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各国がそれぞれの思惑に捉われている間、
アースランテ、いやヨースマルテには天変地異が訪れようとしていた。
それはもちろん、エランドルの仕業である。
ライランテ大陸の各地に、ドラゴンたちが舞い降り ....
議論の行き先が見えない時、そこに必要とされるのは、
確かなカリスマを持ったリーダーである。すなわち、ラゴスの国王アウゼル。
「両者の言うこと、たしかに分かる。このライランテ大陸においては、
 ラ ....
「そのエインスベルです。我が国の諜報機関、ヨアリブによれば、
 エインスベルは、クールラントではいささか厄介な立場に立っています」
「知っている。監獄に収監されているのであろう?」
「されていた ....
「それよりも気にかかるのは、ヒスフェル聖国の動向です」
ケンパは言葉を継いで言った。「かの国は、以前からクールラントとは
 密接な関係を保っていました。しかし、ここへ来て、
 アースランテとも懇 ....
ラゴスの議会は、ケンパ・ハルラージャという有力者が治めていた。
ケンパ・ハルラージャは、軍務大臣であるシュランク・エルベとは、
犬猿の仲である。一方が西と言えば、他方は東と応える。
アウゼルは、 ....
ラゴスがライランテ大陸に占めている領土は、存外小さい。
アースランテの四分の一、クールラントの六分の一、といったところである。
しかし、西の大陸であるコーカタンにその十倍の領土を持っていた。
そ ....
アースランテがファシブルと事を構えたという報は、ラゴスにも伝わっていた。
だが、軍国ラゴスは静観の構えを保っていた。
ライランテ戦争後のアースランテ四国統治が、
このままでは揺らぎかねない、とい ....
祭祀クーラスは、アースランテとファシブルが接近しつつあることを知らない。
イリアス・ナディの身柄を鍵として、アースランテとの連合が可能である、
そう判断していた。その判断は、甘かったと言えるだろう ....
二万の軍勢が、八千あまりのアースランテ軍に敗れて以降、
ファシブルの議会では、アースランテとの和睦が取り沙汰されていた。
「これ以上、被害を大きくして、どうなさいますか?」
「アースランテの土地 ....
戦士エイソスは、直接祭祀クーラスの元を訪れることも考えていた。
(クシュリーやイリアス・ナディを攫わなくとも、
 物事を良い方向に好転させるすべてはあります。
 それは、エインスベルに恩赦を与え ....
エインスベルは虹の魔法石を持っているという。
それは、すべての魔導士たちの魔力を無効化する魔法石である。
ならば、エインスベルがヒアシム・カインの魔法を発すれば、
戦いの決着は一瞬でつくのではな ....
戦士エイソスは己が無力を感じて苛立っていた。
ランランテ戦争における無力、クシュリーの誘拐に関する無力。
世界を動しているのは、自分ではない、と感じる。
では、誰が世界を動かしているのか?

 ....
エインスベルの表情は、泰然自若としたものだった。
いや、実際には超然としていた、と書いたほうが良いだろう。
叔母ミーガンテへの復讐、ライランテ戦争、今回の監獄からの脱出、
事が起きるごとに、エイ ....
戦士エイソスは戸惑っていた。クシュリーが
これほどまでにエインスベルを憎んでいるとは、思わなかったのである。
彼は、初めてその妻に対して疑念を抱いた。
あるいは、彼女こそクールラントの運命を握っ ....
クレールは、ハッジズ・ア・ラ・ガランデの嫡子だった。
ハッジズには五人の子供たちがいたが、
クレールはそのなかでも最も武勇に優れていると言われていた。
しかし、政治力については未知数である。
 ....
「さて、どうでしょう?」今やフランキスは、元のさやに戻っていた。
祭祀クーラスを今暗殺する、という考えは完全に捨て去ったのである。
しかも、彼は自信家だった。アイソニアの騎士やエインスベルなど、
 ....
「それでは、こうしてはどうでしょうか?」フランキスは言った。
「アースランテのハッジズに親書を送るのです。
 王位継承権第九位のイリアス・ガ・ラ・ハルデンを預かっている、と」
祭祀クーラスは怪訝 ....
そのころ、エインスベルは何を思っていただろうか。
自分が誘拐を阻止したクシュリー・クリスティナが、
彼女を憎んでいる、ということは知っていた。
(クシュリーは、魔導士全てを憎んでいる……)

 ....
その通りだった。アイソニアの騎士は、イリアスの元へと向かっていた。
すなわち、クールラントの祭祀クーラスの元へと。
このような陰謀を張り巡らすのは、彼以外にいない、
ということを確信していたので ....
「こうなったら、イリアスを拷問にかけましょう。
 アースランテの内情を聞き出すのです。
 いかに庶人に落とされたとは言っても、
 もとは王族の娘だったのでしょう?」

