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そんなエインスベルにも、一人の心強い味方がいた。
それはオークの傭兵団の団長、エイミノア・ラザンである。
エインスベルは身の回りの警護のために、数名のオークを雇っていた。
エイミノアは国内の内実 ....
新しい噂話に、クールラントの国民は逡巡した。
その噂に熱狂する者もあった。エインスベルの味方をする者もあった。
ほぼ二年近い時間、エインスベルは監獄に幽閉されていた。
次第に、エインスベルは悪な ....
その一方、エインスベルはどうか。戦争から三年近い時間が経ち、
エインスベルはクールラントの監獄に監禁されていた。
この戦いの端緒が、エインスベルにあるのだとして訴追されたのである。
エインスベル ....
戦いというものは、すべてが当事者の納得のうちに終わるわけではない。
アースランテの国では、軍国ラゴス、クールラント、ファシブル、
そしてアースランテによる四者会談が開かれた。
勝者である三国の意 ....
その後の戦いの詳細を省くことを、許していただきたい。
これはあくまでも、クールラントの物語なのである。
読者諸氏もすでにお分かりのように、第一次ライランテ戦争は、
アースランテの敗北によって終わ ....
クールラントの軍団長、ラジーク・ユーゲルに異論はなかった。
ここで巻き返しておかなければ、アースランテの再攻が始まる。
そして、ファシブルの動向が気がかりだった。
ファシブルはさらに北進するので ....
「わたしはマリアノスを見くびっていた」オスファハンは呟く。
彼女は彼女なりに、一国の王なのだ。
国の命運を左右する事態が起こったとすれば、
それに対処する必要がある。今回のヒスフェル聖国の参戦の ....
「それは、非がファシブルにあるということか?」
ラゴスの軍団長である、カイザー・ネルが尋ねる。
ヒスフェル聖国の正魔導士、オスファハンは息を飲んだ。
「非、というのは何を持ってしておっしゃられる ....
時間はまた遡る。マリアノス・アリア・ガルデは、
王宮の玉座にあって、沈黙を貫いていた。
元老院の代表である、シェリル・アーネストが厳粛な口調で報告する。
「元老院での決定によって、わが軍はアース ....
「なんと? なぜファシブルが参戦する?」驚いたのは、
カイザー・ネルばかりではない。ヒスフェル聖国のオスファハンも。
オスファハンは再び自分の無力を嘆いた。
「わたしが徹底していれば、こんなこと ....
連合軍の兵士たちは、小隊ごとに軍団を再編成して、
ナハテ・ガルの砦へと戻っていった。
「これ以上アースランテを追撃してはなりますまい」
そう進言したのは、カイザー・ネルの側近ヤッホ・レスラントだ ....
誰もが予想外の事態が起こった。それをまだ、
アースランテの兵たちや、連合軍の兵たちは知らない。
アースランテの南隣の国、ファシブルが裏切ったのである。
その報は戦場には届いてはいない。

「 ....
「うむ、今は本国の指示を仰いでいる場合ではないな。
 現場の判断が最優先だ」ゴゴイス・リーゲは厳粛な口調で言う。
「それに、ラゴスには民兵どももいるのだ。その数がいかほどか。
 おそらく、三万人 ....
結局、ナハテ・イルヴァの丘へと辿り着けたアースランテ兵は、
三万五千ほどだった。ルブルス河の南岸にいあわせた友軍と合わせて、四万五千。
その間、連合軍による追撃は行われなかった。
双方ともに、こ ....
アースランテの撤退、それはむしろ潰走と言っても良かった。
ゴゴイス・リーゲの率いる一軍は、
密集陣形でヒスフェル聖国の軍団を突き切って行く。
その間にもヒスフェル聖国の魔導士団の攻撃は続いていた ....
ゴゴイス・リーゲの率いるアースランテの一軍は、
ヒスフェル聖国の正規軍に向かって、真っ直ぐと突き進んで行った。
「相手を弱小集団と思うな、強力な魔力を持っていると思え」
ゴゴイスのその言葉通り、 ....
そのころ、戦士エイソスはアイソニアの騎士の姿を探していた。
自国のために、と考えるエミル・アザルとは、一線を画した目的を、
戦士エイソスは持っていたのである。
それはもちろん、アイソニアの騎士の ....
「全員、南進を止めよ。カバルナ・クー・ソランの結界が張られた!」
アースランテの臨時軍団長である、ゴゴイス・リーゲが叫んだ。
「それでは、どうなさいますか?」ゴゴイスの側近が尋ねる。
「西へ向か ....
戦いは混戦の模様に入っていた。そんな時に、
ヒスフェル聖国の偵察兵からの伝令が入る。
「アースランテの軍団長、エリス・ガザンデは戦死した模様です」
「何と? それでは、敵軍の指揮は今は誰が取って ....
アースランテ軍の正魔導士ハミルは、一頭のドラゴンを召喚した。
「まさか! この魔法素子が薄くなっている時に!」オスファハンは叫ぶ。
敵軍は、初めから撤退を決めていたのである。
アースランテ軍は、 ....
そんな時である。オスファハンがヒアシム・カインの光を見たのは。
「これはエインスベルの仕業だ、間違いない」
オスファハンは、騎馬に乗ってエインスベルの元へと、
駆けつける。「今すぐその呪文を止め ....
そのころ、というよりもその少し前、
ヒスフェル聖国軍は、ラゴス・クールラント連合軍の
南西に布陣していた。遊撃隊の役目を果たすためである。
敵兵の数は、こちらの戦力のほぼ倍である。

