荒れ果てた夜を
隠された夜を
打ちのめされた夜を
くずおれた夜を


バラードがレクイエムのように
人気のない街角に流れて
霧に濡れた路上で
二度と開くことのな ....
何かを綴ろうとして感情が一目散
転がり落ちる一日の終わりが
階段のいちばん下で悪い頭の打ち方をして昇天
きちがいじみた断末魔だった
どうしてやることも出来やしない


通信を何 ....
筋道は分解されて散乱して幾つかは紛失した、もうそれ以上今までのことに固執していてはならない、死体を愛すると陰茎から壊死してくるぜ、暴発を繰り返すようになったら終わりさ、ところかまわず撃ちま .... したたかに濡れたひな菊のとなりで
腐り果てた一羽の雀
受け止める土は泥のようで
月の光も届かない
空家と廃屋に挟まれた僅かな路地のことだった
塗り潰されたような目
塗り潰された ....
リコーダーの音色が遠くから聞こえる
折りたたまれた一日を鞄につめて
打ちひしがれた男が国道の端を歩いている
盲人用信号の機械的な音楽
リコーダーの音色が遠くから聞こえる
 ....
真っ逆さまに上昇する夢で果てた転寝は
鼠色の夜更けを窓のそばに連れてきた
手のひらが釘を打ちつけられたように痛むので
ゴルゴダの丘に呪詛を吹きかけた
尖がった唇には幼い ....
俺は一九七〇年に生まれた、鏡川の近くの、へその緒を雑に扱う産婦人科医の手によって―生まれてろくに息もしてないうちに肺炎にかかり、「あの子はもうダメだ」と皆に諦められた、俺はまだヒューヒューとか細い息を .... 動機の無い目覚めと、衝動の無い日常、心肺停止を示すグラフのようなループが、カレンダーを塗り潰して、ぼろきれのように疲労困憊だ、魂が不要な循環、埃のように自分自身は内奥のすみに追いやられる、神風を信 .... 概念上の自動拳銃の引鉄が脳下垂体のなにがしかに風穴を開ける時、眼球はコントラストのバランスを僅かに淡くして、忘れられた観賞用水槽の中の、小魚の死体を含んだ腐った水のような白になる、ゼラチン .... おまえのためのものじゃない、その
激しいギターのうねりも
おまえのためのものじゃない、その
強烈な言葉の羅列も
おまえのためのものじゃない
世界を振動させるリズム
 ....
人影まばらな平日の寂れたアーケイド、二〇時過ぎ
四弦鳴りきらないカッティングで愛をうたう男
暇を持て余している何人かが立ち止まるが
すぐに興味を無くして立ち去っていく


 ....
無が堆積する日常の中で屍蝋化した純朴が
何を見ることもないまなこただ見開いて
呻くような旋律が微かに漂う空間の中を
まだらになって静止している
まだらになって静止している
 ....
全ての詩文を引き裂いたとしても生まれてくるのは新しい詩なんかじゃないさ、魂の触角に植えつけられた古い血が次のセンテンスへの欲望を昂らせるんだ、さあ、いまのおまえのあるがままをここに書き記せばい .... 濃霧のような夜の中で揺らめく影、ぼんやりとした輪郭を辿って…壊死したような思考がまるで要領を得ない文脈を蒸気のように吹き上げている夜の帳、渇いた砂のような身体を壊さないように、胡坐をかいて目の .... 日常に生えふさぼる
魂を刈って過ごした
油断してるとすぐ増える
根ごと抜いてもすぐ生える
恐ろしくしぶとい
恐ろしくしつこい魂
これでいいと思っても
これでいいと思 ....
遠くへと叫ぶ声は、振り返る者を待つことはない、乾涸びた情熱でも、いつか灯る火種を隠しているのなら、持ち続けることは滑稽じゃない、お前の干からびた白骨は、お前自身の言葉で再生されるのを待 .... 狂った夜を漂うのは
他ならぬ俺の宿命
致死量を超える血液が
渇いてこびりついたそんな宿命

栄えず、けれど騒がしい
糞みたいな街の声が遠くに聞こえる
眠りたいのに今日 ....
化石の心が取り憑いた
寝苦しい夏の夜だ
眠りも目覚めも始まらない
首吊り死体みたいな時間だ
脳味噌には粘土が詰まっていて
こねくり回される夢ばかり見る、そうさ
朝でも昼 ....
人は死にます
みんな死にます
老いたり病んだり疲れたりして
どこかへ
行ってしまいます
君だって
僕だって
あそこに居る人だって
テレビの中に居る人だって
穴の ....
これは…
今年の六月のある日
高知県高知市の中央部にある
一件の古い住宅の中で
起こった出来事である…


