もっと暗くなってから
ほんとうの話をしようよ
もっと明るくなってから
ほんとうの眠りにつこうよ


月はメルヘンを抱え込み過ぎて白くなる
太陽は輝きを求められ過ぎて冷た ....
どす黒い流動体の官能的な変化だ、分類されなかったあらゆる感情を生のまま飲み込みながら、軟体動物の様なその姿を次第に巨大に膨らませ、中枢の重要なポイントに禍々しい液体で穴を開けようとする、欠 .... まだ淡い色の枯れ葉が積もる遊歩道を抜けて
偽善的な11月の太陽の陽射しを浴びに行くんだ
口元から漏れるのは20年前に覚えたメロディーと
歩きなれない道が植え付けた荒い息 ....
イラついて
鬱血した脳髄をガリガリ齧りたくて、どうしてもそうしたくて
釘抜きで顎を削っていたら鈍臭い音がして
俺の口腔には脳漿の雨だ
舌の上に降るたびに目映い光が…
 ....
本当の欲望の姿は尖った鉛筆の芯で軽く打った点の様なもので
ともすればまぶたが落ちそうなこんな夜こそ
俺はそいつの姿を見なければならない
死んでいけばいくほど
生きようと ....
曖昧な空間に出来た亀裂の中に身体を溶かして連続する呼吸はまるで推敲の足りない台本の様に不規則だ、何を言っているのかまるで聞き取れないスピーカーの音量に辟易しながら広告をやり過ごす様な時間ば .... 明るいところでいつまでも暮らせない、小さなしるしがなくなれば、ひとは、くらい路地の真ん中でひとり佇むかげになる、ほんのわずか、外界と自分を区分する薄い膜のせいで、聞こえる音が見える世界 .... 赤い時間を舐めつくして
気がつけば愚鈍な夜だ
静脈に蓄積した日常が
腐った果汁飲料の様な
速度で管を滑りだす


時間差的な滑落の連続
連鎖
ひっくり返 ....
くらい匂いのする国境のラインを
冷たい土を抱いたまま駆けぬける世代の
土くれに摩耗したブーツについた名前はプライド
硝煙たちが
演算されるコンピューター・システムみたいに次 ....
きみは眠りすらうしなって
エイギュイユ・クルーズの亡霊たちのさなか
みみもとできこえる音に名前をつけようとして
自分の大切なものの名前をわすれる




密度の ....
「君は自分の脳漿をデザインするんだ」と68歳のミック・ジャガーが新しいチームと共にずっと俺に話しかけている。月曜日の覚醒は雨。追悼の様なぽつぽつとした雨だ。午後に一度上がると思ったのに .... まわりに俺を気にかけてくれる人間が誰ひとりいなかったとしても
孤独だなんて思ったことなんかないぜ
俺はスペシャルな感覚を手にしていて
そしてもっと欲しいといつでも喉を鳴らしてい ....
苔生した石の階段を滑らないように注意しながら、八月の名残にべっとりと濡れた九月初旬の山道を僕らは登り続けていた。装着して三ヶ月になる義足の感触にも君はずいぶん慣れてきたみたいで、隙を見つけては .... 悪くなったアイスコーヒーみたいな街の小さな川で
潰れた空缶が溺死している
ずっと昔のことを思い出す
買ってもらったばかりの
ソフトビニール人形をバラバラにして似たような川に捨て ....
皮膜だけで感知するヴァイブレィション、崩落する外壁の中に
差出人すらすでに忘れた封をされた手紙、ごらんよ
それはもう俺たちの知っている言葉とは変わってしまった
ただ真っ当な憧 ....
オーブンレンジが
動くときに聞こえる音に似たうねり
楕円的な渦巻きの軌道
高いところから落ちて破損した
もう聴くことのないCDとそのケースみたいな一日


テレビの ....
真昼の太陽が照りつける小さな公園で炭酸がすっかり抜けてあまいだけになったぬるいコーラを地雷処理班の様な真剣な表情で飲みほしたきみはぼくの伸びすぎた不精髭に眉をしかめて公衆トイレに走って行った、きみ .... 書かなければいけない、と決められたことには
ギリギリまで、おれは、手を着けることはしない
いよいよ時間がなくなって、おまけに
だらしないあくびが出る頃になって、ようやく、手 ....
汚れた布を剥ぐように一日が終わろうとしている
最後に君は精一杯の化粧をするみたいに
うろ覚えの心を駆使してそうだ
うたを、うたを、つくるんだ

ギターの弦は錆びていて
 ....
誰かの不正を突っつけば
てめえの理性が名を上げる
そんな寝言を信じる馬鹿が
今日も角立つ声を出す
断罪はあらかた
裁く側の罪を
どれだげ棚上げ出来るかという、いわば ....
月曜日

