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空と海の混沌に
突き刺さる黒い陸の先端
に白い少女が立っている

淡い彩りが現れ
生まれた風が海を押す
押されて海は岬に駆けのぼり
少女に白い言葉を飛沫く

潮鳴りにひそむ遠い記憶の ....
揺れる心地よさに
居眠りしていたわけではないが
通過してしまった駅があったという
ぼくを待っていた人に気付かず
遠ざかった町

乗車駅の ....
むしり取られ山積みされた路傍の名も無き草
人は一括りに雑草と呼ぶ けれど 
一本一本取りだし丹念に調べればたいそうな名が有って
いや 持たされて 力芝 車前草 藪枯らし 葛
ああくず 葛餅 葛 ....
人の体温に恋して
霊は家に住み着くらしい
頼んだわけでもないけれど
周りにたむろする木や草の
のぞき込む好奇心を追い返し

昼間 人が出かけても
テーブルの下 柱の陰
ドアの後ろの暗が ....
闇を切り裂いて走る稲妻に
たたき落とされたトカゲが岩礁に絡まれ
つぶされて息絶えようとした日

不規則な潮の流れに珊瑚の枝がきしみ
剥離した細胞から芽生えた
悲鳴が海を漂い やがて群れて渦 ....
                 
体の中を這い回るヤスデのような生き物と
近くを流れる水の気配に目覚める

が 眼は閉じたまま
それでも見える 
隣のテントから覗く逆三角形の顔
とがっ ....
吊り橋の真ん中で二人は懐中電灯を消した
月も山の木立に光を隠した

手を延ばせばそこには異性がいた
何時も顔を合わせている相手だったが

不意に訪れた二人だけの世界に戸惑って
互いに黙っ ....
目覚めはじめた街の夜を 置き去りにして
東京発二〇時三〇分 のぞみに乗り込む

この列車に乗って人はどんな望みを持つのだろう
あるいは捨てたのだろう

 夜と昼の混濁したこの街は わたしに ....
松岡宮さんのイナエさんおすすめリスト(8)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
暁光- イナエ自由詩20*16-1-7
通過駅- イナエ自由詩18*14-3-14
名も無き人- イナエ自由詩8*13-11-16
家霊- イナエ自由詩22*13-11-4
海のトカゲ改- イナエ自由詩4*13-6-29
病床で- イナエ自由詩5*13-6-6
吊り橋- イナエ自由詩11*13-5-18
- イナエ自由詩6*13-5-13

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