すべてのおすすめ
ゆらゆらと
揺れ動く葉よ、草花よ
おまえはひねもす風を受け
静かに黙って花開かせ
静かに黙って枯れてゆく
ゆらゆらと
揺れ動く葉よ、草木よ
おまえはひねもす風を受け
遠いふるさとに ....
ココロにアイがなくても差し支えは何もありません
ココロにアイがなくても何の不便もありません
ホントです
アイしてないし
アイされてないし
アイしあってもいない
ワタシですから
夕 ....
ついこのあいだまで
さくらはいつさくのだとか
ついさっきまで
つゆはいつまでだろうだとか
きょうひとひらのアゲハチョウが
ひらひらとにわをただよって
ヒューとふいたかぜに ....
君の影は鉛筆だった
色はコバルトだった
窓ギリギリのところで
キリギリスみたいに
君の長い足を見ていた
教室の外
足音が聞こえるたびに
叱られた子供になって
君が振り返るたびに ....
蒸発しては
降り注ぐをくりかえす水分が
皮膚のうちがわで行き場を見失って瞳から垂れてくる
しんじゃった友達との記憶が許可無くうろうろする現在
懐かしい鮮やかな
そのときその場所でした匂い ....
あんたの口癖
どうせ敵わないなら
やらない。とか
どうせ叶わないから
成らない。とか
あんたの言い訳
やらない。成らない。
そんなんじゃない
どうせやれないし成 ....
どんなに練習しても
練習の成果は得られなかった
鉄棒の逆上がり
何度も挑戦したけれど
出来なかった
だけど
そんな子供はクラスに何人かいた
何人かの一人に私も含まれていた
夕日 ....
で、あずかったトモダチのカレシのイヌがしっぽを揺らすたびに部屋の椅子が倒れて コップが割れて床が濡れて
じょじょに狭いベッドに追い込まれてる
開け放した窓の外は暗いすごく
読み書きを ....
僕の前で、夜が眠っている
永遠にどこまでも続きそうな橋の真ん中に
巨体をぐっすりと横たえたまま
乗客が僕だけの列車は先に進むことができず
夜の鼾のような発車のベルが響くなかに停 ....
石と薔薇、石に薔薇
逃れ去る永遠は
石に薔薇を刻み込み
無数の棘で肉を刺す
失われた日々よ、〃無限の〃想い出よ
{引用=
人形が落ちていきました
夏の、空に。
アイスクリームがとけるまで待てなかったのです。
お猿の絵をかいていた女の子が
「待って」
と ちいさくさけん ....
ぎらぎらと陽が照っている
草木が緑に燃えている
世界はゆらゆらと揺れている
折しも二匹の紋白蝶が
絡み交わり輪を描き
白々と視界を過っていく
いったい何処へ行くのだろう?
自ら描 ....
{引用=
イ短調ロンドの孤独に犬のやうにあくがれて
せつかく育てた{ルビ硝子=がらす}色の{ルビ菫=すみれ}を
ただなつかしく僕は喰ひ尽してしまつた。
失意のかたい陰影を
新緑のプロ ....
l'impromptu
荒れ野に
深緑色のアップライトピアノが独り
雨を浴びている
仔象が
「 葉っぱあげる 」
「 ....
女 男 女 女 男
私の父親と母親の間には五人の子供がいた
一番上の姉と一番下の私とは十歳離れていた
長女が二十歳を過ぎた頃私は小学校の五年生だったと思う
実家は農家で 母親は農婦父親は農 ....
無数のきみの顔は
いつも笑顔を見せる
他のどんなものとも似ていない
きみの生と死は
時の海流を流れていく
潮目ではふたつの流れが
ひとつに混ざり燃え上がる
暗闇の波でおぼれたぼくたち ....
{引用=ふるいふるい くさばな
わたしをみながら
なにを はなしているのか
わたしに きこえない
おそろしい こえで
(いのることができないのです
す ....
もういいよ
帰ろうよ
私たちは
あまりにも それぞれが
理由を愛しすぎて
変わらないものを
予定調和の規則を
もうもたれないのだ
もういいよ
帰ろうよ
私が あまりに速 ....
ランドセルの 中
風の背を 乗せ
揺れる ブランコ
淋しい 音
割れた カスタネット
紫いろの 真珠
これを 彼女に
何千という 空の裾を截り
赤らむ 校舎の
大きな 時計が ....
たしかに電車を乗り継いで、よくわからないうちにお墓の前に立ってた
お花もお供え物も、お線香もない
たよりないトトロのリコーダーが裏の通学路から聴こえてくる
このご時世しあわせであることは地獄 ....
締め方の緩い
水道の水が光っている
一滴、二滴 光っている
僕は梅雨入りした街を行く
水滴は相変わらず光りながら
ぽたり、ぽたりと 落下し続け
僕は離れていく、無限な思い出を溢れさ ....
梅雨が深まり
紫陽花ばかり咲いた公園
紫陽花で有名な場所
あまり知らない種類の紫陽花
写真を撮りつつ歩く
紫陽花は梅雨の笑顔のよう
そんな声が観光客から聞こえた
本当にそうだと思 ....
もしも、あと1回だけ
誰かと「つきあう」ってチャンスをくれるなら
それはそうそう、ないとはわかっているけれど
もしも、万が一、ならば
6月の、雨降る夜更けのファミレスで
ガラスを叩く水滴 ....
毎日が同じ事の繰り返しで嫌になるね
と 職場で同僚の一人に軽く言ったら
えっ?
と驚いた表情を見せて
毎日が同じ事の繰り返しだから生きてけるんじゃないの
もし毎日が違う事の繰り返しだったら私 ....
古めかしい上着はもともとはそこそこに値の張るものだったらしいが、今ではあちこち擦り切れてしまって、ジョージ・A・ロメロ映画のエキストラが衣装のままで歩いているのかといった有様で、凍死しないでいるのが精 ....
あさ、
と呟いたことばを
ひと呼吸おいて窓辺に置くと
射し込むひかりに反射して
きらきらとひかる
うとうととする
あさ、のとなり
クロワッサンがやさしい匂い
ぼおばる月のかけらが
....
暑い
暑いなあ
まるで真夏の暑さだ
地球が狂い始めて
オマエラ、人間のセイダロウ
叫んでいるかのように
路傍に屈み
タンポポの種を
ふぅと吹いて飛ばしている
子供が二人、
白く ....
昨夜は死んでいる自分の夢を見た
まだ息を引き取って間もない自分の体だった
死んで間もない自分の心は
遺体から抜け出していた
遺体から抜け出した自分の心は
直ぐには天国へは昇れなかった
....
灰色が溜まっていく
灰色が溜まっていく
時は矢のように飛び去り
灰色が溜まっていく
憂鬱な快楽
(憂鬱は澱のように沈み)
空は高曇り
舗装されたばかりのアスファルトを
五歳の私が駆 ....
昔
戦争があったらしいが
俺は知らない
しかし
俺の父親は戦争に参加した
だけど
父親が果たして敵を殺したか
一人も殺さずにすんだか
なんて話を
俺は父親から
一度も聞いてない ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72