鼻濁音めいた目覚めが蛭のように耳の裏に吸いつくから俺は三時間あまりしかレムを貪れない、ターコイズ・ブルーの遮光カーテンのひだには読み損ねた言葉たちが潜み、「今度は上手くやれよ」と舌なめ .... きちがいのきれいな歌声が
鞠のように転がる夜明けの街路
途切れた記憶が空気に触れて
朝露となってショーウィンドウでこと切れる
ぼくは眠れなかった
きちがいの歌声 ....
何を言ったって駄目だぜ
お前が
どんな言葉を吐いたって
俺には
あてがわれたイデーにそって
踊っているだけの白痴にしか見えない
だらしなく開いた
唇のはしが拍車をかけ ....
彼女に会うのは二年ぶりになる。声優としての人気が定着し始めた当時、「シンガー」篠田美優としての再起を賭けた入魂のシングル、「Kick Off!」では初の作詞にも挑戦し、「殻を破りたい」という気持ち .... 真夏がアスファルトに喰らいついてる
だらりと垂れた野良犬どもの舌は
桜のころより一〇センチは長くて細い
渋滞気味の二車線に鳴り響くクラクションのブルース
運転席にいる連中はみんなが ....
雷光が俺の胸骨を遊ぶように這うのさ
叫び声は不遇な路地裏に捨ておかれ
雨雲に浸食された魂を救いだそうとポケットの奥深くをまさぐると
黄色く日焼けした汚れた名刺が一枚
記され ....
やたらに愛を歌ったりするやつになりたくない
やたらに夢を語ったりするやつになりたくない
やたらにフェバリッツを吹聴するやつになりたくない
やたらに周りに当たり散らすやつなん ....
リアルの始まりはいつだって白濁に過ぎない、毛髪の根本に仕込まれた飛び道具がわずかに余計な色を添え、36度あたりの赤い水力がタービンを回し始める…ハロゲンライトの灯りはまるで、ちょっとくらい .... 日曜の
午前三時


手足のない男が
金網に入り
手足のある男と
2ラウンドを戦う動画を見る


手足のない男は
手足があるときは
アマレスの
 ....
おれが日中、腰を据えて
ハシタ仕事をやっているところにゃあ
育ちの悪い10匹ばかりの豚が居て
資本主義という餌を食べて肥えに肥えている
無差別爆撃的に身体に張り付いた  ....
内なる獰猛や、不吉な真実、そうしたものが産み出すいっさいの抑揚は、俺の魂のすべてに奇妙な烙印を残す…ろうそくの炎のようなリズム、分かるだろう、それが俺という人間のすべてだ
近くの裏通りをずっと ....
無駄にやたらに生まれてきたのだから
無駄にやたらに死んでいくのはしかたがないこと
この際自殺は承認しましょう
死にたい方はまず家族にきちんと説明をして納得してもらってください
 ....
ふたつの言葉が死んで
ひとつのフレーズが残った
俺はそれを際限なく殴り
本物の血が流れてくるまで待った


稲妻は脳髄を
喰らいつくすように走る
傷みとも呼 ....
六月にはなにも書けない
上昇し続ける温度と
いつでも雨を隠しているような
湿度に
脅かされて
六月にはなにも書くことが出来ない
消化出来ないものを胸の内に抱えて ....
知られずに死んでいった
ひとたちのことや
恐れずに失った
ひとたちのこと
果たせずに手放した
ひとたちのことや
踏み出せず諦めた
ひとたちのこと
ひとことに
 ....
すべてのものが途切れた
俺は寝床で
もやのような昨日までが
流れてゆくのを眺めている
あらゆるものの
スイッチを落とした部屋は
空気の音だけが
反響して

