ループライダー
maumi

少しは先の見える紫の道
ジャケットに着く雫の玉と
シールド越しに見える景色が
吐く息と共に白く曇る姿に
体感温度も下がっていく

宛てなどがあろうか
振動は尾骶骨から伝わり
脳を揺らす
宛てがないように思えるのが
その為なのか
ごまかしなのか
考える範疇は
視界の狭さに呼応するように
思考を止めていく

疲れると止まり
止まると走りたくなり
また疲れると止まる

何度も繰り返す

人の浮き沈みほど
あやふやなものはなく
人の歌を聴いて沈み
人の声を聞いて浮く

この道に宛てなどがあろうか
衝撃は瞳孔から伝わり
脳を揺らす
宛てがないように見えるのが
その為なのか
ごまかしなのか
目をつぶっていても
耳で物を見るように
感覚地帯へ足を踏み入れる

少しは先の見える紫の道を
切り裂くように加速したのは
吐く息の白さに怖気づいた
臆病者の気まぐれ

人の浮き沈みほど・・・。


自由詩 ループライダー Copyright maumi 2006-03-03 19:58:43
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