ワイバーン狩り(五)
おぼろん

戦士エイソスのワイバーン退治は、成功裡のうちに終わった。
戦士エイソスの護衛たちは、数名が負傷したものの、
死者は出なかったのである。
戦士エイソスは誇りのうちにカラスガラへと帰還した。

それは、凱旋と言っても良いものだったろう。
カラスガラの市民たちは、熱狂をもって戦士エイソスらを迎えた。
それは、かつてカシュクスの巫女が受けた祝福にも、
匹敵するようなものであった。

戦士エイソスは、国王の命によって千人隊長に任命された。
もちろん、この度の戦果があってのことである。
その一方で、戦士エイソスはアイソニアの騎士への不信を募らせた。

彼は、なぜこの戦いに協力してくれなかったのであろうと。
祭司クーラスの陰謀がその陰にあったことなど、エイソスには知る由もなかった。
その一方で、エインスベルらは着々と復讐の準備を進めていた。


自由詩 ワイバーン狩り(五) Copyright おぼろん 2022-01-23 01:24:25
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クールラントの詩