すべてのおすすめ
「ダナエ」
私は誰にも会うことを許されず
塔に閉じ込められたダナエ
ひとりひっそりひそやかに
窓の外の雨を見ている
もしもあなたがゼウスのように
黄金の雨となって
この身 ....
君は鳥のように 自由でいて
羽を広げて 青い空を駆けまわって
僕は大きな木でいよう
君が疲れたときに 羽を休められる
雨から君を守るため
枝をいっぱい伸ばして 大きな葉を ....
疲れた体を
冷たいベッドに横たえて
昨日の夢の続きを再生しましょ
夢みたいな夢
現実よりもはるかに現実
どっちでも大して変わらないね
あら
どういう風の吹き回しかし ....
青白い紫煙の行方を目で追う
あなたは煙草をくゆらせながら
目をとじて流れる音楽に聴き入っている
ゆっくりとした甘めのバラード
暗黙の了解の時間・・・
わたしはあなたとの距 ....
揺れる電灯を
膝立ちのままで、消す
扇風機からの人工が
生々しく
私の頬を通り過ぎる
茶色い光の下
飛び交う光がある
テレビを消してみた
全く
見えなくなって、しまった
....
なんでこんなに苦しいんだろう
ふうっと息をゆっくり吐いて
何事もなかったように
凛然として前をむく
まなざしは遠くを見つめ
キッとむすんだ唇
力が入ってしまう肩
ヤセ我慢をつ ....
配られた答案用紙
並んだ難解な問題も
複雑な方程式で
幾つかの整数で回答できる
だというのにわたしは
まだ書けないのでいるのです
用紙の右上区切られた四角の中
使い慣れ ....
一つの仕事を片付けて
わずか数十分のお昼ご飯
さっと席を立って
次の仕事へと戻ってゆく
仕事の段取りを考えている中で
そのご飯についていた土の匂いに
あなたは気づいただろうか
毎日の ....
隣の席で
難解な数学の問題を
すらすらと解く彼が嫌いだった
無能な自分を見ていた
何でこんな複雑なものを
考え込むことなしに
さばいて見せるのだろう
その姿勢がどこか傲慢で
さらに彼を ....
さっきから訳もなくティースプーンでカップの中を掻き混ぜてしまう
そんなにしたら紅茶が冷めてしまうのがわかっているのに
渦を巻く琥珀色の液体をじっと見つめる
「黙っていたらわからないじゃな ....
ちいさな ちいさな
そらを見つけたのは
近所の公園で遊んでいた
三歳くらいのおんなのこの
瞳の中
よちよち
浮かんでいるようでした
おおきな おおきな
うみを見たのは
田舎の天文 ....
誰にも教えたくないことこそ
誰かに教えたいのかもしれない
自分では誰にも教えたくないと思っていても
人は何でもないことなのかもしれない
プライバシー
このカタカナな表現が
どこかかっこ ....
それは波状的に
ワタシに繰り返し降ってきて
そのたびにワタシは
戸惑い 恐れ
そして
喜び 酔いしれた
歓喜の雨は
最初は小さな透き間から
だんだんと浸透して
....
シオリちゃんは わたしを見つけるといつも
はじめまして、と言う
わたしも はじめまして、と言う
たくさんいっしょに遊んでも
次の日には わたしのことを覚えていない
でもシオリち ....
埒もない想いに身を委ねてしまうのは
この季節特有の気紛れと
触れて欲しい
昨日までのわたしを脱ぎ捨てた
わたしのこころに
この瞬間に生まれ変わった
わたしの素肌に
季節は夏
....
姿を現した下弦の月は
その身に赤いワインをなみなみ{ルビ湛たた}え
少しずつ傾けながら一滴二滴
色の無い世界が浸るまで
あの子の涙が染まるまで
夜の終わり色を失くした月高く
....
狭い部屋なので
多くのものを置けない
だから
多くのものが載っている本を
たくさん買おう
そう思って
まずは大きな本棚を買ってきた
本屋に行って
買えるだけの本を買ってきた
本棚 ....
オレンジの三日月が
細やかな雨を降らす頃
私は屋根の上で
うさぎを探している
時計仕掛けの空は
星を降らしながら
ただ、じっと
佇んでいる
床に落ちている苺は
まだ ....
抜け殻になっていい?
退屈してたけど
面白いかもなんて
完璧なんて
程遠いのに
とまる事が
怖くなって
影ふみ遊び
繰り返して
いつの間に
日が暮れて
抜け殻 ....
大海原に流れた涙は
夏の太陽に照らされて
大きな大きな入道雲になって
子羊の僕達の上に落ちてくる
桜島が噴火する理由を僕は知ってます
それは僕が怒ってるからです
僕を怒ら ....
{引用=
【 お読みくださる前の諸注意 】
1.これは北大路キョウコさん(誰?)へ贈る詩です
2.男性の方は「キョウコ」の部分を好きな女性の名前に変えて
女性の方は 御自身の御名前に ....
学校のテストで
満点を取った
その夜
お父さんに見せた
夕ご飯を食べながら
お父さんは
「もっとがんばれよ」
「宿題はやっとけよ」
と言ってくれただけだった
次の日の学校のテスト ....
強さの羽根が一本、二本
折れては生えてを繰り返し
今もまだ輝いている
弱さの羽根は思いのほか丈夫で
だけど君には見せられない
わたしは強い女でありたい
もし、本当に
本物 ....
溜め息でできた曇りガラス
微妙に感じる温度差
胸の中にぽっかり現れそうな空洞
もう囀れない歌えぬカナリア に
なってしまうのだろうか
味わってしまった夢は ....
ステンドグラスが光る
クラシカルな部屋で
私は無言のまま
珈琲を含み
ケーキを頬張っている
鏡張りの壁に
もたれ掛かる身体は
きっと、もうすぐ
溶けてしまうのだろう
....
含むのは
熱情
妖精になりたいな
虹色の翅をひらひらさせて
花の蜜を吸って暮らしたいな
気まぐれに梢を揺らしたり
あなたの帽子を飛ばしたり
満月の夜には月明かりの下
湖を滑って遊ぶの
月の光 ....
北側のカーテン押しのけて
今年も寒い夜が来た
君の吐き出すコトバが
曇って見えるようになった
誰かの背中にしがみついた
君の心は いったい…
僕のスベテを君にあげる ....
ひと足踏み入れば
彩る花弁の甘い香りが
しあわせの時を与えてくれる
いつの日も
六月の雨に濡れている足が
軽やかに茨を縫って進み
見え隠れする背中を追う
赤い薔薇、白い薔薇、あなたの ....
{引用=「序」
万華鏡に
甘い想い出だけを そっと詰めて
くるくるまわして のぞきこむ
金平糖のじゃれあうような
さらさらした音がはじけて
あまりの甘さに 歯を痛めて ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61