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アイソニアの騎士の亡命劇の裏側には、
ハザック・アザンの暗躍があった。
ハザックは、密偵として祭司クーラスに仕えていたが、
実はアースランテの国の密偵でもあったのである。

いわゆる、二重ス ....
エインスベルたちは、復讐からの帰路についた。
もちろん、再びユーラディアの谷を通ってである。
その道すがら、アイソニアの騎士はエインスベルに向かって言った。
「俺は、アースランテの国に亡命しよう ....
ファシブルの国で政変が起こったという報せは、
早馬によってクールラントの国にももたらされた。
国王はわずかに顔を曇らせた。
「で、次の女王は誰になるのか?」

「マリアノス・アリア・ガルデが ....
「そうかもしれません、母上。明日は、
 叔母ミーガンテの戴冠十年式典が行われる予定でした。
 しかし、今は貴女が王座に返り咲く日となるのです」
「しかし、国民は受け入れるだろうか。一度は排斥され ....
「わたしはこの時のために生きてきました。貴女を救うために……」
「そのために、魔導士に落ちたというのか?」
マリアノス・アリア・ガルデはわずかに顔をしかめた。
その微妙な表情に、エインスベルも当 ....
「はい。わたしは貴女の娘、エインスベル」です。
「エインスベルか……、あの頃はたしか十歳だったはずだが。
 立派に成人したのだな。しかし、お前がここにいるということは?」
「ええ、叔母ミーガンテ ....
ミーガンテを捕縛した後、エインスベルは、母の元へと赴いた。
マリアノス・アリア・ガルデは、十年の間、
王宮の北にある塔の中に幽閉されていたのである。
マリアノスがいる牢獄は、塔の最上階にあった。 ....
「叔母上、貴女はこれから幽閉の身となるのです」
エインスベルは、ミーガンテの結界を解きながら言った。
「それだけは……、耐えられない」そのミーガンテの言葉に、
「母はそれに耐え抜いてきたのです」 ....
「エインスベル、なぜ我が味方とはなってはくれぬのか?」
「奴隷としてわたしを売りに出した、貴女が言うことではないでしょう」
「すべてはオスファハンがいけなかったのだ。彼も殺しておくべきだった」
 ....
「エインスベル、止めよ。一緒にこの国を導いて行こうではないか」
ミーガンテは結界の中から叫ぶ。しかし、
「叔母上、無駄ですよ。もうゴーストは一体も残ってはいません。
 貴女はこの国を治めることに ....
ゴーストたちは炎の魔法によって、エインスベルを攻撃してくる。
それに対して、彼女は冷気の魔法をもって応戦した。
魔力同士の戦いでは、いかに相手の攻撃を無力化するかが鍵なのである。
その一方で、ミ ....
「異界の魔物を呼び出すことなど、黒魔術師のすることではないですか」
エインスベルは叫ぶ。しかし、ミーガンテは受け流した。
「それを言うなら、お前も同じことだ、エインスベルよ。
 外では今、ネクロ ....
その時、アイソニアの騎士がミーガンテの居室にたどり着いた。
「エインスベル。ここにいたのか」
「そうだ。今は叔母のミーガンテと対峙している」
エインスベルは淡々と言葉を連ねてゆく。

