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野菊が 弾く
露の 散弾
衝動に 燃ゆ
火種は 雨
戻れぬ 時に
靴を 埋め
針が さした
五時へ ゆく
はや 暮れぬ
静止を 集め
野菊は いま
一言を 持つ
土 ....
{引用=(*筆者より――筆者が本フォーラムでの以前のアカウントで投稿した作品はかなりの数になるが、アカウントの抹消に伴ひそれら作品も消去された。細かく言ふと二〇一五年十二月から二〇一七年二月までの間に ....
静かに静かに暮れる時に
涼風秘やかに空気を揺らし
懐かし憧れの未知からの訪れ
還流しながら予感に巡る
余りに忙しい社会の営み
余りに貪欲な資本の増殖
逃れ逸脱、寡黙に落ちれば
戻って ....
いつも閑散としているガソリンスタンドの横からその路地に入る。道巾は車1台しか走れないスペースで一方向にしか走れない。両側に貧相な佇まいが軒を連ねているが、途中には産院と歯科医院があってその狭い駐車場が ....
失くした人を
偲んで見上げる
朧月
何かに抱かれるような
宵の人肌
湿った土が
ほんのり香る
始まりと
終わりの理
四条大橋から見渡す
川床の灯りは
春に滲ん ....
久々に訪れた病院の園庭は、
十数本の桜の木が
無数の赤い蕾を膨らませていた。
その生命力は、
春の大気に漲り震え
園庭という枠を獰猛に
突き破っていく不穏さを含んでいた。
膨ら ....
どこへ いこう
故郷も 青も
霧に 埋めた
迷える この身で
暗い 一節を
夜陰に こぼす
指を 捨てる
子どもの 様に
母の 声で
夢魔が 読んだ
デカダンスの 絵本に
....
降り注ぐ雨が
掴み切れず指をすり抜ける
落として来たもの
空がやけに広い朝焼け
終わりなのか
あるいは始まりなのか
レールを走る列車のようには
うまく進まない生き方を
けれど今を精 ....
月の横に大きな鯨が浮かんでいる
ちいさな星や人工衛星を食べて生きるまぼろし
ごちそうさまの煙を吐くと
オーロラに乗ってどこかに帰っていく
きっとあれは
我々のことなんて何も思わなくて ....
人生、いつまでも
学生のノリで
過ごせると思ったら
大間違いだぞ、てめえ!
えっ、そのキャンパスではなく
絵を描く方のキャンパスですだあ?
何言ってんだ、頭大丈夫か?
キャンパス ....
人生が一枚のキャンパスだとしても
俺は絵描きにはなれず
絵は苦手で下手くそ
それでいて、嘘で自分をしっかり塗り固めていないといられない
俺の人生
それでいて
他人にはからきし嘘をつけな ....
自分の夢が
現実になろうとする
現実になった
今までの経験が繋げた
夢へと伸びてゆく道
リアルなイメージが
現実になること
何倍も早める
ポジティブに日常を楽しみながら
....
取り柄なんて何もないし
いたって目立たない人間
脳みその出来はわるいのに
考えてしまう性格
くよくよとジメジメとぬかるんでいる人格
中学の頃は太宰治にのめり込んだ
ような気がする
....
詐欺師の女は
ムンクのマドンナ
のような表情を
漂わせ
フラッシュの
光の中に消えた
キムジョンナム
にVXを嗅がせた
女は国家に見捨てられた
ヴェールのなかで
捨て子のよ ....
また一晩が明け
光溢れる一日が来たよ
風はそっと穏やかだし
空はぼうと水色だし
街は花の香に包まれて
実に飄々と軽やかに
ステップ踏んで春は行く
おれはのそっと鬱だけれど
五十九回 ....
夜
リビングのソファーで母が咳をしてる
姉がトイレのフリをして
白湯を入れに行く
「電気消すよ。もう寝な」
私は父の手紙をしまう
「うん、おやすみなさい」
「おやすみ」
....
死から遠ざかる方法
あと一二年のいのちから夜を見つめる
信号の赤やみどりが頑張っている
信号無視する派遣社員ぽいひと
コンビニから大きな袋持ってでてくるひと
ああ、いま、 ....
騒乱騒乱、
光の洪水だ
爆発的な消尽、
圧倒的な光の洪水だ
浴びる、浴びる、浴びる
(白い巨鳥が空を行く)
ひたすらに進み
ひたすらに跪き
今、生きる
この渦巻く真昼の界
....
家族が崩壊しかねない危機的な状況におちいっても
あらためて会議なんてしなかった
そんな日がそんな時が
来たんだよな
前触れもなく突然に
上の娘が下の娘も連れて家を出て
アパートで暮 ....
死にたいと思いながら 同じ時間に目を覚まし
死にたいと思いながら リンパ浮腫になる心配をし
死にたいと思いながら ラジオ体操をしたりする
死にたいと思いながら お茶を飲み
死にたいと思 ....
さあ悟れずに生きていく
線路に財布を落とすようなとき
駅員がひとりもいないようなとき
ホームから降りて財布をとるようなとき
だれかが非常停止ボタン押して大騒ぎ
平成は昭和 ....
滞在時間が近づいて
右手からプラズマが出てる
あなたの食べてるものを食べてみたかった
あなたの飲んでるものを飲んでみたかった
ひどい別れ方をすることになるけど
それまでいっぱい、 ....
死にゆく蛍がかじった、かもがやの隙間の細い風
すっかり軽くなった腹を抱え
夜霧の中をしっとり歩いている
大きな風に
人の声が洗われて、草木の本当の
美しさを見る日を待ちわびていた
....
だれも自由をうばえない
君の自由は君だけのもので
でもね
僕の自由は遁走することだけなのだろうか
君の自由は時に逆走して過去や未来を変えようするけど
それを拒むものは自分自身なのかも ....
同窓会のたびに
あなたを探す
席に着いてからも
入口ばかり見てる
お酒を飲みすぎて
タクシーでホテルに帰る
ドアを開くと
カーテンが揺れてる
さっきまでここにいたの?
....
うつろな白い金魚が
一瞬こちらを見た
わたしはもうずっと、この命を誰かにもっていってほしかったから
誘われるまま飛び込んだ
ザボン
それから息を吐き切ってブクブク……
9%のチ ....
気が狂っちまった
宮沢賢治はどんだけ正気?
中原中也はどんだけ正気?
誰もがせつなくて
俺の半分以上が俺のもんじゃねえ
狂うってこたあそういうこったあ
さらにさ ....
掌から零れ落ちた幸せを
慌てて拾い集めようとするけれど
砂上の楼閣の如く
脆くも崩れ去り
風に浚われ跡形もない
立ち竦む 過去と未来の狭間
砕け散った心だけがその場に囚われ
視界を阻 ....
{引用=(*筆者より――筆者が本フォーラムでの以前のアカウントで投稿した作品はかなりの数になるが、アカウントの抹消に伴ひそれら作品も消去された。細かく言ふと二〇一五年十二月から二〇一七年二月までの間に ....
船が海に飽きて空中を浮遊したり
飛行機が空に絶望して海底を探検したり
少年が瞬くまに老人に進化したり
したら
愉快で痛快だな
子供が鉄棒に失敗して砂場に落ちた
自力で這い上がり立ち上が ....
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