「いや。少女を拷問にか ....
そのころ、祭祀クーラスの元にも一つの報告がもたらされていた。
すなわち、アースランテがファシブルに宣戦布告をした、という一報である。
「何だと? アースラテが今動く? それは早すぎる……」
祭祀 ....
ハッジズは、アースランテの首都ハンザガルテに帰還した。これで、
アースランテの南方地域、ラレンテンやギージェの治安は安泰だろう。
後は、召喚獣の数を増強し、ファシブル軍を完全に排斥する。
「マリ ....
国母マリアノスは、ほうほうの体でファシへと帰り着いた。
ファシは、王国ファシブルの首都である。
大臣たちが、マリアノスを迎えた。しかし、
「この女王、いつまで生きられるか……」大臣の一人は呟いた ....
ファシブル軍の兵士たちは、何が起こったのか分からなかった。
辺りには、闇の結界が張り巡らされていた。
そして、少人数の集団から駆逐されていく。
ラーディガンは、この戦果に満足だった。

(ラ ....
「マリアノスよ、売女め! お前は今どこにいる。
 後陣に控えているのか?」ハッジズは叫ぶ。
(マリアノス様を守るのだ)──ファシブルの兵士たちは覚悟を新たにした。
そして、怒涛の勢いをもって、ア ....
そして、ハッジズ・ア・ラ・ガランデは言った。
「ファシブルの国母、マリアノスよ。お前は、
 真の臆病者になったのか。この戦いの地に、出でよ。
 王の登場なくして、何のための戦いか!」

マリ ....
ラーディガンは、数多のドラゴンを召喚した。
アースランテ軍の形勢逆転である。
ファシブル軍の兵士たちは、ドラゴンの炎によって焼かれてゆく。
その時、ハッジズは自軍の勝利を確信していた。

( ....
この世界において、戦いはまずは魔導から始まる。
最初は召喚獣を率いて、前線を突破することが常道なのである。
しかし、アースランテはその常道を覆した。
敵の魔導士たちを、弓矢によって打倒し、その魔 ....
その時、アースランテに対峙していた、ファシブルの軍勢は二万。
対して、アースランテの軍勢は八千ほどだった。
アースランテは、ファシブルの軍勢と、
カガイデの丘にて対峙した。

そこは、アース ....
「父上。あなたの方策には問題があると存じます」
クレール・ア・ラ・ガランデは言った。
「今ここでファシブルと対決することが、適切でしょうか?
 まずは領民を安んじ、安寧を図ることこそが得策だろう ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ドラゴンたちの降臨(一)- 朧月夜自由詩1*23-1-23
ラゴスの動向(六)- 朧月夜自由詩1*23-1-22
ラゴスの動向(五)- 朧月夜自由詩1*23-1-22
ラゴスの動向(四)- 朧月夜自由詩1*23-1-22
ラゴスの動向(三)- 朧月夜自由詩2*23-1-21
ラゴスの動向(二)- 朧月夜自由詩1*23-1-21
ラゴスの動向(一)- 朧月夜自由詩1*23-1-21
祭祀クーラスの思惑- 朧月夜自由詩1*23-1-19
アースランテとファシブルの和合- 朧月夜自由詩1*23-1-19
戦士エイソスの苛立ち(三)- 朧月夜自由詩1*23-1-15
戦士エイソスの苛立ち(二)- 朧月夜自由詩1*23-1-15
戦士エイソスの苛立ち(一)- 朧月夜自由詩1*23-1-15
いくつもの運命(七)- 朧月夜自由詩1*23-1-14
いくつもの運命(六)- 朧月夜自由詩2*23-1-10
いくつもの運命(五)- 朧月夜自由詩1*23-1-10
いくつもの運命(四)- 朧月夜自由詩1*23-1-8
いくつもの運命(三)- 朧月夜自由詩1*23-1-8
いくつもの運命(二)- 朧月夜自由詩1*23-1-8
いくつもの運命(一)- 朧月夜自由詩1*23-1-6
二つの知らせ(三)- 朧月夜自由詩1*23-1-6
二つの知らせ(二)- 朧月夜自由詩1*23-1-6
二つの知らせ(一)- 朧月夜自由詩1*23-1-5
ハッジズの野望(十)- 朧月夜自由詩1*23-1-5
ハッジズの野望(九)- 朧月夜自由詩1*23-1-5
ハッジズの野望(八)- 朧月夜自由詩1*23-1-4
ハッジズの野望(七)- 朧月夜自由詩1*23-1-4
ハッジズの野望(六)- 朧月夜自由詩1*23-1-4
ハッジズの野望(五)- 朧月夜自由詩1*23-1-3
ハッジズの野望(四)- 朧月夜自由詩1*23-1-3
ハッジズの野望(三)- 朧月夜自由詩1*23-1-3

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