宮殿の ....
「国家とは何だと思う? エインスベル」ミーガンテは尋ねた。
「国家とは、人を守る受け皿です」エインスベルが答える。
「違うな、国家というのは生き物のようなものだ。
 その時々によって、姿を変えね ....
エインスベルは、ファシの街の宮殿の中を駈けていた。
それは宮殿というよりは、城塞のようなものだった。
宮殿の外にいる護衛たちは、「ハンザ・ナウ」で眠りについたろう。
あとは、アイソニアの騎士やハ ....
「いよいよ明日だな」と、アイソニアの騎士が言った。
その翌々日は、ミーガンテの戴冠十年式典の日だったのである。それまでには、
何としても、エインスベルの母マリアノスを王座に返り咲かせる必要があった ....
ファシブルの街々は、以前にもまして疲弊していた。
ファシブルの国は、以前はライランテ一の商業国家だった。
(ライランテとは、クールラントやファシブルを含む北半球の大陸である)
しかし、ミーガンテ ....
ユーラディアの谷を一行が抜けるには、十日の時間がかかった。
これは当初の予想よりは、遅かったと言えるであろう。
その途中では、オパ・ビアやブルー・ドラゴンとの戦闘があった。
エインスベルは焦って ....
アイソニアの騎士とエインスベルが、ユーラディアの谷を抜け出ようとした時、
突如ブルー・ドラゴンたちの群れが彼らを襲ってきた。
ブルー・ドラゴンは、小ぶりながら、強い戦闘力を秘めた魔物である。
そ ....
エインスベルらの旅は、すでに四分の三の過程を終えていた。
周りは依然として、鬱蒼とした森の中である。
そこで、アイソニアの騎士が口を開いた。
「ここまでの旅は穏やかだったな。ワイバーンやドラゴン ....
エインスベルたちがその旅を始めてから、すでに五日の時が経っていた。
ファシブルへの道のりは、まだ半ばである。
というのは、ユーラディアの谷はうねうねと蛇行しており、
中には道なき道、という場所も ....
ユーラディアの谷には、鬱蒼とした樹々が繁っていた。
もちろん、その道は昼間でも薄暗い。こんな道を通るのは、
人に見られてはまずい物を運ぶような、商人だけである。
その道すがら、エインスベルは様々 ....
クールラントの王宮で、戦士エイソスの祝賀会が開かれていた、
まさにその時、エインスベルらは復讐の旅へと出立していた。
エインスベルらの集団は、オークの傭兵が20名、そして人間が10名、
総勢30 ....
戦士エイソスのワイバーン退治は、成功裡のうちに終わった。
戦士エイソスの護衛たちは、数名が負傷したものの、
死者は出なかったのである。
戦士エイソスは誇りのうちにカラスガラへと帰還した。

 ....
ワイバーンたちはとくに冷気の魔法に弱かった。
そこで、戦士エイソスは、
すべての護衛たちの剣に氷の魔法属性を付与させることにした。
氷の女神の名は、「サプレナ」という。

幸いなことに、リュ ....
リュシクイアの街は、権力に反するような保守的な街であった。
他者の援護など求めない、というのがリュシクイアの理想である。
しかし、ワイバーンが相手となれば話は別であった。
魔獣には魔法をもって対 ....
祭司クーラスは、アイソニアの騎士への刺客を送る一方で、
戦士エイソスに加担していた。戦士エイソスには、
五十名の護衛をつけた。これでリュシクイアの街を救うのである。
戦士エイソスは、祭司クーラス ....
エインスベルとアイソニアの騎士が復讐を決意していたころ、
戦士エイソスはクールラントの南部にあるリュシクイアの街にいた。
リュシクイアの街はカシュクスの街からもほど近い。
その地を襲うワイバーン ....
ファシブルの国は、ラゴスの国の南西にある。
クールラントの国に攻め入ろうとすれば、七日の距離にある。
ミーガンテ・アリア・ガルデは野心家だった。
かつてのアルスガルデのように、北半球に魔導帝国を ....
ミーガンテ・アリア・ガルデが、なぜエインスベルの母を殺さなかったのか、
その理由は定かではない。しかし、推測によれば、
禅定によって王母の位を譲渡された、
という弁明が必要だったのかもしれない。 ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
復讐が終わって(三)- 朧月夜自由詩1*22-2-5
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母との再会(三)- 朧月夜自由詩1*22-2-2
母との再会(二)- 朧月夜自由詩1*22-2-1
母との再会(一)- 朧月夜自由詩1*22-2-1
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ミーガンテ対エインスベル(七)- 朧月夜自由詩1*22-1-31
ミーガンテ対エインスベル(六)- 朧月夜自由詩1*22-1-30
ミーガンテ対エインスベル(五)- 朧月夜自由詩1*22-1-30
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ミーガンテ対エインスベル(二)- 朧月夜自由詩1*22-1-28
ミーガンテ対エインスベル(一)- 朧月夜自由詩1*22-1-28
ファシブルの国のエインスベル(二)- 朧月夜自由詩1*22-1-27
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復讐への旅路(六)- 朧月夜自由詩1*22-1-26
復讐への旅路(五)- 朧月夜自由詩1*22-1-26
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復讐への旅路(三)- 朧月夜自由詩1*22-1-25
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復讐への旅路(一)- 朧月夜自由詩1*22-1-24
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ワイバーン狩り(四)- 朧月夜自由詩1*22-1-23
ワイバーン狩り(三)- 朧月夜自由詩1*22-1-22
ワイバーン狩り(二)- 朧月夜自由詩1*22-1-22
ワイバーン狩り(一)- 朧月夜自由詩1*22-1-22
復讐の始まり(六)- 朧月夜自由詩1*22-1-21
復讐の始まり(五)- 朧月夜自由詩1*22-1-21

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