天井の亀裂につけられた名前は俺と同じだった、衝動的な絶望が蝗の群れのように襲い掛かって来る、大丈夫…少なくともそれには鋭い歯はついてはいないさ、午後、化粧板を張り合わせた室内ドアのような、午後…俺 .... 聞いた話によるとそこはもう数十年も前から打ち捨てられた廃屋ということだった、縁がすっかり落ちてしまった扉はしばらくぶりに開かれた重みに耐えきれず落ちてしまった、おかげで危うく怪我をしてしまうところ .... お前は詩を読んだことがあるか、あるいは書いたことがあるか?自分を自分たらしてめているものについて、衝動的に言葉をぶちまけたことがあるだろうか、身体の中心から、お前自身を引き摺り出そうと試みたことが…言 .... 身体はいつしかカサカサに乾き、指先から紐が解けるように崩れ落ちていった、それは一瞬のことだった、それが死というものだなんて思えないくらい簡単な、あっけない結末だった、そのせいかどうかは知らないが、 .... カタコンベの中でしりあいを探す夢を見てた夕方のうたた寝、目覚めの為に入れたインスタントコーヒーはどこか素気なくて、俺は、さらに首を伸ばすのかそれとも殻の中に戻るのかと悩んでいるカタツムリのような気 .... 凍った湖面が反射する太陽のような兆し、隙間だらけの部屋の中で俺は、雪崩のように落ちていく古い数々の感情を見ていた、時間の仕切りというものが皆無で、そこは過去でもあり、現在でも未来でもあった、真理と .... 何も始まったりしない
何も終わったりしない
俺たちがその時々で
都合のいいものを拾っているだけなのさ

凍てついた街路
野良猫の悲しみが
センターラインの上で真っ二つに裂ける深夜
 ....
泥にまみれた古い金貨を
拾い上げて水溜りで洗った
鈍い輝きは人々が
はるか昔から同じ夢を見ているのだと歌う

そいつをポケットに入れて
自然公園のベンチに腰を下ろし
出鱈目な口笛を吹 ....
サーカスが過ぎ去った後で、俺の網膜に刻まれた鮮やかな灯りの記憶、操り人形の、唯一糸のいうことをきかない、閉じて固まった指先の―指し示す空虚、薄れてゆく黄昏の中に目まぐるしいばかりの、消化出来ない過 .... その日、ボロアパートの一室に帰って来ると、玄関のドアを開けてすぐに、花が一輪投げ捨ててあるのを見つけた。俺は一人暮らしで、花などには興味がない。従ってこれがなんという花なのかもわからない。花を持っ .... 秋の三連休が明けた月曜日、その日の仕事を片付けて帰りの電車に乗ろうとしたら駅は酷い人込み。ああ、またかと思った。人身事故のため遅れております、とやっぱりの表示。駄目もとでホームに降りてみると撤去作 .... わたしは古めかしい歩兵銃を抱えて焼け野原に立っていた。敵と味方の死骸がアザラシのようにそこらに転がって膨らんでおり、鼻腔の奥や喉に針金を突っ込まれて掻き回されているかのような猛烈な臭いが漂っていた .... 幼い中身に釣り合わぬプライド
ご都合主義のリアルでっち上げて
半径五十センチ以内の総統
自己満足で貫き通すライフ

ライツ・ナウ
おまえはチヨットヴィシャス
勝てない喧嘩は大人の対応 ....
ぼくにしてみればそれはとても上手く行っているように思えたし、彼女にしてもそう考えていると感じていた。でも、こうして突然ぼくの前から消えたということはきっと、ぼくの方になにか問題があったのだ。そこに .... 無音の川の側に立っている、辺りは夜のように暗い、だが、夜なのかというとそうではない…なにか異常な理由があって、夜のような闇が演出されているという感じだ、根拠になるようなものはなにもない、ただ、そこ .... ツクツクボウシが啼きそびれたみすぼらしい晩夏からそのままスライドした秋の曇天は、思考回路が壊れた若い母親が道端に投げ捨てる紙おむつの色合いで、ホームセンターのワゴンから掴み取ったスニーカーの靴底は .... その日わたしはどうしても部屋のライトをつける気にならず、小さなテーブルの上の灰皿に蠟燭を置いて火をともしていた、そうして、ソファーにもたれて南米のリズムのようにゆったりと揺れる火を眺めていた、脚を .... 本当の破壊衝動はいつだって自分自身のはらわたに届く衝撃を待ち続けているものだ、それが芸術の本質だと言ったらお前はどんな顔をするだろうか、そこにどんな答えがあろうと俺の認識が歪むことはないだろう、な .... 断続的に途切れる眠りの中で意識は夢の中で迷子になった、天井が、壁が、床が、ねじの回転によって歪められていく、鍋の中で粘着いていくカラメルソースのような渦の中で、内臓になにかが捻じ込まれるような感覚 .... 内奥の、混沌の回廊の中でフォー・ビートで蠢く魂はもはや臓腑だった、身体的な意味でのそれとは違う心臓を持ち、不規則な鼓動を鼓膜の辺りに打ち上げ続けた、だから俺はそれを書き留めなければならなかった、な .... 激しく降り注いだ
雨は
想い出と共に路面で弾け

