すべてのおすすめ
笑顔が飛び交う中
僕のどす黒い心一つを
許さなくていい
厳しすぎる指摘に
あの人の
ついた嘘の一つや二つを
許そう
色々あって
涙が滲んで破けた暗闇
その外に行く
街をゆく人たちを
みながら僕は道端のオブジェに腰をおろす
楽しげに笑う学生たち
せかせかと歩く働く人たち
スラリと日傘をさす女性たち
なんだか訳のわからない人
あ、それは僕だ ....
○「独居老人」
散歩してたら
また捕まって
話を聞くこと一時間
老いても舌だけは健在だ
○「梅雨」
落ちた梅が雨に打たれっぱなしだ
雨も二三日ぐらいならいいが
長く続くと
洗濯物 ....
境とは細い線のようなものではなく
どこまでもどこまでも続く長い道のりのどこかにあるまぼろし
どこかで今までの着物を焼き捨てて
河岸を変えなけりゃ
この旅行きは終わりやしないが
そもそもど ....
胸の膨らみ
秘匿されながら
初々しく微笑んで居た
出会い頭の
貴女と云う人の 、
崩れぬ死顔よ 永遠に
冷たい肌で引き裂いた滲んだ鉄錆の味が苦く口に残った
まるで罪を罵るかのように
あゝ、どんなに振り返っても君はいない
君の醒めた横顔が瞼の裏に映る
見込み違いの幻が僕を責め立てる
どう ....
慰めさえ効かないぐらい哀しいときは泣いたらいいの
我慢するときほど悲しいことったらないわ
ただそばにいて寄り添ってくれるだけでいい
背中撫でて頭撫でて何も言わないままで
時間すら忘れてひと ....
雨露な濡れた葉を止まり木に羽を休める揚羽蝶
何を考えているのか
何をしたいのか
騒ぐ風が大きな羽をユラユラと揺らしても
不安定な足場の上でか細い脚を踏ん張らせ必死に耐えている
仲間が近くを通 ....
今朝、電車の中で
いい詩が思い浮かんだんだけど
帰る頃には
すっかり忘れてるな
何だったかな
昨日見た夢は
好きなコと喋ってる夢
二人で ....
とほい
自らが自らに
とほくとほくなり
いく折 、
ひとり人の抱え持つ
夜ごと寄り添う安らぎの
深く刻み込まれた
星々からの記憶の許、
いよいよ不断に
別れ離たれいく
....
コメが高いなら
コメを食わなければ良い
アワでもヒエでも
食えるもんなら何でも
文句言わずに食え
どうせ碌でもない
働きしかしねえんだからさ
自称詩人に食わせるコメなんて
端からないだ ....
午後5時のオレンジ色の道
カラスが飛んでいる
ビル風に吹かれながら
しみついた地元へ
帰ってゆく
街並み
過ぎていく
街並み
よそ行きの顔で
街並みが整えられても
排他的な ....
ボクの詩を
読んでくれたあなたに
少しでもなぐさめになるなら
これほどのよろこびはない
ボクの詩を
読んでくれた貴女に
少しでも生きる力が湧くなら
これほどのしあわせはない
ボ ....
○「爪」
爪は
まだ生きろ!とばかりに
切っても
切っても
伸びてくる
○「人生」
生きているんじやない
生かされているんだ
1日に十万回も動いている
心臓によって生かされているんだ
絶えず空気を吸ったり吐いたりする
肺によって生かされているんだ
目に見えな ....
体を刺す鋭い痛みは皮膚のより深くへ
まるで太陽の攻撃だ
一斉に放つ光は眼の裏を焼き尽くす
滲み出る汗は止まることを知らず
次々と生まれては肌と服を濡らしてゆく
髪の毛を挟んで黒い ....
ピローズのマイフットって
良いんだ
なんか
聞いてみてよ
と
書いている
時のカナリヤを探して
青い鳥を探して ....
わたしのなか
ゆらゆらら
緑のゆらゆら
ゆらゆらら
ゆっくり揺れて
瞑目心象の
生き生きと
風もないのに
おのずとみずから
緑の樹木の枝葉たち
揺れてゆらゆら
また揺らぎ
....
下を向く
女性と目が合って
不審者だと思われたくないから
下を向く
男性と目が合って
絡まれたくないから
下を向く
イヤホンや心を
落としたくないから
少し
前を向こう ....
神には色がない
無色透明で
スガタを見せない
私たちには見る事ができない
神を識る事はない
すべてを識ってるが
教わる事はできない
私たちには学ぶ事ができない
神には声がない
....
やる気に満ちた行動を止めようとする声に
あなたは誰?と尋ねると
通りすがりの者と答えた
通りすがりの者の気まぐれな その声に
やる気に満ちた行動後の
後悔のようなものに
苦しむ必要 ....
彼方の夜が白白明けて
朝の香りが
昨夜の星の逆行のせいで
さくらいろ
君はきっと透明になるんだろうな
わけも知らずただ前向き
そんな風
だなんてうれしい朝が来る
....
自らが今に充たされて居れば
何処迄もいけるのです、
ひと ひとりきりになり切れば
何処までも生けると云う
確信に充たされ
斜面を滑り落ち宙へ身を投じる
捲る頁の一枚に無限の紋様 ....
車窓から揺れる街の灯
四角い光のなかに幸せが眠る
時には笑い時にはケンカし
日常に閉じ込められたドラマ
私の知らない私の求める
ごくごく平凡であたたかな夢のカタチ
死の灰の雨は止まない
月でさえシェルターに入っているのに
地球のシェルターは破壊された
薄いレインコート一枚で
世界を変えるために
本の頁を繰る
知恵は生きのびる道をつくる
もうだいぶ灰 ....
傷跡裂ける
めりめりっと
亀裂から溢れる赤い体液
静かに眺めたまま堕ちゆく雫舐め掬う
舌の感覚柔らかく
途となった跡を指で辿る
生温かな触感に怯えながら屈折しつつ伸び上がる
....
☆
大人になってから
自分ばかり見てしまうようになったね
☆
あの子の仕草とか
男だから真似しちゃおかしいんだけど
どうも好きで頭の中で繰り返し学んだりさ
★
あの ....
わかったつもりの事
いくつあっても
宛にならない
早合点
いくつあっても
為にならないのに
こんなに引きずって
「お疲れ様です」
の後の寂しさのようだ
アナベルの咲きそろう庭に遭い
手で触れることを
ためらって
六月の午後にあがった
冷たい雨
潤ってあざやかな花房に
そっと 顔を寄せると
控えめで甘い匂いは
....
アジサイのつぼみポッポッポッ
小さな丸い輪郭集まりこんもりと
無数それぞれの速度で目覚めつつ
芽吹き咲き開く前に色付く青の
進む時の刻みに雨を受け 、
濡れそぼりつのどやかな
何も ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26