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「そうなのです。わたしも、エランドル様にそのことを言いました。
ですが、彼はさらに高いものを目指しているようです。
世界の再編です……」そう言うヨランの言葉は、震えていた。
彼が素人ながらに ....
「分かった。その魔法石は、わたしが預かろう。
しかし、ヨラン。お前はリグナロスとも通じていたのか?」
「盗賊の情報網を軽く見てはいけません、エインスベル様。
あなたの傭兵団の長、エイミノア様 ....
そして、エインスベルの牢獄の鍵が開けられた。
エインスベルは、左手首をさすりながら、牢を出る。
エインスベルは、牢獄で自らの身を傷つけていたのである。
それは、自らが生きているということを確かめ ....
「ヨランよ、アイソニアの騎士よ、どうしてここへ?」
「ここまでの衛兵は、全て騎士さまが倒しました。しかし帰りは……」
「何だと? 良くやったな、ヨラン。そしてアイソニアの騎士……。
ここにいる ....
エインスベルは壁を見つめながら、沈黙していた。
先ほどから、リグナロスがエインスベルのもとを訪ねてきていた。
「エインスベル様。助けはたしかに参ります。それまで、
どうかご辛抱なさいますように ....
「ところでヨラン。今は何月の何日だ?」と、アイソニアの騎士。
「俺たちは、ハーレスケイドで長い時間を過ごした。
エインスベルはもう処刑されているのではないか?」
「心配はございません。今は、リ ....
「分かった、ヨランよ。お前はエインスベルを救えるのであろう?
わたしは、そう出来なかった。今は……いや、言うまい。
今回の遠征のこと、俺は誇りに思うぞ、盗賊ヨラン。
お前は、龍族と交渉し、 ....
「なら、お前のことは信用できるな。ヨランよ、
この地下室からの脱出通路を、俺に教えよ!
今すぐにでも、エインスベルの救出に向かう」
「はっ。御身が思いますままの良きに」と、ヨラン。
ヨ ....
「今は龍族のことなど、放っておいて下さいませ。
エイミノア様のことに関しては、残念でございました。
ですが、今はエインスベル様を救う時です……」
「そうだった。エインスベル……」と、アイソニ ....
気がつくと、そこはオスファハン邸の地下室だった。
ヨランとアイソニアの騎士とは、頭を振る。
(一体、何がどうなったのか……)
「アイソニアの騎士様、わたしどもは現世へと帰ってきたようでございます ....
「死んではなりません、エランドル様!」オーマルが叫ぶ。
「あなたは、我らドラグネイアスの救いでもあらせられます!」
「ふふ。我は託す、そこなる道化師へと。……虹の魔法石を、
よく使え!」そう、 ....
「汝はドラグネイアス。我に仕えるものである。
そして、汝自身が生きた意味も、やがて分かるだろう」
エランドルの言葉に、オーマルは首を垂れたみせた。
「殊勝だな、オーマルよ」──と、アイソニアの ....
「エランドル様。本当に大丈夫なのですか?
このオーマルは、貴方様の身を案じております……」
「心配するでない。あそこを見よ、あそこには、
虹の魔法石が陣座しておる。我の代償としてだ」
....
そして、中空に光が放たれた。三人を、七色の光彩が包み込む。
「エランドル様!」オーマルが、別室から叫びながら現れた。
「心配ない。オーマルよ、我がこの者たちに、
虹の魔法石を渡したことは、忘れ ....
「今さら救世主の顔など、お前には似合わないぞ?
お前は、ドラゴンどもにエイミノアを殺させた。一人の殺人者だ。
そして、多くの人間の命を奪ってきたのだ。そうであろう?」
「そうだ。わたしは救世 ....
「ドラゴンが自然な姿? どういうことだ?」アイソニアの騎士が尋ねる。
「お前は考えてみたことがないか? 人はなぜ争い、殺し合いをするのかと。
人は愛する者のために生き、時には家族のために犠牲を強 ....
「一体何が起こったのだ?」アイソニアの騎士とヨランは、驚き、叫んだ。
「案ずるのではない。奴らが暴れ始めたのだ」
「奴らとは? ドラゴンたちのことですか?」
「そうだ。今奴らは、怒りの最中にある ....
「ずいぶんと高飛車に出たではないか。『エインスベルを救え』とは?
人にものを頼むのであれば、まずは膝を屈するべきであろう。
ましてや命令など……。俺は、アースランテの千人隊長だ!」
「頼んで ....
「科学? その言葉も何度か聞いた。科学とは、一体何だ?」
「科学とは、そうだな。文明が行きついた、一つの到達点だった。
そして、人間を滅ぼす元ともなったものだ。分かるか?」
「分かりはしない。 ....
「お前は、人間の未来のために、一人の男を殺したというのか?
俺は、決してお前を許さない」と、アイソニアの騎士。
「しかし、対話なくして、お前たちが虹の魔法石を手に入れることはないぞ?
良いの ....