君は
二度と引き返せない
短い言葉を

鋭利な刃物の
ように
差し出した

雨が上がった後
僕は一人だった
古い
探 ....
あの女が高速脇の電波塔のそばで折れるほどに自らの首を切り裂いたのは、フェデリコ・フェリーニが運命の脚本を閉じた日だった、抗鬱剤を浴びるほど飲んだ上での行為だったと聞いた、くだらない真似をしたものだ .... もう目覚めた気がするから、余計なものは捨てちまって構わないんじゃないか?集積場に投げ込んで、火がついて燃えていくさまを燃え尽きるまで眺めて、あとはなにもなかったみたいに生きることだってアリじゃない .... 奇形の、巨大な水晶の中で、自分同士の殺戮劇を見てる夜、それぞれの雄叫びと断末魔は奇妙なほどに歪んでいて、けれど要因がどこにあるのかということは理解していた、だから地縛霊のように部屋の隅に沈殿してい .... 放熱の先にあるものは静寂ではなく、更なる放熱だった、そのことを知った時俺の心中には、喜びと悲しみが同時に訪れた、おそらくそれが生きてる限り延々と続いていくものなのだと瞬間的に悟ったからだった、昂ぶ .... 静かな時計が刻む時間はいつだって死んでいる気がする、死体の時の中で焦点のない日々を生きて空を見上げるころにはいつだって太陽は姿を消してしまっている、ヴァンパイヤのような一日の始まり、でも夜通し起き .... 深紅の、極細の線が無数に、ありとあらゆる方向に投げ出された髪の毛のように散らばりながら作り上げた景色だった、びっしりと重ねられたその隙間を縫うように、白く、心許ない、かろうじて人のかたちであるかも .... 地面に落ちた配電盤は鈍器で何度も殴られたかのように、陥没の挙句にあちこちが断ち切られていた、俺はそれを見下ろしていた、もう何時間も…夏だったが湖に近いその場所は薄ら寒く、薄っすらと霧に包まれていた .... 心理の奥だけで生成される言葉がある。

それはおよそ会話の中で表現されることのない領域であり、わざわざ潜らなければ掬い上げることなどまず不可能なものである、深海魚のようなものだと思ってもらえば ....
亡霊どもの集まる夜を待って、冷えたジンの酔いと性格の良くない音楽、クルーエル・ワールドに迷い込んだ、美しい世迷言と意味の無い羅列のパレード、心臓が不規則に血液を飲み込んでは吐き出す、人生の意味なん ....
ホロウ・シカエルボク(1119)
タイトル カテゴリ Point 日付
炎は繁殖期の蛇のようにのたうっている自由詩1*23/2/20 21:44
なにかを考えるとき、もう時計に目をやることはないだろう自由詩2*23/2/12 16:26
ブラッド・メイクス・ボイス自由詩3*23/2/4 23:25
ある日、なにもかも塵のように自由詩2*23/1/24 22:02
壊れてからがとても長い自由詩1*23/1/16 22:23
verification自由詩2*23/1/9 14:33
ニュー・イヤーズ・バット・オールド・イヤーズ自由詩2*23/1/2 21:53
幽霊は死なない自由詩4*22/12/26 22:23
自由形のパレード自由詩1*22/12/18 15:09
どうか咲いていて散文(批評 ...4*22/12/12 18:04
秋のホーム散文(批評 ...1*22/12/5 22:57
終戦記念日散文(批評 ...2*22/12/4 15:25
チョットヴィシャス自由詩022/11/28 13:20
はじめから手遅れ散文(批評 ...3*22/11/21 14:40
反動自由詩2*22/11/14 16:22
剥き出しの鉄を打ち鳴らす自由詩2*22/11/6 16:24
完全な闇が取り払われるとき自由詩2*22/10/31 0:02
欲望のもとにすべては引き裂かれる自由詩2*22/10/24 21:57
深紅の繭が孕む熱が自由詩2*22/10/18 22:35
ノイズまみれで抗え自由詩2*22/10/17 16:03
LOST MY PROOF自由詩1*22/10/11 21:17
ジェネレーション・テロリスト自由詩1*22/10/9 12:57
風の中の網膜の疼きを自由詩1*22/10/3 16:39
莫大なメニュー自由詩1*22/9/24 10:16
振り返ればそれは真直ぐな道自由詩0*22/9/19 22:23
静かな時計が刻む時間はいつだって死んでいる気がする自由詩1*22/9/16 22:07
ランド・オブ・ザ・デッド(黄泉の国)自由詩1*22/9/14 22:51
長い漏電自由詩1*22/9/13 21:01
Free自由詩2*22/9/11 22:13
リアリティ・バイツ自由詩2*22/9/9 23:37

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