すべてのおすすめ
ぐっと空気を、背骨が開く、奥から、丸く、盛り上がる
身体的な構造が、喜びなら
感覚は、恥部だろうか
神経は、管で、感覚を開くくさびだ
喜びがつくられたものなら
この身体的な喜びの感覚は
開 ....
雲、流れ
流れ、雲が空をいく
ぽっかぽっかり青を裂き
気流の鳴る音、響かせて
澄み切る初冬の夕暮れに
荒れる呼吸を収めては
私の宇宙を横切って
流れ、雲が空をいく
....
柿が自らの重みに耐えかねて
落下するのはいつだろう
近くで見れば黒ずんできているが
遠くからなら変わりなく
まるく楽しい色を放っている
俺は葉の落ちて実だけになった
この柿の木を美しく思う ....
スパゲティの判決
噛んだ飴で口を切った
午前零時半の雨が頬を打った
熱を冷まして
爪先に手が届いたら
復讐に出掛けたい
割り勘で食べよう 君はなにもしてないけど
愛にはもう何もできな ....
ゆっくりと歩く蝸牛
それで
どんどんと黄昏の国が過ぎて
宵闇せまる暮らしの中で
わたしも
立ち止まったままの
蝸牛
さまよえる
迷子
冷たい風が
「シッ!」
っと ....
中村くんとは小学二年のクラス替えのときに出会った
中村くんは絵の天才だった
井の頭公園で学年写生大会があった時に描いた彼の孔雀の絵
僕はそれを観せてもらって圧倒された
画用紙から今にも跳び出し ....
回転台の壊れたヒーター
この部屋を暗室にしているカーテン
うまい嘘をつく季節風
渡すのか
渡すべきか
この使いきれない肉体を
その本質さえ死なぬ我が魂を
一つの手がわたしたちに所属する。
ありふれた闇のなかで。
わたしたちはレベリオンを目指して、
レボリューションを目指さない。
哲学者や詩人のようには、
決して語り得ないわたしたちの抵 ....
暗い空を
赤いランプを点滅させて
飛行機が飛んでいる
私はそれを地上の片隅で見ている
空をゆく機械鳥
乗客やパイロット
キャビンアテンダント
あんなところにも人がいて
呼吸をしたりして ....
ヨラさんは小児麻痺だった
ヨラさんはよく笑った
ヨラさんはそのたび涎を机に垂らした
ヨラさんは頭が良くてクラスでいつも1番だった
僕はヨラさんを笑わせるのが好きだった
僕はヨラさんの涎を ....
ふたたび目覚めたときには
世界は様変わりしているだろう
おまえは目を見開いて
そのひとつひとつを心ゆくまで確かめることだろう
進化の過程に
われわれは必要ない
疑似餌を食らった ....
熱狂する人々
風船が飛んで空にあたる
紙吹雪のむこう
遠くの人の目の中をみていた
パレードがはじまるよ 全部捨ててこっちにおいでよ
ここでふたり 立ちすくんでいよう
崩れる時が一番美しいも ....
小學校に上がるか上がらない頃でした
ある日の黄昏時
お須賀ばあちゃんは便所で倒れてしまいました
凄い音がしたので
孫の私が見に行くと
お須賀ばあちゃんは横倒しになっていて
小刻みに体が震え ....
その墓はアフリカ大陸が視える小高い丘にある
だけど墓地ではない あるのはその墓だけ
その墓には埋葬された彼の名前も
1894.5.27に生まれたことも
1961.7.1に亡くなったことも彫 ....
透明に見える水が本当は青色だって知ってた?
真実を見抜くその瞳も
本当は透明なんかじゃないんだよね
わたしがその事に気付いた時
君は動揺を必死に隠そうとしていた
その瞳に色を宿して
....
雲をシュレッダーに掛けたように
雨が降り出した
空に磨かれて
美しい雨が
大声でなくように
産まれるように
時々買って読むポエム雑誌
人それぞれの詩の世界
自分にはない世界
色んな環境やそれぞれの感性
似た世界があっても何処か違っている
読んでいて楽しい
あっという間に読み終わる
また ....
きみはうす汚れた扉にもたれるのをやめて
新しいにおいのする通りのほうへと急いだ
おれは正体の知れないジレンマにすこしとまどったあと
洗面台で昨日の夢をようやく洗い落とした
冬の街は ....
霜が降り
草がシャリシャリと音を立てる
冷たい朝を越えて
午後には暖かくなり
車の皮膚を膜のようにオーラのように
蜃気楼がつつむ
厚さ一センチばかりの蜃気楼は
車にかけられた魔法だ
( ....
年の瀬も終わりがちかづくと考えてしまう
ことしは雪が降りつもるのだろうか、と
~重い冬用タイヤが心配になるのだ
交換すればお金はいくらかかるのだろう
古着から薄着を折りたたんで収 ....
北風が吹いている
冷ややかな晴天に包まれて
真冬の気配が漂っている
僕は相変わらず臥せっていて
君の姿は遠くある
遠く響く君の声
僕は抱きしめ此処に居る
)君、ぼくたちはどこから ....
風が痛い
雨が痛い
雪が痛い
陽すら痛い
そして何よりぼく自身がもっとも痛い
空はダークグレーのイマジネーション
見上げるビルの谷間に昇る赤い月
乱立する電柱の影が貼りつく街並み
斬新なアートの生産の情熱は
冷めたのが多数派
愛はない
星が流れたり生まれたり ....
ある冬の
星と月が遠ざかる
そんな夜の街で
ほんとうの
あなたを探している
木枯らしが吹く
ユーフラテス川の
ほとりからこっち
ヒト科でいつわりなく幸せだったものなど
実 ....
旅先で地元の友と会い
焼き鳥屋にて
杯を交わす夜
こうしてサシで話さないと
知らなかったこともある
僕の知らないところで
辛かったね
痛んでいたね
友達なのに気づくの遅くて ....
仰ぐ
高曇りの冬空を
透き通っていきながら
仰ぐ
人差し指を立て
天から降り立つ冷気をかき混ぜ
)わたしの肉身から
)欲望溢れ零れ落ち
)ふるふる震えて
)大地に帰る
仰ぐ ....
なにもしていないのに疲れている
コンビニに寄る
駐車場が広くて
小学校の校庭くらいはある
大きなトラックが停まっている
十台以上ある
一つナンバープレートを見ると
やはり遠いところから来 ....
毎朝、小さなお守りを一つ握って家を出る。
それは例えば、食パンの留め具だったりとか。
死ぬまでに全てを抹消してしまおうと
無駄に生きていても天球は確実に回転して
とても言葉が軽い時に
やっぱり訃報と交換なのだが
Resetすることを恐れてはならないと想う
リセットで救 ....
たまには
月を下で眠るんだと
カッコをつけた彼の
見上げて眠った月は
わたしに降りそそぐ白い色の
月と同じ月だったのだろうか
星には
しあわせな自由を願った
月には
彼と ....
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