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屋形船に乗りたい、と
あなたが言うので
わたしは台所に
船着場を作ることにした
ホームセンターや森で
材料を集めて
冷蔵庫は多少
使い難くなったけれど
何とか船着場が出来た
 ....
水のように眠った
連続する穏やかな
体液の水面
幾つかの色を見つけては
金属の味にしたがって
溶けていく
あなたが寒がるから
手袋とマフラーを買った
行く所がある訳でもないのに ....
砂漠のバス待合所で
君と雨宿りをする
雨は降っていないけれど
いつか降るのを待って
二人で雨宿りをしている
いつもこうして
何かを待っている
そして待っている間は
いつも君が隣 ....
椅子の背もたれに届く
夏の小さな雑音
子供になった父は
昆虫採集に出掛けたまま
帰ってくることはなかった
大事にしていた許可証が
風に飛ばされて
どこか遠くの海溝に
沈んでいく ....
あなたの耳の中に
階段があった
手摺はないけれど
転ばないように
わたしは一段一段
下りていく

一番下にたどり着く
幼いあなたが
膝を抱えて泣いている
もう大丈夫だよ、と ....
花野誉さんのたもつさんおすすめリスト(5)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
屋形船慕情- たもつ自由詩6*25-6-18
優しい沈殿- たもつ自由詩625-5-26
いつも- たもつ自由詩4*25-5-22
青空の続き- たもつ自由詩8*25-4-22
迷子- たもつ自由詩4*25-3-21

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