために書いている- 瀬崎 虎 ...自由詩3*09-11-3
世界が明日消えてしまう- 瀬崎 虎 ...自由詩509-11-3
ふゆの朝は- 瀬崎 虎 ...自由詩309-11-3
中間試験- 瀬崎 虎 ...自由詩309-11-2
二重国籍の悲しみ- 瀬崎 虎 ...自由詩4*09-11-1

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