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地球の人々は夜6時に起きて朝6時に眠る それに背く者は刑務所に入れられる
世界の王様が考え出した新しい掟だ
どうしてそんな掟を作ったのかというと 王様が夜が好きなのと 生まれつき夜行性である ....
下肢の無い僕はサーカスのピエロになりたくて 物心ついた時から 毎日車椅子を動かせて街に出て大道芸人の先輩の隣で滑稽なメーキャップとお母さんが作ってくれた服装でパフォーマンスの練習をしている
車椅 ....
朝刊から目を離さずに
気の無い空返事
それは。あなたの得意技
わたしが何を考えていようとも
お構いなし
空気のような存在
親しすぎる関係の果てに待ち受けるのは
そんな空虚さだ ....
雪が舞い下りる 夜の街角 肩寄せあう恋人たち
ふたりをつなぐ 赤いマフラー テレビの中のセカイ
駅前の広場 十人十色 待ち合わせの恋人たち
タバコの吸殻 風が濁ってく ....
楽しいのか
いま
楽しい
いま
楽しいとき
うん
楽しい
楽しいよ!
と言って楽しがる
ような楽しさがふと晩ご飯の後なんかにあって
またはそれは昼ご ....
逃げ切れるのなら 僕を悪者にしちゃえば良い
僕ひとりを犠牲にして 逃げちゃえば良い
誰もがみな 自分を可愛いと思うだろうし
気が済むというのなら 逃げちゃえば良い
自然 ....
紫煙のゆらぐ、香りの残響
異国の音色のたたずまい
赤と金をまといし霧の楼閣
ゆらりとまわるガラス化粧
ほとりに見える発光に
キミの越えた山々をおもう ....
なげつけて
ながして
つぶやいて
つたえて
ささやいて
はきすてて
ないて
どなって
たたきつけて
ないて
つたわらない
こみあげて
かざして
みせて
どれだけを
....
夕暮れ誰かの輪回しが
カラカラカラと泣いていた
知らない少女の影法師
カラカラカラと泣いていた
だあれもいない街の角
人恋しいと泣いていた
街の広場の古井戸が
カラカラカラと泣いてい ....
熟して溶けた果実のような
あなたの心の滴りは
何をも変える才知の媚薬
甘い一滴 舌先で
受けたとたんに
遠い彼方の記憶の底へ
解き放された魂は
螺旋を描き
....
植木鉢に身を{ルビ埋=うず}め
体中に
針の刺さった
裸の人形
{ルビ腫=は}れ上がる両腕のまま
{ルビ諸手=もろて}を上げて
切り落とされた手首の先に咲く
一輪の黄色 ....
赤い風船は空に向かって上っていった
高いところから見下ろす風景を見て
ハイな気分になっていった
下から吹き上げる気流が
自分の足をどんどん持ち上げてくれる
もうすぐ雲に届きそうだ
すると雲 ....
昔或る国が或る国を占領した 国民全てが捕らえられ 牢屋へ入れられた
占領した側のお姫様は牢屋を見回っている時に 占領された側の王子を見た
それは一瞬のことだった しかし永遠のものとなった お ....
遠くの景色ばかり見る骸骨 人形
ぺんぺん草が生えた土地にぽつんと一軒だけ立つ 露店と店屋
この店は主に肉体を無くした魂や影によって賑わっている
この近くで大きな戦争があった
大勢の戦 ....
私達家族がゆっくりと団欒できるのは決まってこの週末の土曜日である
私は公務員で 朝起きてくる時間が違う所から一日は始まる
まず 今年小学一年生に上がった5人家族の次男が午前7時にまず一番初め ....
どんよりと低い空に
ふうっ、と 溜息をもらし
雨を吸った暗いモルタルの壁は
重々しい匂いを滲ませて湿ったまま
窓枠に収められた日々を嘲い
片付いた雑事に安堵を覚えると
たちまち、身体 ....
どこにでもある公園の
どこにでもある家族四人が遊んでいる
けれどもその家族には
家はなかった
それでも着ている服はちゃんとしていたし
髪の毛も長すぎず短すぎず
食べるものも食べている
と ....
生きている もーん
――だから?
いえ・・・・
でもなお、生きているよ
煙草を一本、吸って
屁をする ブー
さら
さら
潮の匂いにみちた風が
木々の枝 ....
メガネは目が見えなくなってしまった
どこに何があるのかわからない
手探りで記憶と慣れを頼りにしながら
必要なものを手にとるしかなかった
メガネにとって
目の前も頭の中も全てが真っ白だった
....
見たこともない絵を描いて
聴いたこともないメロディに乗せるの
感じるのは心
明日の空を想像しましょ
きっと曇りのち晴れ
ララ ラララ
太陽のかけらちりばめて
風は ....
間違って配達されたのが原因だけど君から手紙が届いたのが始まりだよ 手紙の最後に君が好きな人宛に書いた詩が載っていたよ とても感動したよ
僕は他人宛の手紙だと知りつつも何百回も詩を読み返したよ そ ....
第三次世界大戦の最中のある国の海軍の巨大航空母艦に所属する彼は 大の中トロ好きである
敵国の日本の文化が大変好きで 特に寿司を好んでいる
この空母で日本が好きなどころか寿司が好きな者は彼一人 ....
こんな空の夜には詩を書こう
蝋燭の炎が微かに揺らめいて蝋燭の液状が受け皿に垂れていく
部屋の暖かい闇が蝋燭の炎に合わせて揺れていてその存在に気付くと僕と一体になる
窓からは満天の夜空が覗 ....
ある
ありふれた
想い
という
呼び名の比喩が
争え
という
プログラムの元
生まれて初めての出航をし、
次の刹那
辿り着いた先が
温かい
実は
腹の上
だったと
結局
....
何が起きたのかわからなかった
地鳴りと轟音とともに
その瞬間
すべてを失った
激しく燃えさかる炎と
黒煙の中
太陽は赤く揺らいだ
衝撃と
悲しみと
脱力感の中に
いた
茫 ....
二度と君を傷付まいと
『中途半端な距離
箱詰めにした言葉
偽善で温くなった手
夢を紡ぐ嘘
ぬかるんだ居場所』
そんな臆病な優しさを覚えるよりも
君の痛みを少しでも癒せ ....
おぉいえぃ
だなんて叫びながら
あなた。わたしのひみつをかき回す
そこじゃないけど
そこも。いい
ひみつはひみつ
おんなのひとは
おとこのひとと愛しあったなら
うー。だなん ....
せせらぎの横で
赤い花の蜜を啜る
掌ほどの小さな命が
力強く羽ばたいている
ハミングバード
悲しみは置いてゆきなよ
君の小さな体では
あまりにも荷が重過ぎる
追 ....
午後十時を過ぎると外は絶対零度に陥る
誰も外に出る者はいない
一年中 この調子だ
どうしても出掛けなければならない用事があって 外に出る時には 宇宙服のような最高の防寒具を着て出る
....
僕は二人いる
一人は僕
もう一人は悪魔だ
悪魔はいっつも僕の邪魔をする
顔まで一緒だ ただ心は凶悪だ
悪魔は両方の耳元で好きな女性の声で囁いて誘惑してくる
当然のように僕 ....
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