 ....
なにかが息をひそめて
脳髄の暗がりで
いかさまな計画を練ってる
刻々と過ぎてゆく時間
連続する健忘症が
まともに錯覚させてるみたいで
伸ばした脚の指先のあたりから
身体 ....
クリスタルガラスの煌めきの向こうで二五時の世界が崩れ落ちてゆく、お前はなにを見ていたんだい、手を伸ばせば届く距離でかすかにも触れられない何かが俺たちの間にはあった…水槽のエンゼルフィッ .... 君の袖口はいつもあっけらかんと濡れていて、そのせいで俺は今夜も眠りを逃す、眠るべき時間に床を放棄してぶつぶつと詩をこまねいていると、それだけでなにか戻れないところまで逸脱してしまったみたい .... 置き去りのボンティアックの錆のオレンジ
助手席に腰かけたままの
過去を
騒がせぬようにと気を使うみたいに
ゆっくりと
やさしく吹く風
口笛を乗せると
母親を ....
鈍い目眩とともに
やって来る歪な影
暗い夜明けのように
淀んだ白夜のように
めくれた上皮みたいな気分が
敷布の中から身体を捕らえて
煮物が駄目になるときのような ....
子供の様に
廃れて
横たわる夜
鬱蒼と
茂る狂気
道を
はぐれた
野良犬の狂気
もんどりうっては
まともな振りをする
夜、夜、夜、夜、夜夜
欠けた前歯が
捕 ....
強い決意が悪い事態を引き寄せる
そんな歪な予感を含んだ朝
煩いほどの太陽が空にあったが
ウェザーニューズは後雨だと告げていた
構ってる場合じゃない
濡れるか濡れないか分からないよ ....
内臓に潜んだトリガー、獣のスタイルで被膜に風穴
傷物から逃げ出した血液が吐き出される夜
瞬間、自分が霊体に変わるみたいな
肉体の感触を惑わせる冷汗の数
ストレイトな衝撃以外 ....
雨の向こうに跳んだ蛙は言い残したことがあるみたいに俺を振り返った
機械のような冷たさをもった四月半ばは昏倒した老人が見る氷の夢のようで
増水して喚く小川の流れは叶わぬ夢に執着し ....
それは誰かにとどけ忘れた
たとえるなら即効性の
殺意みたいなものによく似て
河原で骨になった
後ろ足が一本欠けた猫の
雨に洗われた眼窩の悲しさによく似て


真夜中にだけ客を探す
 ....
個体であることが煩わしいなら
生皮を剥いでなにもかも垂れ流せばいい
おれはおまえの内にあるものと話をしてる
おまえがどんな生のリズムに翻弄されていようとも


ひとつの ....
膝の皿を皮ごと穿孔して
瓜の種をひとつ植えた
わたしはもう歩くつもりがなかったから
そこから綺麗な瓜が
生えてくるといいなと
わたしの身体には土がないので
わたしの ....
障子越しの陽の光が、やわらかな色味に変わるころになると
あのひとは楽しそうにわたしを呼びつけては
「春を描け」とねだるのでした


わたしはあなたの枕の横に ....
エイト・ビートを告げるカウントの
ワンとツーの間に落ちたものを探す
飯を抜かれた犬のように
鼻先をヒクヒクさせながら


裏通りで寝そべった時に見上げた釈迦の掌は
光化学スモ ....
ホロウ・シカエルボク(1119)
タイトル カテゴリ Point 日付
デッド・フラワーズ(7の月)自由詩010/7/21 16:14
まるでおだやかな宿命みたいに自由詩3*10/7/20 22:09
雨の音がメトロノームみたいに聞こえる自由詩0*10/7/11 10:34
アイドル2[group]散文(批評 ...1*10/7/8 22:19
ブルースは熱と湿度で少し間延びしている自由詩2*10/7/4 13:00
多忙な週末自由詩1*10/7/3 23:24
スピリット オブ ゴースト自由詩2*10/6/30 23:16
まずまず自由詩1*10/6/29 22:13
日曜の午前三時に自由詩4*10/6/27 3:42
育ちの悪い10匹ばかりの豚自由詩1*10/6/23 17:47
黒い猫は巨大な鳩時計を自由詩1*10/6/22 17:37
バンビを増やし続けたのは誰だ?自由詩4*10/6/15 16:56
誰も嗅いだ事のないいかがわしい臭い自由詩2*10/6/8 0:06
六月にはなにも書けない自由詩5*10/6/7 1:18
誰かの葬送自由詩5*10/6/5 0:02
真夜中、もやのように消えた昨日までとハエトリグモの文学性に関 ...自由詩5*10/6/1 21:42
不成仏霊、今日も見果てぬ河岸を自由詩1*10/5/16 16:50
JOY自由詩1*10/5/13 22:36
眠くなるまでやったなら我慢して寝るしかない自由詩1*10/5/11 3:03
Many Rivers To Cross自由詩1*10/5/10 22:34
明方、その暗がりに自由詩3*10/5/6 22:17
血の色、レッド自由詩010/5/4 0:26
途中経過自由詩1*10/4/26 16:56
ないよりマシ自由詩1*10/4/26 0:01
判っているんだけどどうしようもないってもんだよ自由詩2*10/4/18 22:25
夏が来ますよ自由詩4*10/4/15 21:49
ペインキラー自由詩1*10/4/12 22:52
赤い瓜自由詩1*10/4/10 17:14
自由詩5*10/4/8 16:50
ドーナッツ自由詩2*10/4/5 16:06

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