(…)当時、彼は父の農場で働いていたポーランド人の女中を愛していましたが、夢想のなかで自分がこの美しいひざの上に、女中となった聖処女のひざの上に坐っているのだと想像し、女中を聖処女に混同しているのでし ....
子供がひとり
園庭の松の木の半ばに
枝葉の中に隠れるように腰かけて
松葉相撲をしていた
何度も何度も
敗れた方を空中へ散らし
亡骸を見送る
間もなく次の葉をむしり取り戦わせる
何度も何 ....
{引用=「お金」
お金のようになりたい
お金を沢山欲しがりはしないが
お金のようになりたい
「あなたに」
なにか言おうとして
だまる
そんな事たくさんあったでしょう
ぼ ....
もげてるから
落ちていたから
拾った
もとに戻そうということでいいのかな
そんな簡単なこと?
誰かのもげた心の一部
手で持つとしくしくしてあたたかい
生きてるから色々難しいのだ
もげて ....
お前はバイト終わり
ロッカーで待ち伏せした
ロッカー室を抜けなければ
外に出れなかった
お前は子分を連れてドア毎に人を配置していた
次の日お前はビルの入り口で待ち伏せして
それも何人も ....
この世の想わず一気に澄んで
夜を覆いうねり拡がるビロードの
見えず聞こえず只々観える聴こえる
私の内に 私の思考であると共に
この世界宇宙の思考する
男を忘れた時
生きる力を失う
女を忘れた時
生きる美が消え去る
中身も外見も大切に
この道を歩んで行きたい
糖尿病のやつが俺に言った。
「好きなもんを我慢して長生きするより、食べたいもんを食べたいだけ食べて、早死にする方が良い」
ごもっともだと俺は笑った。考えたことがあるかい?何のための長生きで、何のた ....
人と雲の間に
天使の梯子
それは天国が空の上にあるという
印なのだろう
人は届かないと知って
空を憎み始める
何故だろう
それは空のせいじゃないのに
美しいものは皆空にある
....
ゲジゲイジュの姫君は百たりて笑い転げ こらえきれずに突っ伏してなおも笑った
もうしぶんのない美貌が指揮者を射止め 彼女の胸にオーケストラを響かせたから
そのハーモニーは格調ある百の手を揃え ....
汗で化粧が剥げてしまうから
簡単に済ませていた夏
だから秋は丁寧にメイクする
朝の気怠さで
まだ曖昧な輪郭の私は
鏡に映る私という存在と
ゆっくり呼吸を合わせていく
....
突然のことで
あたし顔が非きつった
契約更新無しで終了
長期勤務を求めていたくせに
あたしどこか悪かった?
仕事丸投げ嫌だったから
派遣会社を通して言ってもらった
それがいけなかった?
....
一年に一回するかしないかの化粧
去年買った化粧品は
10年くらい使えそう
ちゃんと痩せて
ちゃんと化粧したら
綺麗だよ
と、言ってくれるひとも居はするが
何でそこまでしなきゃいけ ....
『大谷翔平』って
名は体を表わしてるなぁ、と想う
体も気持ちも『大』きいし
けっして奇を衒わず『平』らかな王道を
『翔』ぶが如く駆け巡る雄々しい王のよう
『谷』に落ち込んでも去年 ....
そういえば、さいきん雨宿りをしてないなぁ
雨の降りはじめの匂いってあるでしょ?
ちょっとだけレモンの香りみたいな
ウソウソ、カビの匂いに似てる
ウソウソ、ま、雨の匂い
それが ....
ドッグ
イヤ
かざぐるまの
支柱に伝えるふるえは
みずから滅びる美学
勿体ないむだむだむだ
爆音とともに散った0
青春の物語り
はるかむかしに
ほんとうにあったこと
....
頬杖をついて
窓から夏が終わる頃の風
リモコンが息絶えた
まだ若かったのに
もうチャンネルを
変えることもなくなった
言葉にすれば
命は軽くなる
そんなことばかり
いただ ....
秋、ひとつ
秋の夕べは鈴虫が鳴く
静止する赤トンボをぬらす
虹かける公園の噴水を
ながめ芝生で寝ている
少年のとまどいを笑顔にかえる
木の枝に吊るされた果実より
甘ったるい嘘みた ....
論理的思考というものが
一度の入院で
えぇ、砕け散りました
詩にとっては
よかったかもしれない
奔流するイメージさ
ときに愛に基づき生きる
れば戦争は止まないか
実は殺 ....
秋風が記憶を連れてくる
夢の中の貴方を手離し難く
朝の寝床から起きあがれなくなる
福島駅で別れてから
毎秋そう
別れを告げたのは私だけれど
きっと神様が私を
貴方から遠ざけた ....
みんな気がついてるかな
心の中に宝物があることを
それはカタチでもないけど
隠れてるわけでもないけど
盗まれるものでもないけど
だから、気がついて欲しいの
心の ....
私には分からない
人間という生きものが。人間とは、
理性のある存在を言うのだろう
とは思う 思うけれど
果して人間とはそれだけだろうか
人間
人間の心には、そもそも
醜く汚い部分もあり
....
思い切って髪型を変えたのどう思う?
こっそりアイシャドウ変えたの気づいてる?
何か言ってほしい
あなたの好みでなくても
ふとしたとき思い出す
あなたとした何気ない会話
目の奥が笑ってい ....
あ、季節が変わったなと
皮膚がおもう
湿度を手放した風が
腕の産毛に触れて去ったあと
なつかしい秋を感じた
蝉のいのちは地の下へ
コオロギの鈴と入れ替わる
空も変わった
こんな ....
限り無き深みから浮き上がって来る
透明に澄んだ水音を聴いて居る折
天空の果てしない青、只々アオ
肉身の落下と共に目覚める魂の
自らの時の瞬間切り開き
ステージ上がれば上がるほどに
ステージ ....
「お客様は神様です、とりあえず」とは
店長の口癖である
それって昔の歌手が
別の意味で言ってた心構えのことで
「お客様を神様とみて、歌を唄う」の曲解だけど
「とりあえず」をつけることで
僕 ....
河鹿の声に包まれて渓流に溶けてゆく
川の水は冷たく命を運ぶ
日曜日山の中で考えた
あの日のことや
これからのこと
父の声が天から聞こえ迷うなと
相変わらず強引だなと笑えた
山道を秋の空気 ....
僕は何かを書くことで
夢を見る 同じ でも
ノートの上にないものを 僕は
そこに知ることで
それが無いのだということを
さっき食べたもののように
言葉としてだけ残されたものを
改 ....
都会は僕を識別し
演技力を測っては
僕に役柄を与えてくる
役柄を違えてみると
鋭く二度見しては
ため息の様な空気を漂わせる
壊れかけた夜空に月だけが浮かんで
寂しさの行き場を ....
クスリと酒の力を借りて
夢現になることで
今日を先送りして
明日を忘れる
幻の中では
あの人は
あの人のまま
涼しく美しい横顔で
微笑んでいる
俺は呼びかけるが
声にならない
....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
0.24sec.