昼休み
コンビニで
メンチカツ
入りの
パンを買い
公園で
前向きに
食らう


いつもと
同じ光景
昨日と
違う蝉
財布の小銭は
明日あたり
 ....
またたくあいだに裏切るような
そいつがいちばん愛おしい真理だ
カット・イン、カット・アウト
見過ごしたものも
見咎めたものも


瞬間的ななにかをあさい傷のように残して ....
愛を説く前に銃を取れ
もう
清い心だけで
乗り越えられる時代じゃない
神は
兵器の値踏みを始めた
軍隊を揃えて
戦略を指揮するつもりさ
愛を説く前に銃を取れ
なにも出 ....
溶解炉からゆっくりと流れだしてくる
ついさっきまでなにかであったさまざまなもの
強い熱が視界をうねらせて
喉を焼く臭いは断末魔さえサイレントに踊らせる
きみの手を取り世界の線路の上 ....
不思議なくらい人通りの途絶えた
日付変更線を待つ中央道路で
鮮やかな羽のカラスたちが
産業廃棄物で空腹を満たしている
表沙汰に出来ない雨みたいな空気
ゆっくりと ....
減光の刹那から始まる気狂いをなだめる為の契約が必要、ショット・ガンが脳漿を撒き散らす幻想、不精の爪で肌を掻いて俺の身体は赤線だらけ、叫びを選択しない衝動は、そう、綿雪のように静 .... 自動世界の歪みに落ち窪んで漏電
浮遊する未浄化のたましいたちが天井に残す曲線は
首吊り縄の正確な模写のようだ
水面の波紋のようないのちの明滅
電気仕掛けとおなじ ....
浅い流れの面が跳ね返す光のように
幾つもの瞬間を網膜に焼きつけて
君は僕の縄張りから消えた、終わりを隠す猫みたいに
夕暮れが最も鮮やかな季節は
いつまでも繰り返すバ ....
あす君のそばへ行きたい
こまごまとした雑事をすべて
片付けることが出来たら
あす君のそばへ行きたい
ざわざわとしたこころがうまくまとまったら
雨上がりのバス停に腰をおろして ....
おれの存在は
ナシにした話みたいなもの
壊れたオートロック
煙を上げたラジオ
真夜中にズレこんで
サイクルをゆがませる
うまく流れたはずの流れ
わずかに残留して
腐敗を ....
ホロウ・シカエルボク(1120)
タイトル カテゴリ Point 日付
準備はいらない自由詩2*11/11/21 22:37
煤けた夜自由詩2+*11/11/20 22:35
もしかしたらそれはさっきの鳥かもしれない自由詩4*11/11/13 22:32
脳男・マストダイ自由詩5*11/11/8 23:13
そうしてこの部屋は留守になる、すべてが—すべてが。自由詩2*11/11/7 23:37
世界にはどうしてこんなにたくさんの音が溢れているのだろう自由詩4*11/11/5 12:32
眠ったままのなかの思考自由詩2*11/10/31 21:49
レネゲイド自由詩2*11/10/24 21:40
アイテム自由詩2*11/10/14 0:13
あたたかい亡霊たちのカンバス自由詩5*11/10/14 0:12
I CAN'T TAKE IT NO MORE自由詩2*11/9/26 16:47
篝火を燃やせ、本当の言葉はメラメラと燃えているものだ自由詩011/9/23 9:59
そして君はもしかしたら鳥になるつもりなんだ自由詩3*11/9/5 23:17
あのときこそがきっと本当に夏だったのだ自由詩4*11/9/1 22:09
俺の一日にはずっと同じ形の染みが記されてゆく自由詩4*11/8/31 1:18
そしてあらゆるものが過ぎ去ったあとを自由詩3*11/8/28 23:20
はちがつ自由詩2*11/8/24 0:11
書かなければいけない、ということについては自由詩4*11/8/15 17:19
夕暮れみたいな明方がかわいた声を探すころ自由詩4*11/8/8 0:16
扇動者自由詩3*11/8/1 15:54
まひるのうた自由詩5*11/8/1 15:33
ジェネレーター自由詩1*11/7/30 0:00
愛を説く前に銃を取れ自由詩011/7/25 21:23
ホワイトで滅菌的なBurn自由詩011/7/18 23:10
なにとなににさよならを告げればいい自由詩2*11/7/15 23:04
愚劣な牙のトランジスタ自由詩2*11/7/6 0:33
邪魔にならないところに放っておいてくれ自由詩5*11/6/28 1:43
ただ、流れてゆくものは行先を見ない自由詩1*11/6/25 22:52
あす君のそばへ行きたい自由詩5*11/6/23 22:22
たどたどしい進法の季節、かさばる目覚めに血を掻いたなにか自由詩3*11/6/20 11:05

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