アイソニアの騎士は、痛いところを突かれたという表情を見せた。
(エインスベル、エインスベル、我が最愛の女……
しかし、エインスベルがククリスの生まれ変わりとは、どういうことだ?)
そこに、ヨラ ....
「策謀は、わたしの仕事ではなかった」
エランドルが、その過去を懐かしむかのような口調で言う。
「そして、今も策謀家ではない。わたしを導いているのは、
哀惜だ。人が人として生き、人として死ぬ。そ ....
「ふん。時間だと? ここでは時間の流れが止まっていると、
嫌というほど聞かされた。大方、お前は不死の存在であるのだろう。
それに、お前はオスファハンに虹の魔法石を与えたというではないか?」
....
「オーマル。お前の役目は終わった。しばらく休むが良い」
「はい、エランドル様」そして、オーマルは別室へと退いていく。
彼──エランドルの周りには、様々な機械が置かれていた。もちろん、
機械などと ....
ヨランが驚いたことに、アイソニアの騎士は、
さしてためらうこともなく、その建物の中へと入っていった。
むしろヨランのほうが、(これは罠なのではないか?)と、
思い迷っていた。──ここは慎重を期す ....
「何をしていらっしゃるのです? エランドル様がお待ちです」
オーマルは、二人を手招きする。──そこには、ひとつの建物があった。
それは、アイソニアの騎士も、ヨランも、見たことのない様式のものだった ....
アイソニアの騎士は、その出誕の経歴とは裏腹に、世界を感じる者だったのである。
オーマルに言われるものでもなく、彼は、歴史と世界の乖離を把握していた。
すなわち、理想がこの世界を導くものではないと。 ....
「何をしているのです? わたしは、あなた方をエランドル様へと、
引き合わせます……」オーマルは、一層低い声で、彼らへと通知した。
「お前の目論見は……分かるつもりだ。しかし……」
アイソニアの ....
「さて、あなた方をお導きいたしましょう。エランドル様の元へ……」
人間体に戻ったオーマルが言った。しかし、アイソニアの騎士とヨランとは無言である。
「あなた方の心は承知いたしました。ですが……、
....
「汝が拒絶するのであれば、それも良い。だが、
それでは、虹の魔法石を与えることはできない。絶対にだ」
「それは、困ります。わたしどもはなんとしても、
エインスベル様を救わねばならないのです… ....
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虹の魔法石(五)
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朧月夜
自由詩
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22-11-1
虹の魔法石(四)
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朧月夜
自由詩
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22-11-1
_虹の魔法石(三)
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朧月夜
自由詩
1*
22-11-1
虹の魔法石(二)
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朧月夜
自由詩
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22-10-31
虹の魔法石(一)
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朧月夜
自由詩
1*
22-10-31
アースレジェへの帰還(九)
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朧月夜
自由詩
1*
22-10-31
アースレジェへの帰還(八)
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朧月夜
自由詩
1*
22-10-30
アースレジェへの帰還(七)
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朧月夜
自由詩
1*
22-10-30
アースレジェへの帰還(六)
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朧月夜
自由詩
1*
22-10-30
アースレジェへの帰還(五)
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朧月夜
自由詩
1*
22-10-29
アースレジェへの帰還(四)
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朧月夜
自由詩
2*
22-10-29
アースレジェへの帰還(三)
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朧月夜
自由詩
1*
22-10-29
アースレジェへの帰還(二)
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朧月夜
自由詩
1*
22-10-27
アースレジェへの帰還(一)
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朧月夜
自由詩
1*
22-10-27
アイソニアの騎士とエランドル(十五)
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朧月夜
自由詩
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22-10-27
アイソニアの騎士とエランドル(十四)
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朧月夜
自由詩
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22-10-26
アイソニアの騎士とエランドル(十三)
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朧月夜
自由詩
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22-10-26
アイソニアの騎士とエランドル(十二)
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朧月夜
自由詩
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22-10-26
アイソニアの騎士とエランドル(十一)
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朧月夜
自由詩
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22-10-25
アイソニアの騎士とエランドル(十)
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朧月夜
自由詩
1*
22-10-25
アイソニアの騎士とエランドル(九)
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朧月夜
自由詩
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22-10-25
アイソニアの騎士とエランドル(八)
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朧月夜
自由詩
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22-10-24
アイソニアの騎士とエランドル(七)
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朧月夜
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22-10-24
アイソニアの騎士とエランドル(六)
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朧月夜
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22-10-24
アイソニアの騎士とエランドル(五)
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朧月夜
自由詩
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22-10-23
アイソニアの騎士とエランドル(四)
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朧月夜
自由詩
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22-10-23
アイソニアの騎士とエランドル(三)
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朧月夜
自由詩
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22-10-23
アイソニアの騎士とエランドル(二)
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朧月夜
自由詩
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22-10-22
アイソニアの騎士とエランドル(一)
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朧月夜
自由詩
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22-10-22
クーゲンドルにて(十五)
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朧月夜
自由詩
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22-10-20
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