「軽い気持ちだったんですよ。」
その家の住人、O氏(匿名 ....
「昨日」という
ダストシュートに
投げ込まれた
ままの時間


グラスの底で
震えながら
死を
待っている羽虫


声も出さないシンガー ....
狂ったのは俺のせいじゃない、ただほんの少し、運が悪かっただけ…シンクの中に今日食ったものをあらいざらいぶちまけてから、頭の中に蜃気楼のように浮かんだのはそんな言葉だった、それが、真実なのかどう .... この夜
この場所で
眠ろうと試みているのは
この俺によく似た
なにかであり
見たところ
そいつは
試みに
成功していない


外は小雨が降っていて  ....
夏の星座の下で
コカ・コーラとポテトチップス
行き場を
排除した僕らは
廃棄された遊園地で
誰も居ない遊園地で
こんな歌あったなと思いながら
夏の星座の下で
 ....
あれはそう、蒸し暑い初夏の深夜だった、ちょうど、今夜みたいな…俺は安ワインの小さなボトルをラッパ呑みしながら人気のない路地を歩いていた、ベロベロで…月は無く、といってひどく曇るでもない、なにも ....  では、ぼくの友人の話をします。名前を仮にNとしておきます。明るい、いいヤツでした。Nの実家は県境の山のすごく奥の方で、高校のときから市内に出てきてひとり暮らしをしていました。生物が好きで、生 .... あれは
寒い寒い真冬の朝だった
ある郊外の
数十年前に廃墟と化した
黒ずんだコンクリートの
ボーリング場の駐車場で
不法廃棄された八〇年代の車の中で
暖め合おうとするかの ....
核爆弾のように空は破裂した、ほら、戸外へ飛び出して踊る時だ、色とりどりの花々が新たな世界の誕生を叫んでいる、お前はそこに取り残されて薄暗い生涯を閉じるのか?魂の奥底まで光を当てなければ質感を持 .... 薄汚れた路地を歩いていた、時間は判らず、空は明方のような薄暗さをもう数時間は保っているように思えた、それはフィルムのように誰かの手が届く中空に張り付けられてるのかもしれない、でもいったい何に? .... 鼓膜が歪むくらい丸められ詰め込まれた愚劣な落書きにも似た囁きのあれこれは限られた空間で腐敗し膨張し支配し圧迫し痛烈な痛みを脳にまで届かせる、暴力的な静寂の中で網膜に虚ろを記録し続けている霧雨の午後、混 ....
ホロウ・シカエルボク(1119)
タイトル カテゴリ Point 日付
夜明けまでの闇は果てしなく自由詩8*13/9/22 0:02
もし、そんなことをしたら…自由詩3*13/9/17 0:40
浅黒い日中に突き刺さる鈍重な乖離自由詩1*13/9/15 15:11
一滴の死自由詩4*13/9/15 0:15
キャッチ・ザ・スカイ自由詩2*13/9/11 0:00
観念はあっという間に古びては消えてゆくものだ自由詩3*13/9/4 23:40
半身壊れた野郎、ブン回せ言葉の鞭自由詩1*13/9/1 22:05
どこで、なにが、なにを、すべての疑問は泳がせておけばいい自由詩2*13/8/28 0:10
音の無い時間には血液の足音が聞こえる自由詩0*13/8/17 13:09
おまえのためのものじゃない自由詩4*13/8/15 23:09
君は英雄なんかじゃない (歌うたいと詩人と絵描き)自由詩6*13/8/7 22:53
天国へハイウェイ自由詩1*13/8/4 16:39
ほら、そこで見なれない何かがまた息を潜めている自由詩5*13/8/2 23:55
あらゆるものは砂の数自由詩3*13/7/31 22:08
魂乱刈り(たまらんがり)自由詩013/7/26 23:20
灰の中の目玉自由詩2*13/7/10 23:43
リトル・タウンのデタラメな路上自由詩4*13/7/7 23:58
生きる気持ちは歩く死体の中に自由詩4*13/7/1 11:53
能動的な夜に反射するものたち自由詩4*13/6/25 1:07
地獄の闇ナーベン!! の巻散文(批評 ...2*13/6/21 14:34
遠い空、あしもとの街、懐かしい歌、半睡の日自由詩5*13/6/15 22:05
あらゆるものが性急なスピードでこぼれ落ちていく自由詩4*13/5/31 1:38
いらない夜に自由詩5*13/5/28 3:14
夏の星座の下で自由詩7*13/5/23 0:13
エアコン自由詩4*13/5/19 2:04
人魚散文(批評 ...4*13/5/13 0:28
錆びた世界の朝自由詩1*13/4/29 19:03
Come as you are自由詩2*13/4/13 11:56
呪いの朝自由詩2*13/4/4 17:17
生まれを鎮めるためのなにか (The Collection)自由詩3*13/3/24 16:50

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