庭や町
くつろぎの

変な具合に

爪がのびている
ちょっと切ろうかな
思い立ったのは
必ず、たしか午前だった

それから、じっとそうしていると
なんだか、やっぱりもうたまらないので
南無三、切ろうと立ち上がったのが
おかしな昼ドラマの時

けれども嫌に陽気がいいから
水やひかりに
私をそうしたいとも感じて
草や苔などを
不苦不受の心で見つめてました

そんなんしてる間に
もはや陽は傾いていて
平然、帰宅する人びとが
変わらぬ風景を
全くいつもの様に歩いている

その平然

それがなんだか奇跡のようで
昔観た錦の水墨画
あれが瞬間に想起されて

おそらく切られなかった爪は
明日やどこかの未来で

きっと無くされてしまうのだろうから

看守のように夕暮れをみていた
ジャニーズのように半裸で

かたわらに好きな本があった
これで酒をやろうとおもった

青唐でも焼いて
煙なんか立てよう
ジャニーズやったら
できんねやろなー色々、とか

思っていた

庭で、七輪をしながら、夕暮れ





自由詩 庭や町 Copyright くつろぎの 2006-03-06 01:35:30
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