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今日と明日の夜の谷間に
微かだが
感じるあなたのため息
ソプラノ歌手よりも
こころに染みる
透き通ったそのひとの言葉
最上の音楽に聞こえる

胸のふくらみがさらに大きくなり
木管の寂 ....
彼女達3人で煙草を吸っている
ブルーの外国車が走り去る
日本の国旗を立てていたみたいだ
海がきれいだ
砂浜もきれい
真っ黒に焼けた体
何不自由ない生活 装飾品がモノを言わせている
昼から ....
べれいれん…だなんて
あのひとが新聞に目を落としたまま
ひとりごとを言ったような

ヴァンヘイレンがどうしたのだなんて
おまぬけな返事をしてしまった
わたし

べ平連
ベトナムに平和 ....
殺したいのは、おまえだ

焼き殺したいのは、この心臓自身だ


かきむしる感情を
表すことばなどないことは知っている


生まれてこなければよかったと
何度、思ったことか 

 ....
さよなら 
と言ったはずなのに
あなたは笑って許してくれた


ピンクの薔薇の花束と
なくしてしまった
パールのピアス


差しだすあなたの優しさが
ナイフのように
わたしを貫 ....
無理矢理はめ込んだ、
パズルの回答。



断続的な振動と、微かな

明滅を、



四角い気持ちを雨の

気配に、紛らせて…。


抑制、と
諦念
 ....
無音なんて瞬間はない
なんていったのは4分33秒のジョン・ケージか


見上げる路線図に刻まれた黄の疵は
痺れ絶えた僕の海馬を流す距離の苦厄紋様だ


ほら
見てみろよ
さ ....
使い捨ての帽子に
ミルクティが付着して
私は
何故か、はっとする
 
余りは沢山あるからと
笑いながら言う
これが人間だとしても
あなたは
笑うのだろうか
 
 
白いメッシュ ....
秒針は
薙ぐのではなく

背後から偲んでつらぬくのです

切っ先に
僕の血をのせて

それを
みらい と言うのです

僕はそれを追うのです

くそくらえと
吐き捨てて

 ....
スーパーで仲良く買い物をするカップルを見かけた

はじめて彼氏の住まいへと招待されたようで

得意料理や揃っていない調味料の話が

すでに食前酒よりも効果を発揮している

他の ....
新宿を追い越して夜が廻る
整頓された宇宙

小麦色のウサギを探すが
大抵は気の強いものに護られている

バッティングセンターからチンピラの声が聞こえる

宝石売りが乞食に餌をや ....
風が止まったと同時に
少年は小さな石につまずいた
たいした怪我ではなかったが
泣き叫んだ

辺りを見回した
誰もいない
一人で立ち入り禁止の工事現場に
入っていた
日曜日の今日は誰も ....
寒風が追いやって
落下する陽は

屋上から見える
十字架の影に

もえている もえているのだ

あの方角に
確かにいた
小さくて熱っぽい
手が 

いま またしても

握 ....
日々の暮らしに疲れた頃に
僕は君に夢を語り出す
グラスに映る君に向かって
「気付いてしまったのさ」なんて呟く
エメラルドの光は悲しみにとけて
大事な言葉と共に消えていく
Where had ....
綺麗ね、羨ましくは無いけれど
白い羽根、純粋な幸福
真っ直ぐ生きられるほど強いのね、
とても{ルビ綺麗な=うつくしい}あなた

汚れた私にはとても想像できないわ
弱く小さい私にはとても考え ....
予報は雨

(真昼)
あらがえないの
この時計の刻む
奥底からきこえる声には
自性が宿っているのだから
茫洋として連なっている先へ
零時の胎動しているのは不在
の影が失わ ....
真新しいブラウスの
短い袖がまぶしいね
軽やかにステップ踏んで
夏の扉に飛び込もう

光の娘たちが踊る夏の道で
いつも空を見上げていたね
湧き立つ雲の{ルビ眩=まばゆ}さに心魅かれて
 ....
あぁ、そうか
僕は僕だったんですね
気付いてしまいました

つまり僕は今まで
僕を演じていただけで
なんていうのか
僕自身が勝手に
ありもしないドラマを
でっちあげて
存在もしない ....
この街では交通事故で他人の命を奪ってしまった人間達が交通手段としてバスを利用している もちろんこの街には同様の理由で人の命を奪ってしまった人間しかいない 君の家まで行くのにどうしてもこの街のバスを乗ら .... 二人称の冒険と、一人称の諦念を。


かいつまんで、説明すれば。



届かないはずの気持と、
貰えないはずの気持と。


かいつまんで、説明すれば、

クロの想い ....
だれかが泣いている
ぽたぽたと
落ちてくる涙
ぽたぽたと

悲しいのではない
うれしくて
土が若さを取り戻し
草木がはしゃいでいるから

だれかが泣いている
ぽたぽたと
落ちて ....
電話が鳴る
漆黒の闇の中から

それは誰でもない
誰かからの沈黙の暗号

受話器の向う側へ
言葉の無い声を弄る
焦げ臭い私の指先

電話が鳴る
跪いた気怠さの上に

凶器に ....
放物線と

宇宙の法則。



そのままでは進めない、


言葉は、初速
三千世界の弧を描き、


この世の果ての滝の先。



気持ちはとすれば、大気圏 ....
犬は閉ざされた窓から外を見上げ
うごめく棕櫚の森に耳をすませていた
そこに勝手な押しつけや創造はなく
素直な発見に頷くまで
あるいは発見がないと悟るまで
心を離すことはないのだろう

犬 ....
バスに乗って学校へ行く
車内には誰もいないのに吊革に掴まって真ん中で立っている
乳白色の雲は均等にぴったりと空に張り付いている
ストップし動き出す毎に内臓が揺れる それがすごく心地良い
座椅子 ....
自然の中を吹き抜けてゆく風は
循環している
その中で生き物は同じ場所で
絶えず同じ命を繰り返す

街の中を通り抜けてゆく風は
まっすぐに流れている
その中で生活する人々は
絶えず便利さ ....
いのちは
大観衆に埋められた
ステージの上で
歌いたがっている
鳴り止まない拍手を浴びたくて

いのちは
気を失うほど
ビールをとことん
飲みたがっている
みんなを笑わせ
喜ばし ....
たにんのこころは
しりたがるのに

じぶんのこころは
みていなかった
ことに

きがついた
しゅんかん

まっしろにわれた
こころが
こういった

もう きらい

どう ....
ガラス窓が
ごつん、と鳴った
振り向いたら
何かがぶつかって
怪訝そうな顔をした
ガラス窓がいた

蝉が死んだのだ
わたしはそっと拾い上げて
犬にやった



窓の外には
 ....
じっとりと雨に濡れた夜の草の匂いが外からする
窓は閉め切っているのに 雨も降っていないし 夜でもないのに 外に草むらがないのにだ


裸足で大都会を歩いて抜けて郊外に出ると風に新幹線に乗って ....
アハウさんの自由詩おすすめリスト(1802)
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じっとりと雨に濡れた夜の草の匂い- 円谷一自由詩9*07-7-27

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