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夢から醒めた 夢を見てた あなたの夢だよ
悲しくて
弾けるように 窓を開けて
都会の朝 吸い込んだ
夢を見たくて 夢から醒めて あなたはいないよ
寂しくて
....
新しいお薬が出来たよ
森の妖精医院から
真夜中に声が響き渡る
眠っていた虫たちは目を覚まし
サルスベリの木が揺れた
星の欠片を粉にして
天の川を一滴
ミツバチから甘い花の蜜
最 ....
暮れかかる
今日の光の煌めきを
一人立ち尽くし
見つめている
今日という
奇跡の余韻を浴びながら
〈明日はもう来ない〉と
貴女の呟く声がして
暮れかかる
今日の光の煌めきを
....
シトラスの葉から
落ちないように
無重力の赤ちゃんが歩く
柑橘類の血を吸って成長する
妖精が蜜をたくわえた花を
森に咲かせて待っている
蝶は知っているだろうか
妖精は教えるの ....
仕事を終わらせて帰宅しても
疲れていない体が欲しい
ビタミン剤や黒酢ニンニク
そんな手だてはもうイヤだ
恋の炎 燃やしてみる?
古い日記に潜んでた私の恋は
熱かったね
ここ ....
風に乗り
真夏の匂いが立ち込める黄昏時
草葉に注ぐ夕日と影
蜩の声は{ルビ空=くう}を舞い琴線に伝う
目に映るもの
聞こえる声
とり巻く全てのものに心惑う夕暮れは
束の間 平和だった幼い ....
強靭な魔力がやどっているのです。
響きよ、お前は美しきものなり。
指ではじかれた魔法。
ダイヤモンドの輝きが、にぶくなるほどの息。
妖艶なたたきこみがくりかえされる。
疎外された孤高の存在。 ....
夜はクジラのお腹の中だ。
静かな夜ほど、多分そうなのだ。
英雄とは母から強く愛された者のことだ ─ ゲーテ
虎の匂いしかない
泳げないきょだいなきょうだいがきょうだいな海に飛び込んだ夏
裸足で夏草の深い抜け道を抜け
踏み板が腐って外れ ....
光が渦巻いていた
熱風が絶えず吹いていた
人々は絶えず歩き過ぎ
俺は串カツ屋の前で
アイスコーヒーを飲んでいた
とても苦い味がした
身体が熱く飢えていた
生きることに飢えていた
す ....
一円玉の数だけキスしようよ。
豚の貯金箱、叩き割っちゃおうよ。
弱い負け続きの意思を晒して
なにをどうすれば最善と思う?
真っ青な嘘の太陽に近いのは
エアコンの効くワンルームのベッドで
あなたがいない鏡にうつる私。
呼べば応えてくれる大嘘や
あ ....
竪琴を抱え
星の間に立てば
亀の甲羅に響くのは
繰り返し呼ぶ
あなたの名前
今なら自由になれる
早く私を捕まえて
遠くへ連れ去って
一万二千年後にはもう
北極星になってし ....
ナトリウム灯も消えたままの
古びた跨線橋の下
あなたと出会ってから
夏休みの落書きが増えていく
「おはよう頑張ってね」の文字
「おつかれさまでした」の文字
すれ違い ただ文字だ ....
隠れ家のような住み処から生まれるものたちの
軽やかなでんぐりがえし
ひんやりとした土間をころがり 野原に消えていくものたち
わたしの貧しさが豊かさにてらされたものではなく 煤けた壁やゴザ ....
思い出の欠片も落ちてはいない
生まれて初めての南の島
君はそこで何を探したのだろう
たなびく細長い雲に薄くスライスされながら
溶岩のような輝きを溢れさせ沈んでいく
座間味の濃い夕陽
崖 ....
とうとう
宇宙の銀河へと旅立ちました
夏の暑い日にゆく道は
かなへびが虹色にかがやき
空には蝶やとんぼが舞い
山鳩が見送りました
たかさごゆりがお辞儀をし
芙蓉の花が揺れました
....
夏には何かと、ソウゾウしい何かを、
そんな何かを、心待ちにしたりして、
自分の時間を、費やしたりしたりして。
昼寝でもすればいいものを、
遠くで鳴っている雷 ....
天の川を飛ぶように
命を燃やす花蛍が咲く
川底に積もる金箔の羽根
銀河の中心で弓を引くケイロン
ゆっくりと天の川に分け入り
予言の唄を口ずさむ
薬草を金箔で包み
願いを込 ....
夢から覚めると
現実に囲まれる
自分の中にあるものが
現実になって現れる
自分だけの人生
ポジティブ思考が
良い現実を生み出す
豊かな世界が
現実というキャンパスに
描か ....
気まぐれな茜がぽつんとある
ビルの眩い窓群と添い寝したのだろうか
届き来た真南風と溶け込んだ私が
なぜだか コンクリートの上で見ている
産まれたばかりのコンビニ袋も
真っ赤な陽を孕み
あか ....
ぼんやりとしている意識が
連日の猛暑に洗われて
とめどもなく広がっていくとき
病院の中庭で
熱風にかさこそ転がっていく枯葉よ
お前の姿が妙に懐かしいのは何故?
意識のヒューズがとん ....
夏草たちよ
どうしておまえは
笑っていられるのか
名前も知られず
見向きもされず
気づかれずに踏まれ
庭に咲く花の仇のように
抜かれてしまうというのに
なぜ笑っていられるのか
....
ぼくらはキャラ作りに必死で、かあちゃんをもとめている。
ただかあちゃんは来ることがなくて、夢の世界で会うことが精いっぱい。
生きて死んでのくりかえし くりかえし。
自己完結型の物語が巷にあふ ....
月に光る草を見つけた
君の持ってきたビニールシートが
魔法のように浮き上がっていた
口では言わない言葉の
墓場のような気がしていた
お互い様かもしれないが ....
性急な紺碧が
ときおり、夕立と入れ替わりながら
ニュープリント版のような
景色を塗り替えていく
おれたちはコカ・コーラ・ボトリングの
罪深き赤色に寄りかかりっきりで
ラジオのキャスター ....
青空を集めて
搾って染めた花
緋衣草と呼ばれた妖精と
セージと呼ばれた妖精が
二人並んで黄昏の浜辺を飛ぶ
ハマナスの花を覗くカモメ
西の国へ帰る夕日
ブルーサルビアの ....
花束と折り鶴が
そと風に揺れ
すべて
やさしく包まれるよう
赤い辞書の
その辺りに夕焼けが
君の夕焼けが
挟まれていて
いつまでも
「あの頃」なんて言っている
花梨も僕も
....
夜空の軒先に
小さな火が灯る
真夜中のベランダに見える
タバコを吸ってるあなたの影絵
一瞬見える頬の輪郭が懐かしくて
ゆっくりと歩いて過ぎていく
星を見ているの?
それと ....
夏の汗ばむ憂鬱が
青い大空に溶けていき
肉感的なこの季節を
今日もまた掻き回す
物憂げにゆっくりと掻き回す
私の双極性障害は
このもったりとした視界のなか
ふるふる震え記憶を辿る
....
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