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「そして、エランドル様の目的とは?」と、ヨラン。
「すべての神々を抹殺することだ」ライディンゲルが答える。
「人一人を死に追いやっておいて、さらなる悪に身を染めよと?」
「そうだ。エインスベルに ....
「しかし、あなたはエイミノア様を殺しました」
ヨランも、少なからず怒りに駆られている。それまでヨランは、
ドラゴンたちが、これほどまでに高い知識を有しているとは、
考えていなかった。アイソニアの ....
「果たしてそうかな? 我らは、汝らの運命を変えることもできる。
 もし望むなら、アースレジェの全てを支配できるであろう。
 だが、我らとて非道な存在ではない。人はドラゴンを敵と見なすが、
 元々 ....
「そうだ。彼は賢者だった。そして、我らが意識共有体である
 ということも、すぐに受け入れた。彼は世界の平穏を望んでいた」
「そして、虹の魔法石をお与えになったのですか?」
「与えたのは我らではな ....
「はい。それは正しく戦いです。しかも、誤りでありました」
「謝罪をする必要はない。我々ドラゴンは、意識共有体である。
 ひとつの個体が、ひとつの意識を持っているわけではない。
 例え一頭が死んで ....
「すべてはエランドル様が決めるであろう。
 お前たちが平和を求めるに適さない者たちであれば、
 エランドル様はお前たちを排除する。
 話してごらんなさい、我らが{ルビ長=おさ}ライディンゲルと」 ....
「そこで、汝らにひとつの問いをぶつけましょう」
「それは、何でございますか? オーマル様」
「汝らは、戦争というものを、どう思っている?」
「戦争ですか。それは、国と国との争いであり……利益の分 ....
アイソニアの騎士とエイミノアが剣を納めるとともに、
ドラゴンたちの攻撃は止んだ。──一瞬の静謐、と、それは思われた。
しかし、”オーマル”であった龍が口を開く。
「よく思い留まってくれた、旅人よ ....
千のドラゴンは、まさにアイソニアの騎士たちに襲いかかろうとしていた。
この時、剣を捨てることとは、まさに己の死を意味する。
(こんなところで死んでたまるか)という思いが、
アイソニアの騎士にもエ ....
アイソニアの騎士は、一頭のドラゴンを斬って捨てた。
「ぎゃっ!」という悲鳴を、オーマルであったドラゴンが上げる。
しかし、「アイソニアの騎士様。騎士様。ここは対話すべきです。
 ここハーレスケイ ....
「人間が……ドラゴンに変わったのか?」アイソニアの騎士は、呆気にとられた。
エイミノアも同様である。剣の柄に手をかけけたま、その光景を呆然と見守る。
ただ一人、盗賊ヨランだけは、それがありうべきも ....
「さあ、ドラゴンたちが来ました」オーマルは上空を見つめて言った。
「龍どもか! 一匹残らず殲滅してくれる!」
アイソニアの騎士は旌旗堂堂と声音を上げた。だが、オーマルは意義を唱える。
「いけませ ....
「なりませぬ。エランドル様とは、対話すべきなのです」と、オーマル。
「話し合いだと? 俺には馴染みのない方法だな。剣以外に、
 何をもって勝敗を決する手段があると言うのだ。俺は力づくでもって、
 ....
ハーレスケイドにおける一都市、クーゲンドルの街中を、
ヨランたち一行はさまよっていた。一都市? ほんとうにそうか?
そこには見慣れない建物、科学時代の遺構とも呼ぶべきものが、立ち並んでいた。
「 ....
「今一度問う。お前は、わたしに従うか、従わないか?」
「ふん。その結果を見たいのであれば、今すぐわたしを釈放することだな。
 そこに、お前の見たい結果も見えてくることだろう、魔導士よ」
「わたし ....
「ふふ。罪人ごときが何を言う。今、俺がお前に従うふりを見せたとして、
 本当に俺がお前に従うと思うのか? エインスベルよ。
 世界とは、為政者の知恵によって成り立つものだ。理性によってではない」
 ....
「魔導士を殺すだと? どうやらお前はとち狂ったらしいな。
 我が宿敵はアイソニアの騎士。剣だけでも奴を倒せる」
「しかし、お前は負けたではないか。わたしは、
 お前が何を望み、何を目途としている ....
「わたしはお前の拘束を解こう」エインスベルは言った。
「そして、再度クーラスの暗殺を命じる」
「ふん! 命じるだと? お前はいつから国を代表する者となった?」
「この国の代表はクーラスだ。だから ....
「お前は何を知っている?」フランキスは問うた。
「何も」エインスベルは答える──「しかし、
 お前がこのエイソスの妻を誘拐しようとしたことは、知っていた。
 クーラスの差し金なのであろう?」
 ....
「おかしなことを言う。だいたい、なぜお前がここにいる?」
「それは、わたしが牢から放たれたからだ」
「それは誰によって? そこにいるエイソスではあるまい」
「そうだ。エイソスの手によるものではな ....
「ふん。千人隊長でもない一魔導士が、わたしに何を言うのか?」
「お前は虜囚だ。口の利き方に気を付けるが良い」
「口の利き方? 魔導士風情が大層なことを言う」
「その魔導士が、お前を捕縛しているの ....
窓から光が射している。それは、まるで明るい闇のようであった。
フランキス・ユーランディアは、ふいと目を覚ます。
そして、明るい日差しに目を背ける。今は自分に、それはふさわしくないと。
そこへ、幾 ....
「あそこに虹の魔法石があるのだな!」アイソニアの騎士が勢い込んで言った。
「お待ちくださいませ、騎士様。突出されることは……」と、ヨラン。
「ふん。弁えている。戦いとは、味方あってあるものだ。
 ....
言葉しか、綴れないよと言っていた。その言葉すら、手のひらから逃れ。

