すべてのおすすめ
からからに渇いてしまった
言葉の欠片に
涙を落として潤いを
忘れかけていた何かが
滲み出てくる
わずかに残ってしまった
言葉の欠片に
手を触れて温もりを
失いかけていた何かが
思 ....
時計の針は静かにキャベツを刻んでいる
僕は暗闇の玉を抱えて外の世界と限りなく近く相対的な関係を保っている
深夜の間は僕は自由に動けるのだ ドラキュラのように昼間は思うように動けないのだ 僕は ....
何もしなければ
後悔することはない
安堵という道も
選択の一つだろう
けれども
やはり生きているのだから
一度きりの人生なのだから
損得だけを考えて
行動することよりも
自分の意志に ....
夜中に雨が通り過ぎた朝
近くの林から
夏が歌っている
共に生きていることを
呼びかけながら歌っている
昨日が雨だったことを
忘れさせるような昼
川の中から
夏が歌っている
自分が ....
大きな染みが砂丘に沢山できている これは女王を襲うものである 色々な生き物の形をした染みである
ここは夢の世界である 夜になって気温が下がり 寒い灰色の砂漠が広がっている アラビアの月の光を受け ....
重ねあう肌のあたたかさに
見いだそうとするもの
胸の奥に秘めるもの
真新しかったスーツに
シワもめだってきて
某寂無人のかかとに踏まれた
つま先が疼く
こんなはずじゃなかった ....
雨の向こうにも
空がある
きっと青くて
鳥が羽ばたいているに違いない
雨の向こうにも
森がある
きっとさわやかに
風が吹いているに違いない
雨の向こうにも
星がある
きっと ....
世界中の生き物達に 『神の子が生まれる』と神様の精霊達の声で心にお告げが届いた
生物達は驚嘆した キリストや仏陀やムハンマド達の再来かと喜び 乱舞して今か今かと誕生を願っていた 世界は揺れに揺れ ....
暗闇に起きる朝
憂鬱な一日の始まり
刺激の無い無機質な日々が始まる
差し込む日差しは傾き色を変える
何をする訳でも無く続く心臓の鼓動
機械的な運動を繰り返す臓器たち
....
つま先から透き通ってる
今朝の冷たい空気
誰もいない道路を歩いて
白い線を数える
ウォークマンしたまま
缶コーヒーを買って
かばんカタカタ言わせながら
仕事場に向かうんだ
じき ....
詩の中の君は
君でなくてもいいんだ
彼であっても
彼女であっても
そう
私であってもいいんだ
詩の中の君は
君の気持ちを考えなくても
彼の気持ちであったり
彼女の気持ちでもあった ....
あなたを大事に思っている人がいます
あなたを見守っている人がいます
あなたは気づいていないかもしれないけれど
半信半疑や
距離感や
....
海からやってきたその風は
夏を通り抜けてゆく
海辺の松林をさっと過ぎ
細い坂道を力強く上ってゆく
木造立ての駅が見える
自動販売機で飲み物を買う人に
あいさつをする
言葉は出せないけれど ....
僕の故郷(君の故郷)を時々思い出す
澄んだ青空が僕の胸に吸い込まれる
あの何度も塗り直されている鉄橋 あの春には染井吉野でいっぱいになる国一番の長さを誇る川の堤防のいつもの帰り道 夜を彩る山 ....
ある筈のない
五行目をなぞりながら
レコードは音を紡ぎ続ける
私、と呼ばれる生き物は
禁断の実をかじりつつ
その音に
聞き入っている
ある筈のない
存在しない、五行目 ....
これから
私、という名の
暴走特急は
成長という駅へ向けて
猪突猛進
進んで、参ります
ですから
危険を伴いますので
窓からお手は
出さないよう
後ろを ....
ふと車を走らせて
海の見える道路で
車を停車させる
ある晴れた休日の昼下がり
静かに広がる風景よりも
近くにこんなところもあるのかと
そんな発見の方が新しい
風は冷たく強かった
....
見果てぬ夢を抱いたまま
いくつもの夜を越えて巡ってきた
摂氏34度
陽炎のような曖昧な輪郭
記憶と現実が交差して
今 密やかに始まる
8月の同窓会
かくせぬ僅かな緊張
....
トキメキを求める 浮ついてる まいらいふ
ドキドキを求める 刺激好きな まいわいふ
あいのぅ ゆのぅ 苔の生えぬ希望
あのぅ そのぅ 下手をすれば死亡
愛人の刃物が光れば
....
酸素は息苦しくなった
どうも心地よく自分が循環していない
もともと組織とか社会というものに
馴染めるような体質ではなかった
求められるものに求められる分だけ
与えているだけで十分だった
そ ....
病院の最上階の病室の
眠れぬ夜に少年は
夢で作った絵具で
誰も知らない絵を描く
空は大きなキャンバスだ
ひとりでさびしい少年は
空にたくさんの友達を描きました
父親を知らない少年は
....
百聞せずに一見したら
まぁ それなりに感動した
百聞して一見したら
そりゃあもう感動した
百聞は一見に如かず
これ ちょこっと違う
百聞は一見のマザー
うん これが正解! ....
僕はある国の宮廷道化師さ
体が小さいんで住んでた役に立たないと村を追い出される前に宮廷の騎士に雇ってもらった
もちろん雇ってもらう前に散々笑われたよ 「お前みたいな奴は人間じゃない。?小人? ....
繰り返される風と雨は
石を山から転がし
石はその道の中で
削られて丸く小さくなり
やがて深い海の中へと
沈んでゆく
繰り返される下り坂と上り坂は
人を生へと動かし
人はその道の中で ....
この雨は まだやまない 降り続く雨
この空は まだ晴れない 曇り続ける空
アジサイなんかを見に行こう オシャレな傘さし 見に行こう
忘れそうな太陽の光 ため息ばかり
憂鬱な気持 ....
初夏の光が交差する
花と蝶とが見つめあい
互いを助け
互いの生を大きくさせる
初夏の光が交差する
空と海とが向かいあい
互いを求め
互いの存在を尊ぶ
初夏の光が交差する
人と ....
君に告白したら 「色が黒いから」という理由で断られた
これは差別ではないのか? 俗に言う『ニグロイド差別』(差別用語になっているけど) 「ニガーはパパが付き合ってはいけないと言うの」と君は言った ....
あなたの部屋の扉が内側から開かれて
はた、と目が合う
あいさつよりもさきに
わたしを射るように見つめる瞳の
恐怖、という快感
わたしをどうしようっていうの
と声もあげられず
....
静かな静かな夕暮れに
光の翼が舞い降りる
晴れた日の夕暮れにしか
現れないその翼は
大きなビルをいくつも
すっぽりと翼の中に入れてゆく
やがて翼は
だんだん小さくなってゆき
夜の中へと ....
ねえ、ねえ、ねえ、
ねえってば
こんな感じに甘えたのは
あなただけ
生きることの大切さと
初夏の清清しさを教えてくれた
忘れられない優しい笑顔
こねこのように
ベッドの ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61