すべてのおすすめ
五月に生まれた
その時私はたくさん泣いただろうか

明るい小さな窓のそばで
この身体に優しさの種を植えただろうか

育つたびに変わらない
心の水たまりは
やがてゆっくりと輪郭までを映す ....
その街に風は吹きますか
手紙のようにそっと遠くから

坂道で靴は鳴りますか
生みたての音楽のように

どれだけの名前を覚えていますか
カタカナの響きに変わっても

この哀しみは君 ....
午前1時
上手く眠れずに

煙草を吸おうとして
小さな丸い換気口を開けると

コォー コォー
とガランとした舗道を
駆ける風の音がした


清らかで濃密な
午前1時の音だ
 ....
前を横切る人は
高らかに今宵を謳う


横で凭れる人は
とりとめのない今を送信する


見限るよりも密やかに
夜は悲鳴を上げて
人々に目を凝らす



ああそして
 ....
ぼくがひとり
窓を閉めている

ぼくがふたり
雑木林をあるいている


ぼくがひとり
床を掃いている

ぼくがふたり
ゴミ箱をあさっている


ぼくがひとり
湖畔 ....
人恋しさを巻き付けて
八月が
扇風機に踊っている


遠く水玉に散る
記憶の夏たちにシャララ
と手を振って


分からず屋な夢の中へ
颯爽と君に

渇きに行こう
この真夜中の
この静けさに

チラチラと
狂気は降って


闇の秒の遅さと
生の流れの速さに
僕は怯える


明かりを付け
異国の古い
映画に紛れながらも


こ ....
ガムを噛みながら
赤いドアから君が入って来た


ガムを膨らませて
青いドアから僕は出ていく


この風船の中に
きっといくつも
理由はあるんだろうけれど


どの道僕らは
 ....
     ▲
    そして
   どこまでも
  群青の闇を往く
  魚のあとを追い
 かつての白い肌は
 鈍く焼けてしまった

  水の角を曲がり
  更に水を下る
  ....
月にテープを送ろう

これが僕の声だよ
誰かに似てると思うかい

風の速度も知らないし
今日も素面で歌ってる


虫に答えは譲ろう
僕は分からなくていい

悟りは空に任そう
 ....
あなたがするり
と躱す度に

僕の身体は
曲がっていきます

人を遠ざけそうです
喉が貼りつきそうです

薄い枯葉のようです
水を飲ませてください


あなたがひらり
と逃 ....
緩やかな翳り
窓枠を溶かす


鐘のこだま
スピーカーの喚声

宥め掬う



夕方という
懐かしき翳りに


独りが
飽和する
 沈黙の闇に寝そべり

 ああ此処も

 宇宙のどこかと

 耳を澄ませる
本木はじめさんの松本 涼さんおすすめリスト(13)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
五月- 松本 涼自由詩412-5-17
てがみ- 松本 涼自由詩8*05-5-23
午前1時- 松本 涼自由詩4*05-1-31
ホームにて- 松本 涼自由詩3*04-8-18
風向き- 松本 涼自由詩3*04-8-10
八月- 松本 涼自由詩7*04-8-9
真夜中- 松本 涼自由詩8*04-8-9
ガム- 松本 涼自由詩3*04-7-4
五感- 松本 涼自由詩11*04-6-27
ブルーチーズ- 松本 涼自由詩8*04-6-26
するり- 松本 涼自由詩10*04-6-14
夕方- 松本 涼自由詩4*04-6-9
沈黙- 松本 涼短歌11*04-6-5

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する