湿気た
非常に湿気た
暗い
地下室の夜に
海底の死体の
くぐもった声が聞こえる
最後に沈んだ船の
偽のいかりに阻まれて
どれだけ腐っても
膨れても
浮上出来ず
深海魚の好 ....
120階の屋上から150階の空室の窓に荒縄を結んで気が狂った男が綱渡りをしている
彼の目は落ち窪みもはや世界を見るための確かな光はそこには無い
生まれてから40年近く繰り返してきた言葉 ....
つ、たん、とわずかなタップダンス、軒先を転がるようなリズムがして

時のながれをひとあしおいこして行く


あのひとは、いまごろ猫だろう、思いのほか自由な四肢で世界を掻い ....
退屈に過ぎる日
空は暗く
降るか晴れるか
まだ
決めかねている
約40キロで
狭い道路を抜ける
エンジンの歌の反復
頁をめくったけど、次にはいけなかった ....
音楽を聴いているうちに眠った、PCの中の
ただの信号に変換された音楽
信号のままで感じるみたいに、流して



平静のために
なにもかも閉じられた部屋
夏の初めの勢いに
 ....
俺はなしくずしだ、運命よ俺の髪の先を噛め、俺の髪の先にお前の刻印を残せ
俺はなしくずしだ、溝に鼻先を突っ込んで汚れた水を飲む
俺はなしくずしだ、どれほどさまざまな手口を試みてみても何か ....
どこかのアパルトメントの
窓から下手な鼻歌
握り潰されたマルボロの空箱が甲虫のように転がる
排水溝からささやかなモルツの香り、だけどそれは
はなはだ飲みすぎた誰かの
 ....
苦し紛れに吐き捨てた言葉の中には見るもおぞましいいびつな感情が梱包されていてそれは解かれる必要すらないほどに歪んでいて情けなくそしてあきらかにそうというほどではないのだけれど決 .... 篠田美優
「新しいスタート」


我らがミユタンの久しぶりのニュー・シングルは、
なんと彼女自身が作詞を手掛けている。
近頃では声優での活躍が目立っていた彼女だが、 ....
殺人事件のあった部屋で
終始悲鳴をあげている誰か
飲み込まなくてよかった何か
気にとめないでよかった在りか
眼のかすみだと思い込んで
そこに居た影を忘れた



たちくら ....
仕方がないんだとおまえは言う
ほんとは
そう言ってほしかったんだろ
途中下車、することの恥ずかしさ
おまえが
一番叫んでいたもの



情熱を熱いものだと信じて疑わないお ....
朝露の反射が前頭葉を貫いた
古い文字盤が12時間前から
崩れ落ちてリビングの雪になる月曜日
イエスタデイズ・ペーパーのまだ疲れていない端で
世話焼きな精霊どもが次々と指を損ねる
 ....
それに名前をつけるほど俺は暇じゃない、そんなものは勝手口から外に放り出してなかったことにしてしまえよ、そんなもののことをいつまで気にしているんだ、トウヘンボクめ
気にしなくちゃいけないも ....
青白い空に僕が飛ぶ
青白い空に僕が飛ぶのだ
明け方の淡い夢の様に
暮れ方のカゲロウの羽ばたきみたいに
青白い空に
青白い空に



息をし始めてからこ ....
何かが転げ落ちて紛失
俺の
向こう側の感覚、鮮やかに喪失
失われた概念的な胎内そのがらんどうに
途方もなく哀しい灰色の風が吹く
灰色の風がどこか
忌々しい地域から巻き上 ....
気分としては、まあ
このまま眠ってもたぶんぐっすりと眠ることは出来るのだろうけど


いまこのひととき、二分後には忘れそうなちくちくを
どうにも無視することが出来なくて
 ....
それでも僕が君の手をとるのはきれいな気持ちでもなんでもなく
ただそこに君がいて欲しいからで、つまり
理由がどうのって話じゃないただの僕のエゴというわけなんだ
僕らはときどき流行のドラマを信じ ....
週末で退屈だから
とある国の話でもしようか
そこはわりかし自由な国で
入口はいつでも開かれている
入国拒否なんかめったにない、もんだから
とにかく誰かを捕まえてインネンつ ....
どこへ行くこともなくその空で遊んでいたきみ、クリーム色の雲がまだ少し寒い季節を足早に過ぎていく、そんなエターニティ
綴った手紙の文句は何度もリテイクされた挙句 ....
足元の砂のことは気にしないで、ゆっくりと時間をかけてここへ来て、まるでふたりのあいだにとてつもなく手強いドラゴンがいるみたいなシチュエーションで、この短い距離をあたたかな緊張で満たして欲しい、時刻 .... 遠雷の様な耳鳴りを含ませた渦巻き管があらゆる配列を狂わせる
小鳥の死体がうずたかく積もった廃墟ホテルの階段の見てしまう美
壊れたものはなんだった、コードの切れた黒電話の受話器を耳に当てたら ....
蚤の足取りを辿る形骸化の生業
思考の傷口に沸いた蛆どもが正気を喰らう音が五月蝿い
漆喰の壁に浮かんだ雨漏りの名残が
やがての父母の死体に見えて身震いをする夜
時計の針の様に大人しく生き ....
身体が放つものの速度を計れ、質量を把握して
その持物で、何が出来るかをよく考えな
優劣よりも先に個としてのポテンシャルの、性格というものをきちんと捉えるんだ
それが無 ....
なつが好きなきみ
なつが好きなきみと
コカ・コーラを買って
はるの海に行く




