復讐の始まり(五)
おぼろん

ミーガンテ・アリア・ガルデが、なぜエインスベルの母を殺さなかったのか、
その理由は定かではない。しかし、推測によれば、
禅定によって王母の位を譲渡された、
という弁明が必要だったのかもしれない。

ミーガンテ・アリア・ガルデは、ファシブルの国を、
かつてのアルスガルデのようにしたかったのかもしれない。
ファシブルの国は、急激に右傾化していった。
それは、エインスベルの母、マリアノスの望まないことであった。

クールラントには今、ラゴス、レ・スペラス、アースランテという、
三つの敵国が存在した。そのどれもが、強力な国家であった。
ラゴスとの関係は、アイソニアの騎士たちとの武闘によって、

一応の和平が保たれていた。しかし、
レ・スペラスとアースランテとは話が別である。
そこにファシブルの国が加わる。これは、一大問題だったのである。


自由詩 復讐の始まり(五) Copyright おぼろん 2022-01-21 00:47:20
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クールラントの詩