もしも ....
エミル・アザルに近づいていった数名の兵士は、
ウーラ・フラグによって、命を落とした。焼け死んだのである。
ウーラ・フラグの炎はさらに広がる。
アースランテ軍の兵士はじりじりと後退する。

「 ....
「不遜な言葉を吐きますな。あなたは無双だとでも言うのでしょうか」
エミル・アザルはエリス・ガザンデに向かって話しかける。
「……あなたの命は守ってみせます!」そう言って、
まずは、護衛兵の二人が ....
エリス・ガザンデは包囲陣を完成させまいと、奮戦する。
「見よ、包囲陣の一端に穴が開いている。あそこを目指すのだ」
エリス・ガザンデは、味方のすべてに聞こえるように叫ぶ。
「あそこが、我々の救済の ....
乱戦の戦場では、戦術とともに戦略も大切である。
どこでどの部隊と落ち合うか、そして、どの方面に進軍するか。
アースランテの軍団長エリス・ガザンデは有能だった。
つねに、次の一歩のことを考えている ....
戦士エイソスは数十名の兵士たちをまとめあげた。
そして、敵陣に攻め込むための小隊を編成する。
そこに立ちはだかった者があった。アイソニアの騎士である。
「戦士エイソスよ、久しぶりだな」

ア ....
そんな折だった。戦士エイソスがこの戦場に到着したのは。
「何ということだ。もう、戦端が開かれているではないか。
 それに、我が方の軍勢のほうが有利に見えるが……」
戦士エイソスは訝しみつつ、見知 ....
エインスベルの魔法石はついに砕け散った。
魔法石は、悪しき方向に使われ続けると、消滅してしまうのである。
その様子を、オスファハンは哀れげに見つめていた。
しかし、エインスベルは違う。背嚢からク ....
ヒアシム・カインを放ちながら、エインスベルは笑っていた。
彼女が「カーガリンデの魔女」と呼ばれるようになった契機である。
もちろん、そこには恐れと軽蔑がないまぜになった、
感情が込められていた。 ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
囚われのエインスベル(一)- 朧月夜自由詩1*22-5-26
新たな時代の胎動(三)- 朧月夜自由詩1*22-5-17
新たな時代の胎動(二)- 朧月夜自由詩1*22-5-17
新たな時代の胎動(一)- 朧月夜自由詩1*22-5-16
ライランテ戦争終結- 朧月夜自由詩1*22-5-16
ファシブルの裏切り(七)- 朧月夜自由詩1*22-5-16
ファシブルの裏切り(六)- 朧月夜自由詩1*22-5-15
ファシブルの裏切り(五)- 朧月夜自由詩1*22-5-15
ファシブルの裏切り(四)- 朧月夜自由詩1*22-5-12
ファシブルの裏切り(三)- 朧月夜自由詩1*22-5-12
ファシブルの裏切り(二)- 朧月夜自由詩1*22-5-12
ファシブルの裏切り(一)- 朧月夜自由詩1*22-5-11
アースランテの潰走(四)- 朧月夜自由詩1*22-5-11
アースランテの潰走(三)- 朧月夜自由詩1*22-5-11
アースランテの潰走(二)- 朧月夜自由詩1*22-5-10
アースランテの潰走(一)- 朧月夜自由詩1*22-5-10
それぞれの戦い(十三)- 朧月夜自由詩1*22-5-10
それぞれの戦い(十二)- 朧月夜自由詩1*22-5-9
それぞれの戦い(十一)- 朧月夜自由詩1*22-5-9
それぞれの戦い(十)- 朧月夜自由詩1*22-5-9
それぞれの戦い(九)- 朧月夜自由詩1*22-5-8
それぞれの戦い(八)- 朧月夜自由詩1*22-5-8
それぞれの戦い(七)- 朧月夜自由詩1*22-5-8
それぞれの戦い(六)- 朧月夜自由詩1*22-5-7
それぞれの戦い(五)- 朧月夜自由詩1*22-5-7
それぞれの戦い(四)- 朧月夜自由詩1*22-5-7
それぞれの戦い(三)- 朧月夜自由詩1*22-5-6
それぞれの戦い(二)- 朧月夜自由詩1*22-5-6
それぞれの戦い(一)- 朧月夜自由詩1*22-5-6
連合軍の反撃(十六)- 朧月夜自由詩2*22-5-5

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