あいにく雨模様で
なみは
テトラポッドを
ひっくり返そうと躍起

 ....
いきをとめた
ときの
ちんもくのなかに


ながく、とじこめた

ひどいこと


ゆるしたくなんか
なかった


ゆるしたくなんかなかった
なにも
なにも
 ....
すべて
いなくなった誰かの写真だった

すべて
風に舞う木の葉だった

すべて
破られた約束ばかりの伝言板だった


すべて



自殺未遂の挙句植物化した ....
おしまいと決めてひとりでながす夜 慣れたアドレス暴れるけれど


見栄張りで 豪華に嘘をついた夜 ショーウィンドウ見るのが怖い


さよならと別れを告げる友だちの 妙に気軽な声 ....
その入口をくぐってはいけない、きっと何も保証できることはない
その入口をくぐってはいけない、きっと満足な心境では
こちらに向かって返ってくることは出来ないよ、なぜか
辺りの空気は静謐 ....
赤い血なんかたぶんうそだろう
ぼくはそれを見たことがない、ぼくはそれを
それを見たことがなくて
頭を掻きながらぶつくさ言ってばかりいる
赤い血なんかたぶんうそなんだ
信じられ ....
あおい蝶だった、たったひとつの
あおいあおい蝶が飛んでいた…暗い、まばたきを忘れた夜に



さむけに痺れる歯茎の中で、とまどう悔恨のこびと、だらしな ....
ホロウ・シカエルボク(1120)
タイトル カテゴリ Point 日付
地下室の水死体自由詩2*08/7/22 0:10
120階の屋上から150階の空室の窓に荒縄を結んで気が狂った ...自由詩1*08/6/18 23:34
猫の記憶自由詩4*08/6/4 1:07
退屈に過ぎる日自由詩1*08/5/31 1:41
音楽を聴いているうちに眠った自由詩008/5/25 23:54
なしくずし自由詩5*08/5/21 21:48
潰れた酒屋の勝手口をノックしているハスキー・ボイスの若い女自由詩4*08/5/18 22:30
形見という概念をどのへんに位置づけるか、それはあんたがたの自 ...自由詩1*08/5/15 18:08
アイドル。[group]散文(批評 ...5*08/5/13 18:04
いまの名前自由詩2*08/5/12 18:13
標本自由詩0*08/5/9 22:22
徐行運転を続ける旧型のブルーバードの不安を煽るような排気ガス ...自由詩4*08/5/1 22:39
それにそれはあっという間に思い出したというだけのものになって ...自由詩8*08/4/22 1:27
青白い空(悟ったからって別に)自由詩2*08/4/19 20:11
ブラッドなんて感覚を決め台詞にするのはよしなよ自由詩4*08/4/16 21:47
みんなでいっしょにがらくただ自由詩008/4/14 0:20
それはとてもめずらしいかたちをしている自由詩1*08/4/12 23:37
MC自由詩008/4/11 22:54
春の日、膿んだ傷みの反芻自由詩1*08/4/9 22:14
けれどももしかしたら砂浜のことを忘れているのかもしれない自由詩1*08/4/7 23:01
二度と羽ばたけない羽なら捨てることもまた飛ぶことだ自由詩3*08/4/1 23:18
自由詩1*08/3/25 23:35
だから教えも踏み抜いた足の数だけ在る自由詩1*08/3/24 22:55
海は雨で荒れている自由詩3*08/3/23 23:35
あさ うたうけど ひとり自由詩7*08/3/18 21:18
思い出せない(いつのまにか死んでしまうものたち)自由詩1*08/3/17 22:04
夜に拠る短歌2*08/3/15 22:32
すみやかなランチ(服はちゃんと着ている)自由詩4*08/3/14 0:43
赤い血なんてみんなうそといううたがあったらどんな顔をしてみん ...自由詩1+*08/3/11 21:48
あおい蝶がまた産声を上げる夜中(そして執拗に水は流れ続ける)自由詩3*08/3/3 21:56

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