すべてのおすすめ
AM4時
揺れ動く時間に
プレゼントを食べました
オレンジのろうそくに
渇望して
溶けていく 温もりの
輪に入って
暖をとろうとしたのです
舵を 探しました
一人乗り ....
飛んでいた意識を呼び戻し
気付いた時には
独り取り残された
残ったものは
燃滓と半端な自由
暫く実感していなかった
静けさの寄固まった世界
....
きみがしあわせになれれば
それでいいと願っていたあの頃は
うそじゃないと信じたい
だけど、
なみだがこぼれて止まらない
今も、ぼくは、
いつかのこころの真ん ....
日が暮れる
夕空に星が輝いた
大きな月ものぼった
満月だ
タワーに灯りがともった
家々の窓にも
お店のショーウインドウにも
月が追いかけてくる
黒い山の ....
あなたは胎児であって胎児ではないのだから
産み落とされる瞬間に触れる空気の冷たさも
これから始まる三十余年に渡る苦しみばかりの人生も
そして 嘲り笑う人びとの眼前での 磔死も
既に全て知ってい ....
ひかりの葬列のような夕暮れに沈む、
クラチャニツァ修道院のベンチに凭れる、
白いスカーフの女の胸が艶めかしく見えた。
捲り上げられた白い腿は、悲しげにも見えた。
わたしの少し疲れた掌のなか ....
ひんやりとした風が
長い髪を 後ろに なびかせる
「髪、切りなよ」と 舌足らずな声が聞こえる
切らないわ
この髪が 揺れるたび いつも あなたに 会えるから
1 ....
ほんものだと
ありがたがって食べていたら
とんだ偽物だった
ほんものだと
ありがたがって鑑賞していたら
とんだ贋作だった
う〜ん、良くあるはなしだよね
テレビを付けてみれば
に ....
ジャズアンドブルースはムードなんだよ
たばこの煙を吐き出しながら
あのひとは言った
ちょっと吸い過ぎなんですけど
その背景に何があろうとも
あったとしても
そんなものとは切り離され ....
なんだぁ、あったまんないか
不機嫌そうな顔をして
ジャズの入ったMD取り出し
呻吟しつつも、君は笑う
夢に視たような街のイロメキは
僕等にどうも似合い ....
明日のための『今』を食べる
『今』を吸収した体は少し古くなり始める
古くなる体を抱えて、明日の続きに怯えたり、期待する
明日の続きは死へと確実に繋がっている
一つの歯車が錆始める
きゅるきゅ ....
暗闇に指と指を絡ませて
ほろ酔い肌のぬくもりに酔いしれる
熱いときめきが過ぎて行く
あなたは真夜中に背を向けて
私を抱いている時も夢の中でも
他の{ルビ女性=ひと}を抱いている
ひとた ....
昨日、往きすぎた駅――
マイホームは地図に載ってない。 )))
疲れ果てた大勢の人たちが、
十二月の憂鬱なプラットホームで
蜜柑の載った赤外線炬燵と
逃げ場のない積みあげた日々の
....
ねこって可愛い
飼いねこは飼いねこらしく
ノラねこはノラねこらしい顔しているよ
やっぱし育ちなのかな
ひとに媚びるのうまい飼いねこがいて
いじらしいほどノラなねこがいる
そんなねこって
....
とうりゃんせ と唄われた
神社の裏手
一本の老樹が
わずかに肩をいからせながら
両手を広げ
しどけなく枝先を垂らす
関所と謂われたこの地で
何のためらいもなく
敷きつめられた白 ....
ゆりかもめ 鴨川に登場
お魚を捕りました
雪降れば 金閣寺へGO
寒すぎて家から出たくない
おしぼりのヒヨコも ピヨピヨ
元気で賑わって
オーロラをパンケーキに塗ったくって ....
一 踊る
螺旋状に回る時間の渦で
ときおり光り輝く瞬間
踊る鼓動が
今日を激しく興奮させる
あなたと
アゲハ蝶が絡み合う
異国に旅したその日付
落ち葉に乗った ....
――起床、起床!
スチームを切られた鋼鉄の部屋の恐ろしい朝、
一夜の温みをようやく蓄えたアクリル毛布を剥ぎ取られ
既に凍り始めた虫襖(むしあお)色のジャージを脱ぐと
柔い生肌のかよわさ ....
教室の窓から3列目
頬杖ついて黒板を見る横顔に
囁きかけて…って思ってしまう
第2ボタンまで開けた白いYシャツ
肘までまくり上げた袖から続く
長い指の爪の先まで見つめてしまう
....
JR総武線は今日も素敵な形で走っていて
俺は運転席と客席を隔てる壁に
もたれかかる感じで車内を眺めている
隣ではカップルが終始くだらない話しをしているのだが
ふと見てみれば
女の方はこの世の ....
原付の女性は頭から浅い砂利のプールに落ち
彼女は救急車で運ばれ視界から消えた
目撃したのはたったそれきり
知らない十字路で同世代の会社員が跳ねられ
乗用車が反対車線のトラックに突っ ....
夢を観ていた
広い空の下で
あなたと二人
幸せな香りが二人を包む
なのに
花を手にしたその瞬間
私は今に目覚めるの
蛍光灯の光をまとって
汚れを隠し
微笑み続け
私はここにいる ....
りんごを食べたら
なつかしい故郷の味がした
と言ってはみたものの
この街で生まれ
この街で育ったから
故郷らしい故郷なんてどこにも無いんだけど
でも、不思議なんだよね
ひとくちか ....
神様がくれた隠し事に
毎日悩んでは忘れていく
何を焦っているのか
やたらと派手な飛行機が
どうしようもない青空に直線を引いて
もしもそれがチャックみたいに開いたら
想像できるのは人 ....
枝分かれしていく 夜の
長く、しなやかな腕は
わたしを覆いながら それぞれ
しだいにたわんで その先端からやがて
着地し、朝に触れる
不必要なほどに震える あなたの
声と、指先 ....
薄暗いホールで揺らぐ人波はしだいに一点をめざして渦を巻きはじめた。
彼女は裸足で、ざわめきに身をまかせている。廻れば廻るほど渦の中心は深く沈んでいく。握りしめた手のひらが汗ばんでいる。彼女はまだ歌い ....
ゴミ
おばあちゃんの黒電話
おじいちゃんの錆び鉈
遠いカレー屋のトッピング無料券
友達が残したワンカップへ花一輪
真っ赤に酔って潰れたマンサクの
ゴミ
ゴミ ....
月の清けき夜
折からの澄んだ風が
波のように襲ってくる感情を
鎮めようと
湖面を撫でるように
一陣 通りすぎる
暗い森影からの
ふつふつと湧くざわめきにも
耳をかさず
震え ....
日だまりに揺らされて
ブランコに遊ばれて
重い鍵が子供の証と
疑う事もしなかった
首輪で玄関くぐったら
好きなご飯を作れるの
さみしくないでしょ?
つらくない
となりのせきは ....
紅茶を飲みながら
ふ、と思う
微かに漂う幸せと
君の事
空の色
今、
何処を
歩いてますか?
相も変わらず
空を
観ていますか?
六花か咲いて
寒くなってき ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61