ミーガンテ対エインスベル(六)
おぼろん

「エインスベル、止めよ。一緒にこの国を導いて行こうではないか」
ミーガンテは結界の中から叫ぶ。しかし、
「叔母上、無駄ですよ。もうゴーストは一体も残ってはいません。
 貴女はこの国を治めることには不適格だったのです」

「不適格と言えば、お前の母親がそうだ。マリアノスは弱すぎたのだ」
「それに対して、貴女がしようとしていることは、何ですか?
 クールラントやファシブルを含む、ライランテの大陸を支配することでしょう。
 それは結果として、アルスガルデの過ちを繰り返すことになるのです」

「わたしのすることに、過ちはない。エインスベル、悔い改めよ」
「わたしの返答は変わりません。このファシブルの国は、母が治めるべきです」
「お前は、わたしの敵となるのか。やはり、あの時に殺しておけば良かった」

「過ぎたことを後悔するのは、お止めなさい、叔母上よ。
 貴女の命運は、ここで尽きるのです。結界を解きなさい」
エインスベルの言葉に、ミーガンテは初めて恐怖した。


自由詩 ミーガンテ対エインスベル(六) Copyright おぼろん 2022-01-30 21:53:47
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クールラントの詩