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( 竹林に翁が影、竹を切る 音がする )
里はもうそんな時節らしい
路によりそう水の流れ
ここは、暮らしにいつも水音がある
流れる水は 淀むことをし ....
裸足で
知らぬまに 遠くまできていた
虹色の汽車にのって帰ろうと想う
歩んだそこには、
軌道がしっかりのこっている
帰りは 来るときほどの苦労がないね
そんな声がする
ただ、さびしいあき ....
眠りによりそう
咲きおくれた百合の白い想い
写真のなかにおさまったあなたは、
昔見せた笑顔のままで
私をみつめる
じゅうぶんに苦しんだのですから
もう休んでもよいのです
生き ....
力のかぎり追いかけるのは、
自分の力をしんじているかのように
止まることをも知らず
一点に集中した想いのはてなのです
おしもどす秋の風に
それが、遠くにあることなど知らずに
駆け抜ける ....
水の中でしか
生きられないと
思っていた
日々
きみの
ゼリーの肌に最初に触れた せつな
素人の二人が 不器用に
一つになって
創造が始まった 夏 ....
いつの間にか夕餉の団欒の食卓に
像がやってきていた
別段大きくもなく、それで、多分誰も気づかなかった
そこで、
家族会議を開いて詳細を検討してみる
鼻はさして長くなかったが
耳は大きく ....