先生 この前のテストは100点だったけどBでいいです先生私先生が好きです。
ラメ入りの少年 惚れさせてしまうのは男どもばかり 生理も来ない
触れてとは言わない言えないでも触れな ....
とまってしまった観覧車はイルミネーション
風が二人の間を吹いた
ここの潮の香りは
かぎりなく偽物だ
それは私ではない誰か
窓際の花瓶の水を
新しく換えるのは
いつも気付かぬうちに
橙色の陽が差しこむ
開け放たれた窓から
手を振って身を乗り出す
あれは私ではない誰か
肌 ....
ほうっておかれて、いいのだ。
忘れていてくれたほうが
ほっとするのだ。
猫じゃらしなんかを
そよがせて
雲の影を
ひたいに映して
空想していたいのだ。
本日はお日柄もよろしく
押入れの中は相変わらずのじめじめ模様が続きます
いつまでこの暗闇の中でかくれんぼをしなければならないのか
親方にも僕にもよくわかりません
ただ、かび臭い布団や枕 ....
a
せかいは、ぼくはここにいるの
だいがっしょうでまるでしんでいるようです
あまりにこえがおおすぎて、
もうききわけのつかないのです。
あれはだいすき ....
蝉は何て言っているのか?
やりたいやりたいやりたいやりたいやりたいやりたいやりたいやりたいって言ってる
路上とかの脇に植えてある木なんかの幹で、
あーもーまじやりたいやりたいやりたいやりたいやり ....
倉吉病院にきちがいを連れて行くと5000円もらえる
倉吉病院の裏山には隔離施設と秘密の沼と竹林があって山を越えると
東伯郡になって梨園に出て夏になるとおいしく食べられる
竹林の奥の井戸のトタン板 ....
おにいさん。いくらそばでも遠いねえ 死にたいひとりをわけあう無言
お茶を出してはありがとう、なんて膿んでるわたしだけ日々のモノクロ
つまるわたし風がふいても音ばかりの海今日も匂うこ ....
一つだけ失くすことより得るものの少なさならばもっと失え
きつねいろチーズケーキにのせすぎたペパーミントのばかあほまぬけ
宇宙から何も来ないと信じながらレモンジュースを挽いて ....
鳩が いっせいに 飛びたって
まっさらな 秋が やってきた
マロングラッセの やわらかな 日差しが
やさしく そよぐ
にんげんより すこしだけ
透きとおっ ....
雨の日には
誰かの心がおわる
かつて夏の日に
鳥がいなくなってしまった
残された鳥籠のヴィジョン
死滅した都市だけが
優しい思考を生きてゆく
霧雨が止んだ午後
兄さんが里山へ
野いちごを摘みに行こうと言った
空にはかすかな光り
濡れた緑が 濃い空気を吐き出して
後に続く僕の 切れ切れの息を
奪うように纏わり付いてきた
....
うす紫に、きれいに染め上がった、
放課後の、
(優しい文脈を結んで)
ぼくは 図書館で、
大好きなきみの名前を、
水文字で書く。
水文字。
右でもなく、
左でもなく、
遠いほうの ....
誕生日を 何度祝う人がいるだろう
生から1回
27度 おめでとうという姉
27で 姉が空にいることを知り
28 5分が過ぎて 28
いくつかの頃 姉が28だった歳
「私 ....
母さん
ぼくの血は
あの鳩の眼よりも
薄い色なのですか
すでに色褪せてしまった繃帯が
風になびくのです
母さん
ぼくはまだ
あのデパートの屋上で
迷子のままなのですか
いまでも ....
>カムチャツカの若者が
>きりんの夢を見ている時
カムチャッカはロシア極東の海軍と水産業で知られる地域である。
そのようなカムチャッカの若者がなぜ「きりん」の夢を見るのか。
当然ながら ....
東京、今日の気温7000℃。
何気なく押しだした吐息に
繊毛が混じる
機械じみた寒さが
曇りガラスの窓を割る
結び目が一つだけついた
硬いロープが
乾いた土に
弓矢を放 ....
恋で埋める空き地を
日が差さないとぼくは文句を言った
音楽が流れる川のないところで
水浸しになるだろぼくは手紙を送った
物語の中にいるこれは嘘ですぼくは日記に記し ....
15:00
冷蔵庫が壊れた
ねえ 父さん
母さんが
今 通り過ぎましたよ
(新聞の音)
7:00
僕の洗濯機に
さわらないで
母さん
父 ....
あいにくと
今朝は
雲母の雨
レイゾウコに
証券市場線の傾きで
保存されたキャベツが
笑う
そう
どうでも
いいことだった
遠いNの遠足に
かかる雲のあいま
母さん ....
メアリーは言った
「いつまでも一緒よ」
でも彼女はとっくに
土の下
おお おお
彼女はとっくに
おさらばだ
キング氏も言った
「死ぬときは一緒」
でも彼は今年
83
おお お ....
おや、河をめざしていたのではなかったのですか
はい、ここは河です
どうにも、ここは海、のようですが
その証拠に、
こんなにも広く、青い
....
ミシシッピ・ブルーを忘れてしまった
2台の古いラジカセから
サラウンドで流れるサーフロックの隙間に
今日はなんだか涼しいね
の
違和感とマージして さようならも言わずに
歪んで照り ....
耳をふさいで、いた
宇宙の、すみっこ、で
その間も
朝と夜と砂時計、は転がりつづける
なにもかも、と
言えるほどの、なにか、
が
ふたりに、あったか
しれない
耳をふ ....
歪みきった顔が映ってる鏡のそばから
雨の音が聞こえる
誰にも気づかれないドアが
回転してる
最後の階段だけない
から
おれは右足を開封して左手で閉じた
....
海底に直立する卵には もうひとつの海が詰まっている
明け方の海に 平板なアルミニウムの光
その皮膜を剥げばダイナモが唸る
液状化した肉質の中心で 黄濁する眼球は閉ざされたまま
瞼の裏側で ....
前を横切る人は
高らかに今宵を謳う
横で凭れる人は
とりとめのない今を送信する
見限るよりも密やかに
夜は悲鳴を上げて
人々に目を凝らす
ああそして
....
僕 達 は も つ と 一 緒 に ゐ る べ き だ つ た 。
遠 く で 鳴 く 蜩 の 夏 。
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