この痛み、続くのは幾月か。病のなかに、ふと訪れる安らぎ。

階段を降りて、母と二言三言。犯すべくなき、領分があり。

 ....
「おい、何をしている、盗賊。行くぞ!」
アイソニアの騎士が、重い背嚢を取り上げた。
それに従って、エイミノアも重い腰を上げる。
オーマルは、まるで人間ではないかのように平然としていた。

( ....
その一方で、ヨランは別のことを考えていた。すなわち、魔法素子について。
(魔法素子が生き物であれば、いつまでも大人しくしているものだろうか。
 {ルビ魔導士=ウィザム}は魔法素子を自由に使う。それ ....
アイソニアの騎士の憤りも、もっともだった。
彼は、アースランテの千人隊長なのである。それが今では、
ヨランという盗賊風情と契約した身である。いかに、
エインスベルを救うための旅とは言え、彼は支配 ....
再びの危機は去った。シーゲンサの群れはことごとく屠られた。
アイソニアの騎士、エイミノア、盗賊ヨラン。その思いは一つでも、
その思惑は、彼らそれぞれで異なっていた。あるいは、アイソニアの騎士は、
 ....
(予感は的中した)と、ヨランは思う。(もしや、エランドルは、
 このヨースマルテで誰もが魔法を使える世界を目指しているのでは?)
いやいや──そうではないかもしれない。ヨランは逡巡する。
(しか ....
砂の下から現れたシーゲンサが、一行を円で取り囲む。
先ほどのエビ・グレイムほど、シーゲンサは強力な敵ではない。
しかし、屠っても屠っても、シーゲンサは砂の中から現れた。
「きりがないな。こんな時 ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
クーゲンドルにて(十四)- 朧月夜自由詩1*22-10-20
クーゲンドルにて(十三)- 朧月夜自由詩1*22-10-20
クーゲンドルにて(十二)- 朧月夜自由詩1*22-10-18
クーゲンドルにて(十一)- 朧月夜自由詩1*22-10-18
クーゲンドルにて(十)- 朧月夜自由詩1*22-10-18
クーゲンドルにて(九)- 朧月夜自由詩1*22-10-17
クーゲンドルにて(八)- 朧月夜自由詩1*22-10-17
クーゲンドルにて(七)- 朧月夜自由詩1*22-10-17
クーゲンドルにて(六)- 朧月夜自由詩2*22-10-16
クーゲンドルにて(五)- 朧月夜自由詩1*22-10-16
クーゲンドルにて(四)- 朧月夜自由詩1*22-10-16
クーゲンドルにて(三)- 朧月夜自由詩1*22-10-15
クーゲンドルにて(二)- 朧月夜自由詩1*22-10-15
クーゲンドルにて(一)- 朧月夜自由詩1*22-10-15
明るい闇の中で(八)- 朧月夜自由詩2*22-10-9
明るい闇の中で(七)- 朧月夜自由詩2*22-10-9
明るい闇の中で(六)- 朧月夜自由詩1*22-10-9
明るい闇の中で(五)- 朧月夜自由詩1*22-10-8
明るい闇の中で(四)- 朧月夜自由詩1*22-10-8
明るい闇の中で(三)- 朧月夜自由詩1*22-10-8
明るい闇の中で(二)- 朧月夜自由詩1*22-10-7
明るい闇の中で(一)- 朧月夜自由詩1*22-10-7
砂漠の行軍(十)- 朧月夜自由詩1*22-10-7
自由律短歌雑詠(2022年9月)- 朧月夜短歌4*22-10-6
砂漠の行軍(九)- 朧月夜自由詩2*22-10-6
砂漠の行軍(八)- 朧月夜自由詩1*22-10-6
砂漠の行軍(七)- 朧月夜自由詩1*22-10-6
砂漠の行軍(六)- 朧月夜自由詩2*22-10-5
砂漠の行軍(五)- 朧月夜自由詩2*22-10-5
砂漠の行軍(四)- 朧月夜自由詩2*22-10-5

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